定番の法人モバイル、HP Elite Dragonfly G2 シリーズの実機レビュー

13インチ16:9 液晶海外PCメーカー製品情報
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HPでは、個人の方でも法人PCが買えます。

法人向けで使いやすいものが個人で使いづらいということはないので、むしろ法人の定番モデルは安心してオススメできます。

今回はそういった法人向けでありながら、個人の方からも注文の多いHPの「Elite Dragonfly G2」をご紹介します。

>>「Elite Dragonfly G2」の購入口はこちら<<

※今回は日本HPから機体をお借りして記事を作成しています。


アルパカ

HPが11月18日(月)12:59まで「ブラックフライデー・第一弾」が開催中です!


激安というほどではありませんが、何もない状態で買うよりはよほどお得に『Pavilion Aero 13-bg』2024年モデルを手に入れられます。

Enterキー横一列の特殊キーがなくなり打ちやすくなった新型『Aero 13』ですが、右側のCtrlキーがなくなってしまったことと、矢印キー左右上側にPgUp と PgDn のキー配列になったことで問題なければ、新型でぜひどうぞ!

Aero 13-bg(2024)-キータッチ確認

Aero 13-bg(2024)-二色展示

ブラックフライデー・第一弾icon」は
残りあと -日間です!

※「ブラックフライデー」では他のクーポンとの併用ができません。クーポン使わずとも同程度に安くなっています。

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HP「Elite Dragonfly G2」シリーズの特長

法人向けとして出されたモバイルPCの定番です。

価格的な点から、もう一つの定番である「ProBook 635 Aero G8」の方が広く売れていますが、タッチパネルが必要そうな方ならこちらの「Elite Dragonfly シリーズ」です。

個人の方でも普通に買えますので、セキュリティを意識した使い方なら個人、法人問わずにオススメです。

位置付けと特長

・360度回転するコンパーチブルモデル。重さ約 1.15 kg

・LTE(4G、5G)対応モデル(→記事最後の「補足:5Gに関して」をご覧下さい)

・セキュリティレベルの高い法人向けPC(HP Wolf Pro Security Edition選択可)

・「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」が標準搭載(一部、非搭載モデルあり)

・その他:頑健なマグネシウムボディとTile(タイル)機能

360度回転するコンパーチブルモデル。重さ約 1.15 kg

裏返るコンパーチブルモデルとして、タッチパネル付きでタブレット形や、テント形など、様々なスタイルで活用できます。

別売りで選べる「HP リチャージブル アクティブペン G3」と併せて買うことで、ペンワークによる表現も可能です。

今回、アルパカは対応したペンを持っておらずペン操作は試していませんが、指で操作したタッチ感は良いものでした。ビジネス用途としての操作性はとても優れていると思います。

重さは1.15kgとそこそこの重さではあるものの、ズッシリ感を感じやすい1.2kgの線引きを下るので、体力筋力に自信のない方でなければオススメできます。

「HP Elite Dragonfly G2」の比較・天板と重さ

 

LTE(4G、5G)対応モデル

「HP Elite Dragonfly G2」のSIMの装入口

SIMの接続口は左側にあります

メーカーによってWWANとも呼ばれていますが、SIMを内蔵して独自に通信する機能を有します(モデルによっては付いていないので、表示を見間違えないよう、ご注意下さい)。

LTEが繋がっていれば外出先でいちいちポケットWifiやデザリングの設定をする必要がないので、すぐに外での作業に取り掛かりたい人には便利です。

通常のLTE(4G)モデルの他に、最新の5Gモデルも用意されています。購入ページではグループ分けされていないので分かりづらいのですが、内蔵モバイル通信モジュールの項目が「Intel(R) XMM(TM) 7360 LTE-Advanced」だとLTE(4G)で、「Qualcomm(R) Snapdragon(TM) X55 5G Modem」だとLTE(5G)です。

購入画面の表示・通常のLTE(4G)

購入画面の表示・最新のLTE(5G)

LTE(5G)モデルのラインナップはまだ少ないですし、値段が高めですが、都心部や主要都市では使えるエリアが広がってきています。今後のことを考えるなら、都市部の通信網が強い地域で使う人には良い選択肢…と言いたくなるところですが、アルパカは5Gをオススメしていません。

理由は、記事最後の「補足:5Gに関して」をご覧下さい。

「Intel(R) XMM(TM) 7360 LTE-Advanced」LTE(4G)のカバーする周波数帯
インテル® XMM™ 7360 LTE通信モジュールのカバーする周波数帯
FDD LTE:
2100 (Band 1), 1900 (Band 2), 1800 (Band 3),1700/2100 (Band 4), 850 (Band 5), 2600 (Band 7), 900 (Band 8), 1400(Band 11), 700 (Band 12 lower), 700 (Band 13 upper), 700 (Band 17 lower),850 (Band 18 lower), 850 (Band 19 upper), 800 (Band 20), 1400 (Band 21),850 (Band 26), 700 (Band 28), 700 (Band 29 RX only), 2300 (Band 30),2100 (Band 66) MHz
TDD LTE:
2600 (Band 38), 1900 (Band 39), 2400 (Band 40), 2500 (Band 41) MHz
「Qualcomm(R) Snapdragon(TM) X55 5G Modem」LTE(5G)のカバーする周波数帯
「Qualcomm(R) Snapdragon(TM) X55 5G Modem」LTE(5G)のカバーする周波数帯
•LTE (FDD)
B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/
B12/B13/B14/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28/B29/B30/B66
•Penta-band:
DC-HSPA+/HSPA+/HSPA/UMTS
B1/B2/B4/B5/B6/B8/B9/B19
•5GNR Sub 6GHz
n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n41/n66/n77/n78/n79

 

セキュリティレベルの高い法人向けモバイルPC(HP Wolf Pro Security Edition選択可)

OSがProエディションの法人モデル共通ですが「HP Wolf Pro Security Edition」を選択することができます。

「HP Wolf Pro Security Edition」とは、既知のウィルスに強い従来のセキュリティソフトとは違い、AIによる行動分析や未来予測を取り入れることで、今まで対応できなかった未知のウィルスからも守れるセキュリティシステムです。

Windowsに標準搭載されている「Windows Defender」と平行して稼働できるので、既知、未知、どちらのウィルスからも守ることができます。また、最初から選択することでプリインストールした状態で発送されるので、PCの使い始めからすぐに堅い守りの元で使うことができます。

「HP Wolf Pro Security Edition」の選択画面

価格が安い点も魅力的で、2021年年末、記事アップ時点での値段は年間2200円という安さ。通常のセキュリティソフトであれば5000円前後が相場ですから「HP Wolf Pro Security Edition」が選べるモデルを考えるのであれば、一般のセキュリティソフトは不要と割り切って良さそうです。

 

「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」が標準搭載(一部、非搭載モデルあり)

「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」とは、キー操作によるオンオフで視野角を切り替え、覗き見を防止するというものです。

物理的なプライバシーフィルターを付ける煩わしさがなくなるので、ビジネスユースに的を絞った方なら非常に便利な機能です。

HP Sure View Reflect オフ時HP Sure View Reflect オン時

P Sure View Reflect オフ時

HP Sure View Reflect オン時

一方で、オフ時でも視野角が狭まる点や、輝度を上げておかないと、画面端が若干暗めになりやすい(斜めからだと白けやすい)などの欠点を併せ持ちます。今回、ご紹介している「Elite Dragonfly G2」では、元々が高輝度液晶を備えているので画面の暗さはカバーできているように感じました。

ただ、斜めから見れば見づらくなるのは避けられず上記のオフ時の写真がそれに当たります。この角度で大体45度くらいですが、ここが画質低下になる線引きの角度です。

常に正面から使う事務的なビジネス用途に的を絞った便利機能だと思います。

※正面から見た時の画面の綺麗さに関してはディスプレイの項目をご覧ください。

 

その他:頑健なマグネシウムボディとTile(タイル)機能

ソフト的なセキュリティの高さとは別に、機体そのものも頑丈なマグネシウムボディで造られています。米軍調達基準(MIL STD)に準拠したモデルは他メーカーにもありますが、それだけに頼ることなくHP内での長時間に渡る耐久テストをパスしています。

また、紛失防止機能の「Tile」ネットワークを通じて、PCを失くした際に役立ってくれます。大事な情報の入ったPCを電車内に置き忘れてしまった、など、気づいた時にはすぐにスマホから今ある場所を特定することができて便利です。

 

外観について

デザイン的な特徴

このシリーズはドラゴンフライブルーと呼ばれる深い藍色のみです。

ドラゴンフライブルー のデザイン

「HP Elite Dragonfly G2」の比較・正面、内容物一覧

落ち着いたマッドな深い藍色で、光の加減によっては紺色っぽく見えます。

指紋はあまり目立たず、どの場面でも使いやすいスタンダードなデザインです。

「HP Elite Dragonfly G2」の比較・手で持ったところ

重さは約1.15kgで、軽い方ではないものの、これくらいなら問題なく持ち運べる重さです。

コンパーチブルモデルなので様々なスタイルで使えますが、1kgを超えてくるとタブレットとして手で持ち続けて使うには重たいので、どこかに置いて使うのが基本になると思います。

「HP Elite Dragonfly G2」タブレットモード

「HP Elite Dragonfly G2」テントモード

広げた時には向かい側にいる人に見せやすくなるので、何かの資料を目視で共有したい時などに便利です。

「HP Elite Dragonfly G2」ヒンジ180度開いたところ

一般的なノートパソコンスタイルで使う角度だとこのように。

「HP Elite Dragonfly G2」・左側

「HP Elite Dragonfly G2」右側

全体的にすっきりとしたデザインで、余計な装飾がありません。天板にあるHPのロゴもシンプルで職場や取引先の目の前でも安心して使えます。

HPの「Elite Dragonfly G2」の天板

底面にはスピーカーが備えられており、床面に反射させて音を広げるスタイルです。

キーボード左右にもスピーカーがあり、双方から BANG & OLUFSEN の良い音を楽しむことができます。

音に関しては普通のモバイルPCに比べて、やや高音質に聞こえました(アルパカの個人的な感想です)。

「HP Elite Dragonfly G2」裏蓋

ヒンジ背面には廃熱口が付いています。このモデルは熱を気にするほどの温度にはなりません。

「HP Elite Dragonfly G2」ヒンジ外側

 

接続口

「HP Elite Dragonfly G2」の接続口

Type-Aが左奥に一つ。SIMスロットも左側にありますが、あとは電源ボタンだけ。

右側は Type-C が2つあり、両方ともThunderbolt 4 対応となっています。他はヘッドフォンジャックやHDMIなど。

SDカードスロットはありません。写真の読み取りは別の接続を試してもらうことになります。

難点というほどではありませんが、気になったのはType-Cの位置が右側、少し手前にあったことです。通常は左側奥にあることが多いです。

右利きの人が使うとケーブルがマウス操作の邪魔になりますので、AC充電の際には機体の奥側からケーブルを回してきた方が良さそうです。

 

ACアダプタについて

ACアダプタの型番は「TPN-TA02」、長さは180+100=280cm。重さは306.5g。
定格電力は65Wとなっており、メガネケーブルは国内向けの125V用です。

18W以上で一通りの充電ができるのを確認していますが、純正アダプタ以外では以下のポップアップメッセージが出ます。

HP Elite Dragonfly G2 に他社製Type-Cを繋げたところ

その辺りが煩わしくないようであれば使えますが、充電速度としては45W以上の方が使いやすいと思います。

「Elite Dragonfly G2」の互換アダプタ

使用 PD対応
電力
メーカー 商品型番
18W cheero CHE-324
20W AUKEY PA-F3S-WT(White)、PA-F3S-BK(Black)
30W Proulx GAN-65(White)のUSB-C2
45W Anker PowerPort Atom III Slim (Four Ports)
65W Proulx GAN-65(White)のUSB-C1

※ケーブルは全て「Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル (0.9m) 超高耐久 60W PD対応」を使用しました。

以下、単ポートで65WのPD給電に対応しているType-C充電器の代表例です。コンパクトで120gで済みますから持ち運びが楽です。

 

バッテリー

Youtubeの連続再生時間は、最終11時間20分まで稼働し続けましたが、実利用として使いやすい時間を考えるなら約10時間までが現実的なところです

※今回、バッテリー時間のチェックをした細かい記録が取れていません。おおよそ違っていない数字ですが、いつもより多少、前後しているかもしれません。

※輝度50%、音量40%で、高パフォーマンスでの電力設定(Windows11のバランス)にて、ライブ映像を流し続けた時のバッテリーの持続時間になります。

充電速度は以下の通り。スキマ時間で十分、充電可能な速度です。

30分 60分
65W給電時 50% 68%

 

キーボード

「HP Elite Dragonfly G2」のキーボード・全体

縦横ともにキーピッチ18.7mm、キーストロークは1.5-1.7mmとしっかりと打ち込める深さです。

Enter キー周辺の特殊キーが小さくないのも良いです。

打鍵感は普通ですが、深くしっかり打ちたい人には向いています。

キー配置は世界標準と言えるもので、矢印キーが逆T字で扱いやすいです。左右のキー上の空間がきちんと設けられているので、ブラインドで無意識に場所を把握できます。手元を見ないでガンガンン使いたいビジネスマンには良い配置です。

Enter キーのすぐ上に BackSpace キー、その上に Delete キーの鉄板配置。

カメラキルスイッチも便利ですし「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」も F2 キーのワンタッチで切り替えられるのも使いやすいです。

「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」の切替えはF2キー

強いて言えばCapsLockのオンオフ切替えランプが付かないくらいで、モバイル機にそこまで求めなくても良い気がします。

一言で言えば地味です。ですが地味だけに、完成されており、これは使いやすい、というのがすぐ分かるキーボードです。

HP同士での売れ筋では、「Aero 13」などの個人向けモバイル機がEnter キーの右隣の特殊キー配列を気にする人が多いですが、そうした人にはこちらの「Elite Dragonfly G2」がオススメになります。もっとも価格差が大きい上にプロセッサーがIntel機になりますので、そこを許容できる方なら、となります。

「Elite Dragonfly G2」のキーボード「Aero 13」のキーボード
「Elite Dragonfly G2」のキーボード

「Elite Dragonfly G2」のキーボードアップ

Aero 13」のキーボード

他、バックライトキーボードが付いており、F9 キーで切替え可能です。

これもまたビジネスシーンでは必要になる場面は多いと思います。

「HP Elite Dragonfly G2」のバックライトキーボード

 

「HP Programmable key」の機能について

「HP Programmable key」の機能について

計算機やメモ帳などのアプリを登録しておいたり、良く使う定型文を登録しておいたりと、ショートカットを作成できる便利機能です。特にビジネスシーンでは同じ文章の組み合わせを使うことが多いので、速度アップになる人は多いと思います。

以下、長くなるので折りたたんでいます。クリックかタップでご覧いただけます。

HP Programmable key

「HP Programmable key」の設定画面

F12 キーを押すと、このような画面が出てきます。

Shift キー、Ctrl キー、ALt キーのそれぞれを、F12 キーと組み合わせることで使えるようになります。

単純にアプリの起動だけではなく、ウェブサイトやファイル、フォルダの起動も一発で済みますから、良く使うものを登録しておくと便利です。

「HP Programmable key」の設定、ファイルやフォルダ、Webページも一発呼び出し

加えて「HP Programmable key」の優れたところは、テキストが2000文字まで登録できるところです。

「HP Programmable key」では2000文字まで登録可能

ビジネスマンですと100文字以上の定型文を使いたい場面はけっこうあります。ですが、IMEでは60文字、Google の辞書ツールですと100文字までですから、痒いところに手が届かずにいた人は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

さすがに段落分けまではできませんでしたが、ひとまず、ここまでできれば活用できる場面は多いと思います。

 

ディスプレイ:非光沢の16:9液晶 FHD

HP Elite Dragonfly G2(HP Sure View Reflect 付)の液晶パネル「IVO X133NVFF R0」:Color ACの色度図、i1Display Proによる輝度測定、LUT表示

輝度は836.1cd/㎡で、色域はsRGBカバー率が96.2%。Adobeカバー率が73.8%。赤い色合いがやや強めに出るようです。

一般的なノートパソコンの輝度が300cd/㎡前後ですから、とんでもな明るさに思えますが、実際に肉眼で見ると、数値ほどの明るさではありません。

今回、アルパカがレビュー機として使用した「Elite Dragonfly G2」は「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」搭載機ですから、元々、暗くなりやすい特性を備えています。そのためだと思いますが、計測値として高めに設定されていても、肉眼として見た時には一般的な明るさに見えます。体感的には400強くらいかと。

ちなみに、「Elite Dragonfly G2」のシリーズの中には「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」が搭載されていないモデルもあります。基本的にビジネス使用を想定しているシリーズですが、画質優先で視野角を狭めたくないようであれば、そちらをお選び頂くこともできます。

 

HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)について

次にモニターの視野角の広さを確認します。

写真でも確認できますが、斜めから見ても文字を読むことができます。ただ、一定の角度(真横を90度とした時に45度くらい)になると見えづらくなるのは先の特長に記載した通りです。個人用途の美しさを求めているモデルではないので、「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」を装備したパネルの特性だと割り切った方が良さそうです。

こうした部分は写真越しでは伝わりづらいかもしれません。

「HP Elite Dragonfly G2」のディスプレイ・上から

「HP Elite Dragonfly G2」のディスプレイ・横から

「Elite Dragonfly G2」の場合、周囲が明るい場所だと、斜めになると色が白けやすいです。

アルパカはディスプレイの持つ美しさを引き出すために、敢えて暗室での撮影をしているので、そうした欠点が出ずらい状態での撮影になります。つまりは、映画を見るような個人用では部屋を暗くできるなら、ここに掲載した画質で楽しむことができます。

HP Elite Dragonfly G2 のsRGBカバー率 96.2%一般的なIPS液晶 sRGBカバー率62.8%TN液晶 sRGBカバー率61.3%

HP Elite Dragonfly G2 のsRGBカバー率 96.2%・正面から

「ThinkPad E15 Gen 3 (AMD) 」の液晶、画像(正面から)、標準的なIPS液晶

LAVIE Direct N15(R)のTN液晶 sRGBカバー率61.3%

色域の広さは素直に色鮮やかさとなって画像の美しさを引き立ててくれます。ただ、赤が強めに出ているというLUT表示の通りに見えます。

Elite Dragonfly G2のsRGBカバー率 96.2%一般的なIPS液晶sRGBカバー率62.8%TN液晶 sRGBカバー率61%

「Elite Dragonfly G2」のディスプレイ・上から(画像)

「Elite Dragonfly G2」のディスプレイ・横から(画像)

ThinkPad E15 Gen 3 の斜め上から見た時の一般的なIPS液晶

「ThinkPad E15 Gen 3 (AMD) 」の液晶、画像(視野角確認)

TN液晶 sRGBカバー率61%、斜め上から

TN液晶 sRGBカバー率61%、斜め横から

 

シリーズの内部性能について

「Elite Dragonfly G2」の Core i7-1165G7 搭載機

今回、アルパカが調べたのは「Elite Dragonfly G2」の Core i7-1165G7 搭載機になります。

性能を調べた結果、まとめ

HP Elite Dragonfly G2のi7モデルのCPU-Z-a

HP Elite Dragonfly G2のi7モデルのCPU-Z-b

メモリがLPDDR4Xのオンボードで、16GB構成に関してはクアッドチャネル対応となっており、パフォーマンスは十分だと思います。

ただ、元々が法人向けとしてセキュリティが強化されているモデルなので、PC起動時に読み込むセキュリティ関連のブートがあるらしく、デスクトップにたどり着くまでに15~16秒くらいかかります(同性能で早いものは11秒くらい)。

PCMark10

今回は同じモバイルのカテゴリーとして、14インチ以下同士で比較したグラフになります。

トータルスコアApp Start-up ScoreVideo Conferencing ScoreWeb Browsing ScoreProductivitySpreadsheets ScoreWriting ScorePhoto Editing Score

全体的な快適性能を計測したもの。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、トータルスコア

アプリケーションの起動速度。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、3.App Start-up Score

オンラインビデオ(Zoom や Teamsなど)の処理能力。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、4.Video Conferencing Score

ブラウジング(ネット)の処理能力。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、5.Web Browsing Score

ビジネスアプリ全般の性能。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、6.Productivity

Excel や Access などのスプレッドシート系アプリの挙動。主に関数計算能力。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、7.Spreadsheets Score

Wordなどのワープロソフトの挙動。

PCMark10-HP Elite Dragonfly G2専用、8.Writing Score

写真のレタッチの強さを表した数値。

トータルで4944となり、多少の重たい使い方や連続作業をしたところで問題ないことが分かります。目安として4000あれば、普通の事務的な作業は快適な範囲です。

このシリーズは Intel プロセッサーのみですが、直近で出てきた「Aero 13」の Ryzen シリーズが高いパフォーマンスを出しているので、パッと見、グラフ上では見劣りします。

ですが、「App Start-up Score」で同列のスコアとなっており、作業の切替え、アプリの取り回しで遅延なく行えることが分かります。

元々がビジネス向けですから、ZoomやTeamsを使ったオンラインビデオ会議の能力が気になる人は多いと思いますが、「Video Conferencing Score」では 8275 と安定した上位スコア。

ブラウジングの速度を見ても「Web Browsing Score」で 9054 というのが素晴らしい数値です。ここはRyzenシリーズが苦手としているバッテリー駆動時での電源設定を一つ落とした時に弱くなりがちな部分です。

実は「Elite Dragonfly G2」ではブラウジング速度の低下が落ちるどころか逆に上がることがあります。

電源設定による差が小さいモデルだと、ベンチの数値が逆転するのはよくあることで、「Surface Pro 7」などがそうでしたが、実は一つ落とした電源設定の方が早く稼働することが多くありました(後から確認していますが、アルパカがデータの入れ替えミスをしてはいません。この通りの内容です)。

Elite Dragonfly G2Pavilion Aero 13-be

HP Elite Dragonfly G2のWEBXPRT3グラフ

Ryzen 7 5800U搭載の「Aero 13」のデータも置いておきますので、比較して頂けると分かりやすいと思います。

切り分け方としては、外出先で使う頻度がどれだけあるかどうかで、電源設定のないバッテリ駆動時のブラウジングが多い人ならIntel系。そうでないならRyzen系、となります。

ただ、肝心のビジネス系アプリ全般の速度を司る「Productivity」ではRyzenに差を付けられており、「Elite Dragonfly G2」は 6368 と悪くない数値ですが、良くもありません。

一番良くないのは Intel Core の苦手としている関数計算の速度が遅いことで「Spreadsheets Score」で 5789 というのは、Ryzen 4000番台に劣ります。この辺りのスコア差だと、30万行の関数計算を行わせた時に、15秒半くらいかかるのですが、Ryzenのトップクラスだと10秒前後が多いです。

ただ、これはあくまでも関数計算での話であって、コピーや置換能力はIntel系の方が優れていることが多いです。Excelは使うけどシフト表を組むとか、単純にスコアの記録を入力するだけ、とかなら気にする必要はありません。「Elite Dragonfly G2」で細かく計測はしていませんが、以下の記事が参考になると思います。

一方で「Writing Score」や「Photo Editing Score」が良い数値でしたので、パワポの加工編集には向いています。特に写真のレタッチしたものを張り付けて資料的なファイルを作成する際には良い動きをしてくれます。

その他ベンチマーク、「Elite Dragonfly G2」の計測結果一覧

CinebenchR23

Single Core 1427 pts

Multi Core 4087 pts

MP Ratio 2.86 x

 

PassMark

 

軽いゲーム:ドラゴンクエストX

 

ストレージ

「Elite Dragonfly G2」本体ストレージ・CrystalDiskMark7.0にて小容量で計測

「Elite Dragonfly G2」本体ストレージ・CrystalDiskMark7.0にて大容量で計測

シーケンシャル、ランダムともに標準的な良い数値を出しており、大きな容量で計測しても速度の減衰はほぼありません。逆に上がる数値もあるくらいで、どの容量でも、書き込み読み込みともに安定した速度を出せています。

512GBのストレージで購入した場合は以下の通りです。413GBが自由に使えますので、かなり広々と使うことができます。

※初期ストレージの空容量はOSの更新やリカバリ領域などの設定により増減します。

「Elite Dragonfly G2」の初期ストレージ容量

 

「Elite Dragonfly G2」搭載 Core i7-1165G7の高負荷パフォーマンス推移

電源設定:最も高いパフォーマンス時電源設定:高パフォーマンス時

「Elite Dragonfly G2」Core i7-1165G7搭載機 にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(最も高いパフォーマンス時)

「Elite Dragonfly G2」Core i7-1165G7搭載機 にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(高パフォーマンス:バッテリー駆動時)

HP Elite Dragonfly G2
Intel Core i7-1165G7、最も高いパフォーマンス時
平均 最高値
周波数 2,005.6MHz 4,740.8MHz
電力量 2.7W 9.7W
温度 30.7度 38.0度

※一番高い電力設定であるWindows10の “最も高いパフォーマンス” とは、Windows11で言うところの “最適なパフォーマンス” のことです。
同様に、一つ下に落とした電力設定であるWindows10の “高パフォーマンス” とは、Windows11の “バランス” のことです。

 

最も高いパフォーマンス時に、最初の14秒までがそれなりに高い周波数推移ですが、壁というほどのものではなく、周波数が上下するものの、それ以外は全体通して落ち着いた推移を続けました。

温度も低く抑えられており、電力設定はTDP28Wではあるものの、総じて控えめな挙動です。

音も控えめで、体感的には35dbほど。静かな図書館でフルに回しても気にならないレベルです。

これならどの場所でも気がねすることなく使えると思います。また、温度の面からすると、長い期間、安心して使い続けることができると思います。

今回、機体表面温度の写真までは撮っていませんが、撮る必要がないほどまったく熱を持ちませんでした。膝上で使っても不快感はありません。

 

性能表について

良いPCだけに、元々が高額なラインナップです。

キャンペーンで比較的、割安になっているセット販売を中心に売れ筋どころのオススメ構成となります。

なお、一般の個人向けモデルと違い、配送料が+3300円(税込)が加算されます。

Core i5-1135G7 のオススメ構成

HP Elite Dragonfly G2
16万円台のオススメ構成-A
キャンペーン名 超軽量プレミアムコンバーチブル
・LTE対応のスペシャル構成キャンペーン
東京生産・プレミアムコンバーチブル
・キャンペーン-A
OS Win 10 Pro
プロセッサー Core i5-1135G7
メモリ 8GB オンボード
ストレージ 256GB SSD(M.2 PCIe NVMe)
ディスプレイ 光沢・タッチ・
HP SureView Reflect 搭載
タッチ・光沢
機能 LTE(4G) LTEなし
質量 約1.15kg 989g~
型番 398A4PA
値段 ¥164,780 ~ ¥165,000 ~

※価格は全て税込、送料込みの表記です。
2021年8月4日現在の価格にて表示しています。
※カスタム選択項目は割愛しています。
※Officeなし構成での価格で表記しています。
※配送料の3300円が別途必要になります。

 

一番安い構成でこの辺りの16万円台からですが「HP SureView Reflect」が搭載されていないLTEなしモデルになると、1kgアンダーの軽量モデルになります。

LTE不要で、普通にWifiが使えれば良い、という方にはオススメです。

 

HP Elite Dragonfly G2
20万円台おすすめ構成 -B
キャンペーン名 超軽量プレミアムコンバーチブル・5G対応のスペシャル構成キャンペーン 次世代のウイルス対策ソフト
・セットキャンペーン
OS Win 10 Pro
プロセッサー Core i5-1135G7
メモリ 16GB オンボード 8GB オンボード
ストレージ 512GB SSD(M.2 PCIe Gen3x4 NVMe) 256GB SSD(M.2 PCIe NVMe)
ディスプレイ 光沢・タッチ・
HP SureView Reflect 搭載
タッチ・光沢
機能 5G LTEなし。HP Wolf Pro Security Edition 3年版標準装備。
質量 約1.15kg 989g~
型番 398A8PA
値段 ¥206,580(税込)~ ¥168,025(税込)~

※価格は全て税込、送料込みの表記です。
2021年8月4日現在の価格にて表示しています。
※カスタム選択項目は割愛しています。
※配送料の3300円が別途必要になります。

icon

「HP Wolf Pro Security Edition」によるセキュリティありきで考えるのであれば、「次世代のウイルス対策ソフト・セットキャンペーン」が大差ない値段で3年版がついてきます。

5Gが付くと途端に値段が上がりやすいですが、メモリ16GBで20万からのスタートです。

 

Core i7-1165G7 のオススメ構成

HP Elite Dragonfly G2
20万円台おすすめ構成
キャンペーン名 iconicon超軽量プレミアムコンバーチブル・5G対応のスペシャル構成キャンペーン 東京生産・プレミアムコンバーチブル・キャンペーン-C
OS Win 10 Pro
プロセッサー Core i7-1165G7
メモリ 16GB オンボード
ストレージ 512GB SSD
ディスプレイ 光沢・タッチ
・HP SureView Reflect 搭載
タッチ・光沢
機能 5G LTEなし
質量 約1.15kg 989g~
型番 397J3PA
値段 ¥221,980(税込)~ ¥207,900(税込)~

※価格は全て税込、送料込みの表記です。
2021年12月30日現在の価格にて表示しています。
※カスタム選択項目は割愛しています。
※配送料の3300円が別途必要になります。

 

5Gを捨てて i5 → i7 にしても、おおよそ同額なので迷うところですが、基本性能のベースはプロセッサーにあると考えるのならこちらの方がオススメになります。LTE不要で軽さ優先の人にとっては良い選択肢です。

 

最後に・まとめ

HPの「Elite Dragonfly G2」最後に・まとめ

“世界で最も安全なビジネスPC” というキャッチコピーで売りに出され、多くの支持を得ているモデルです。

法人向けは値段が高めになることが多いのですが、会社の予算で買うなら高額になってでも稟議の通る範囲なら問題ない、などの都合が手伝って、やはり会社員には選ばれやすいです。

個人の方でも使いやすい一台を手に入れるためなら妥協はできないと考える人は多いです。

Lenovoの「X1 Carbon」や「X13シリーズ」などは会社員の定番ですが、そもそもLenovoというメーカーが情報漏洩の事件を幾つも起こしたメーカーですから、ハードウェアが完璧でもセキュリティ面では不安が拭えません。そう考えた時に候補として上がるのが今回、ご紹介した「Elite Dragonfly G2」です。

難点としては

・「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」の搭載モデルだと、斜め45度以上で色味が変わりやすい。

・値段が高め。

の二点。

追記するなら法人向けではあるものの、Intel Core がExcelの関数計算に弱いという都合があるので、ガンガンに関数組んだシートを使う会社員にはオススメしずらいです。そういう人は同じ Intel Core なら第12世代Core『アルダーレイク(Alder Lake)』を。またはRyzen5000番台が良いでしょう。重たいExcel作業も問題ありません。

逆に良い点としては

・「HP Sure View Reflect(内蔵プライバシースクリーン機能)」はやっぱり便利。

・LTEモデルがある。5G も選べる(→記事最後の「補足:5Gに関して」をご覧下さい)。

・キーボードが完成された扱いやすさ。

の三点です。

特に5Gが選べるのは未だに少ないですし、持ち運んだ先で電源設定を落としてもブラウジングの速度がほとんど変わらないという利点があります。これもまた Intel Core の特性で、Ryzenだとこうはいきません。

結局はユーザーの使い方に合わせて選ぶしかないわけですが、機体の完成度としては、この値段でも売れているだけのものを備えた一級品であることは確かです。

皆様の使い方に合わせた最良のパートナーとして選んで頂きたいシリーズです。

 

補足:5Gに関して

5Gに関して、国内でもそろそろ気づく人が多くなってきたようなので掲載しておきます。他記事にも書いていますが、アルパカがオススメしない理由です。

直接リンクを貼ると問題ありますので、こうした形で失礼します。ご面倒とは思いますが、真相を知りたい方は一般検索ではなく、Twitterで調べることをオススメします。

※日本は現在、情報鎖国状態です。

 

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