今回はHPの人気モバイルPC「Pavilion Aero 13-be」の実機レビューになります。
※レビュー内容は「Aero 13」が出た当時のものですが、2023年のRyzen 7000番台になっても大きくは変化していません。ごく一部の特定動作のみ良くなっているという印象です。他、機体構成やキーボードの配置などはそのままでのリニューアルとなりました。
※前情報をまとめた記事はこちらにリダイレクトされます。
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特に人気の「Aero 13」シリーズは最上位のRyzen 7 5825U、メモリ16GB構成が99,900円(税込)とお買い得に ♪
前々からお考え頂いていた方は、この機会にいかがでしょうか!
本日ラストです!
「HP Pavilion Aero 13-be」シリーズの特長
先日まとめた内容が中心ですが、実機を弄ってみた内容を追記しています(しばらく手元に置いておきますので、気づいたことがある度に追記してゆきます)。
位置付けと特長
・13.3インチでありながら1Kg以下の957gはHPの最軽量モデル(メモリ16GB、SSD512GB構成のパフォーマンスモデルでは実測968.5g)
・接続口は左右にSuperSpeed USB Type-A(開閉式)を装備
・2色展開で淡く上品な色合い(セラミックホワイト、ピンクベージュ)
・マグネシウム合金で上品な肌触り、加えて地球に優しいEPEAT Gold認定済
・アスペクト比は流行の16:10、画面占有率は90%
・Ryzen 5000シリーズ「Ryzen 7 5800U」と「Ryzen 5 5600U」を搭載したパワフルな処理能力
・バッテリー持続時間はカタログで最大10.5時間(Youtubeの再生限界時間は6時間)
・コスパ優良機、米国での発売価格は749ドルから(Ryzen 5 5600Uの販売価格は9万円台から:変動あり)
・モニターはIPS液晶、sRGBカバー率は100%、輝度400nit(実測では500弱)の美しいWUXGA非光沢液晶
・一部の海外メーカー機種共通:初期設定は「Action Keys Mode」にて出荷
・HP共通:サービスマニュアルの小冊子や書類が同梱
・HP共通:サービスマニュアルの小冊子や書類が同梱

Windows10の頃の同梱物の例。Windows11だと小冊子はなくなります。
これは他のHPの機種でもそうですが、パソコンナビのハンドブックやサポートを受ける際のマニュアルなどの説明用紙が一通り付いてきます。セットアップ手順の用紙も入っているので、海外メーカーの中では親切な方だと思います。特に「HPパソコンナビ」はPCに不慣れな方が読むのに適しているので、海外メーカーが不安だけど安い方がいい、などという方にはHPは敷居が低くて良いと思います。
・一部の海外メーカー機種共通:Action Keys Mode
国内メーカーのキーボードで慣れている人が、この機種を購入すると最初に戸惑うのがここだと思いますので特長として記載しておきます。カタカナ変換しようとF7キーを押すと明るさ調整が起動します。
これは「Action Keys Mode」と呼ばれているもので、HPのノートPCは多くの場合、FNキーだけで独立して機能します。Dellで言うところの「マルチメディアキーボード」のことです。
日本メーカーのキーボードに慣れている人ですと不便に感じることもあると思います。この設定はBIOSにて変更可能です(起動直後、F10キーでBIOS画面へ → [System Configuration] → [Action Keys Mode]で変更可能)。
詳しくは公式ページのこちらをご覧下さい。
・13.3インチでありながら1Kg以下の957gはHPの最軽量モデル(メモリ16GB、SSD512GB構成のパフォーマンスモデルでは実測968.5g)
カタログ上では約 957 gとなっていますが、これはRyzen 5の最軽量構成のようです。アルパカが手にしたのはメモリ16GB、SSD 512GBのパフォーマンスモデルのRyzen 7ということもあって、実測ではやや重めの968.5gとなりました。
それでも1kgアンダーはやはり持ち運んでいて疲れづらいです。特に白やピンクといった色が基本色ですから、女性の方が持ち運ぶには特にオススメしやすいです。
また、後述していますが、重さだけでなく、大きさが絶妙に設計されており、A4サイズピッタリ同じでした。書類と一緒に鞄に入れても邪魔になりません。
※詳しくは外観の特長についてをご覧ください。
・接続口は左右にSuperSpeed USB Type-A(開閉式)を装備
無理な軽量化をしたモデルですと接続口が少ない傾向がありますが、「Pavilion Aero 13-be」では、左右にSuperSpeed の USB Type-A を装備しています。開閉式のType-Aという珍しい形式ですが、使っていて特に不便なく使えました。このType-Aでは5Gbpsのデータ転送が可能です。
※詳しくは接続口の特長についてをご覧ください。
・2色展開で淡く上品な色合い(セラミックホワイト、ピンクベージュ)
海外サイトだとウォームゴールドやナチュラルシルバーというのが含まれての4色展開なのですが、日本サイトで販売開始を始めた段階ではセラミックホワイトとピンクベージュの二色です。
今のところ他の二色を日本で販売する予定はないようです。
色がブラックでなければ受け入れられないという人は別ですが、そうでないようなら、男性でも明るい色合いでオシャレに飾ってみるのも良いと思います。
・マグネシウム合金でクールなデザイン、上品な肌触り、加えて地球に優しいEPEAT Gold認定済
環境負荷のパフォーマンスが最も優れている証のEPEAT Gold認定を受けたモデルです。これからの世代の未来を考えれば、こうした部分にも気を使いたいものです。
リサイクル率の高いマグネシウム合金を全体に使い、ペットボトルを再生させた「オーシャンバウンド・プラスチック」をスピーカーエンクロージャー部(スピーカー全体を収める箱)に採用しています。これでデザインがダサダサだったらオススメしずらいのですが、そんなことはないので、色んな意味でパーフェクトモデルです。
このボディの質感は陶器を思わせる肌触りで、指紋が付きづらいというのが嬉しい特長です。カーボンファイバーなどを採用している機体では指の皮脂で跡がつきやすいものですが、「HP Pavilion Aero 13-be」ですと、その心配がありません。いつまでも綺麗な機体で持ち運べます。
※念のため記載しておきますと、音質が悪いということはありません。むしろモバイルノートにしては軽すぎない良い音と思える範囲でした。
・アスペクト比は今の流行スタイルである16:10、画面占有率は90%
正面から見た時にスリムなベゼル(枠)とヒンジ部により、余計な面積がありません。画面そのものがPCサイズとほぼ同じと言えるスマートさです。デザイン的にもオシャレ感があります。
ただ、インカメラに物理的な窓閉め機構は付いていません。使用頻度の低い方であれば、ワンポイントシールを貼るなどが良いと思います。
・Ryzen 5000シリーズ「Ryzen 7 5800U」と「Ryzen 5 5600U」を搭載したパワフルな処理能力
向き不向きや電源設定の弱点など、癖のあるプロセッサーであるRyzenはモバイル機には入りづらいものでした。しかし、今回の計測でようやくモビリティで性能を発揮できるようになったように思えます。
※詳しくはRyzen7 5800U の内部性能についてを、ご覧ください。
・バッテリー持続時間はカタログで最大10.5時間(Youtubeの再生限界時間は6時間)
カタログ上で表記されている10.5時間と言う数字はMobileMark 2018による計測結果です。車の燃費同様、そのままの数字が現実的な実用時間にはならず、Youtubeの再生時間がより実用性に近い数字だと思い計測しました。
輝度50%、音量40%で電力設定を「高パフォーマンス」にて、ちょうど6時間が限界再生時間でした。
残量10%を切るラスト30分は警告が出て、強制的に電力モードが一番下になりますから、最後は使いづらくなる状態、というのを加えての6時間です。

「Battery report」にて、容量は約44.9Wh
今時のモバイルPCにしてはあまり長くはありません。ひとまず10.5時間(実働6時間)であれば役立つ場面は多いと思いますが、値段が安くて1kgを切っていながらRyzen 5000シリーズ(Zen3)のパフォーマンスが手に入るのですから、こうした部分が犠牲になるのは避けられないのだと思います。
外での長時間作業をすることがあるかないか。持っていった先で電源を得られるのかどうか。このシリーズを考える際の基準となる重要な部分です。
・米国での発売価格は749ドルから(Ryzen 5 5600Uの販売価格は9万円台から:変動あり)
日本でもRyzen 5 5600U のラインナップが発売されました。大方の予想通り、Office不要であれば10万円を下っての始まりです。
こうした価格設定とオシャレな外観はそれだけでも価値がありますが、性能も良いとなれば、あとは在庫の心配をするばかりです。
・モニター色域はIPS液晶、sRGBカバー率は100%、輝度400nit(実測では500弱)の美しいWUXGA非光沢液晶
コスパを求めると様々な部分をカットしないといけないのは、全メーカーの悩みの種ですが、その中でも分かりづらくコストカットできるのがディスプレイパネルです。しかし、見出しにある通り「HP Pavilion Aero 13-be」は非常に美しい液晶をしています。
※詳しくはディスプレイについて、非光沢のFHD液晶の項目をご覧下さい。
外観の特長について
セラミックホワイト、ピンクベージュの二色があります。
デザイン的な特徴
こちらではセラミックホワイトのデザインをご紹介します。

「HP Pavilion Aero 13-be」セラミックホワイト
左右から見た時の最大に開いた角度が以下の通りです。
リフトアップヒンジにより機体本体の下に若干の浮き空間ができます。
これによりエアフロー効果が高まり、放熱効率が上がります。加えて角度がつくことで、ユーザーがタイピングしやすくなります。
背面にはHPのロゴが光ります。欲を言えば、このロゴがもう少し控えめにデザインされていれば、もっと格好良かったと思います。
ひんじ外側はすっきりとして余計な装飾がありません。
ただ、ヒンジ背面の中央部には「Pavilion」の文字がシャープな文字で入っています。こういうのはオシャレな表現で気に入る人がいると思います。
ちなみに背面はビス止めされていません。
全て内側からの爪、およびゴム足内で隠されているようです。美しいフォルムですがハードウェアの中に直接アプローチすることはできないと割り切った方が良さそうです。
欲しい性能は最初に選んでおき、最後まで使い切るつもりで購入が良いでしょう。
大きさについての特長

「HP Pavilion Aero 13-be」の大きさ比較(A4とぴったり同じサイズ)
「HP Pavilion Aero 13-be」は外形寸法がA4サイズにぴったり合わせてあります。そのため、書類と一緒に鞄に入れて持ち運ぶ人にとっては使いやすいサイズと言えそうです。
接続口の特長
接続口は左右に5Gbps対応のType-Aが一つずつ、左側にHDMI、Type-C、ヘッドフォンジャック、が一通り揃っています。
惜しいのはSDカードのスロットがmaicroでもないこと。Type-CがThunderbolt対応でないこと、などが挙げられます。
ただ、Thunderboltに対応してはいないものの、10Gbpsまでは速度を出せるので、たまに大きな容量を動かす程度なら不便はないと思います。
また、このtype-Cはモニター出力対応です。拡張アダプタを繋げてモニター3枚出力まで試しましたが、安定した表示を確認できました。以下、アルパカが試したtype-C拡張アダプタになります。
HDMI + HDMI | HDMI & D-Sub15ピンmini | |
---|---|---|
エレコム製DST-C09BK | ||
mreechan(Huawei)製 |
キーボードの特長
国内から日本語サイトで注文すると以下の日本語キーボードで届きます。

「HP Pavilion Aero 13-be(セラミックホワイト)」の日本語キーボード
HPのモバイルキーボードは大抵そうなのですが、Enterキーの右側に一列、Home やPgup、pgdnなどが配置されています。アルパカはどうもこのキー配列がしっくりこないのですが、Pgup や pgdnなどのショートカットを使いこなす人が慣れれば便利なキーボードだと思います。
矢印キーの下には指紋認証センサーがあります。特殊キーが全て同じ大きさに配列されているのは使い心地が良いです。
キーピッチは横が約18.7、縦が18.4mmと、モバイル機にしては広めです。キーストロークは約1.3mmという深さ。今時のモバイルPCとしては、若干硬めですが快適な打ち心地でした。
また、バックライトにも対応しています。
F4キーを押す度にライティング設定を変えられます。この値段でここまで揃っているのは、さすがHPだと感心します。
難点を挙げるなら、バックスペースの真上にある電源ボタンで、Deleteキーと間違って押しかねない箇所です。Deleteキーを多用する人は誤って押した時に電源ボタンが働かないように挙動を変えておく方が良さそうです。
以下、電源ボタンの設定方法になります。
※タップかクリックで開けます。
ディスプレイについて、非光沢のFHD液晶

「HP Pavilion Aero 13-be」の液晶パネル:Color ACの色度図、i1Display Proによる輝度測定、LUT表示
公式ページでは輝度400nitとなっていたのですが、実際に計測してみると491cd/㎡(1nit=1cd/㎡)と非常に明るい液晶でした。念のため計測違いでないか測り直してみましたが、確かに明るい液晶でした。リフレッシュレートは60Hzまで対応です。
電子的な覗き見防止機能「プライバシースクリーン機能」は付いていません。この機能が付くと便利な反面、液晶の輝度が抑えられたり、視野角に影響が出るので今回はなしで良かったと思います。
外出先で使うことが多いようなら、覗き見防止より輝度の高い液晶の方が使いやすい人は多いです。太陽光の下では輝度の低い液晶では覗き見どころか使用者にも見えづらくなってしまうので、わざわざ深い日陰を探さないといけません。その中でも見える線引きは最低でも400cd/㎡以上です。つまり、この「HP Pavilion Aero 13-be」なら太陽光の下でも文字が見えます。
色域はsRGBカバー率が100%。Adobeカバー率が78.8%。一般向けに販売されているノートパソコンの中では優れた色域を持ちます。肉眼で見てすぐに分かる鮮やかさなので、内部性能が許される範囲ならクリエイティブワークにも向いています。赤青緑のLUT表示(別名ガンマ補正曲線)の強さに若干のバラつきはありますが、ほとんど気にならないレベルです。
一般用途として十分なのはもちろんですが、普段、デスクトップで色を気にされるワークフローをこなしている方が、外出先で確認する、などという時にも役立ちそうです。
また、IPS液晶なので視野角が広いです。上下左右、どの角度から見てもお肉が美味しそうに見えました。
さすがにほとんど真横になると白み始めますが、ここまで見れれば十分な範囲だと思います。
16:10同士ではありませんが、画面の綺麗さを見比べるには分かりやすいと思います。
以下、斜めから見た時です。
文字も見やすいです。非光沢で目が疲れづらく、縦からでも横からでも見やすいので、長時間の事務作業にも向いています。
16:10と16:9の表示の違い(ExcelやWebページなど)
以下は「HP Pavilion Aero 13-be」の16:10液晶にて表示した時と、一般的な他社のFHDの16:9、1920×1080ドットとの見え方の違いです。
※長くなるので折りたたんでいます(クリックかタップで開けます)。
※「HP Pavilion Aero 13-be」に限らず解像度が同じ16:10の画面であれば同じように見えます。
※フォントの大きさを125%均一での表示です。
ACアダプタについて
定格電力は65Wとなっており、コンセントケーブルは国内向けの125V用です。
「HP Pavilion Aero 13-be」の互換アダプタ |
|||
---|---|---|---|
使用 | PD対応 電力 |
メーカー | 商品型番 |
× | 18W | cheero | CHE-324 |
× | 20W | AUKEY | PA-F3S-WT(White)、PA-F3S-BK(Black) |
〇 | 30W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C2 |
〇 | 45W | Anker | PowerPort Atom III Slim (Four Ports) |
〇 | 65W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C1 |
※ケーブルは全て「Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル (0.9m) 超高耐久 60W PD対応」を使用しました。
以下、単ポートで65WのPD給電に対応しているType-C充電器の代表例です。コンパクトで120gで済みますから持ち運びが楽です。
「HP Pavilion Aero 13-be」搭載、Ryzen7 5800U の内部性能について
今回、アルパカが調べたのは Ryzen 7 5800U + メモリ16GB 搭載機になります。
PCの立ち上がりにかかる時間は10.18秒でした。
性能を調べた結果、まとめ
Ryzenシリーズには共通した弱点が幾つかあります。その内の一つが電力設定が一つ落ちた状態ではパフォーマンスが大幅に落ちやすく、モバイル向けとしてはバッテリーにかける負担が大きいことから、持ち運びにはあまり向かない、というものでした。
今回、ご紹介している「HP Pavilion Aero 13-be」には、最新のZen3アーキテクチャが採用されており、それまでのRyzenが苦手としていた部分が、ある程度克服されています。
快適さを測るPCMark10による比較

PCMark10のトータルスコア(AC電源あり時となし時の比較)
※PCMark10の最新情報はこちらにまとまっています。併せて見て頂けると分かりやすいと思います。
元々、高めの数値を出すRyzenシリーズですが、その中でも Ryzen7 5800U は抜きんでて快適性を保っていることが分かります。また、それまではAC電源なし状態でバッテリー駆動時(電源設定を一つ下に落として電力を保たせようとした使い方の時)、旧来機では3,300がせいぜいでした。
快適さの目安と言われる境目は3,000と言われているPCMark10では、あまり余裕ある快適さとは言えず、固定電源ありきで使うならオススメ、という注意事項が付いて回りました。
ですが、見て頂くと分かる通り、今回の「HP Pavilion Aero 13-be」に搭載されている Ryzen7 5800U では、4,000を軽く超えてきます。これは、固定電源のありなしであまり差の出ない Intel の Core i7-1165G7 に並んだことを意味します。
つまり、固定電源のある使い方ではRyzen本来の伸びしろが生きた快適性を持ち、バッテリー駆動となった後でもIntelと同等の快適さになったということです。
ここまでの能力を見せつけられると、いよいよRyzenがオールラウンドに活躍できるようになってきたと言えそうです。
電源周りでもう一つ。ネットブラウジングの速度変化は以下の通りです。
ネットの速度比較、WEBXPRT3
まず、ブラウザ毎の比較をしていきますと、バッテリー駆動時にパフォーマンスが大幅に下がっているのが伺えます。旧来のRyzenでは約、半分までスコアが低減していましたが、Ryzen7 5800U では6割に留められました。小さな改善かもしれませんが、今までよりはずいぶんと良くなりました。
元々あった固定電源時の速度が速いので、6割保てばそこそこの速度は維持ができます。何より、ブラウザによっては300超えというのは、あまりお目にかかりません。モバイル機では間違いなくトップグレードの速度だと言えます。
PassMark

「HP Pavilion Aero 13-be」Ryzen7 5800U、メモリ16GB(8×2)のPassMark結果
改めてPassMark計測したので追記しておきます。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23では、
Multi 7886 pts
Single Core 1432 pts
MP Ratio 5.51 x
となりました。
Singleでは i7-1165G7 に100足りませんが、それでも肉薄する良い数値です。苦手なSingleでここまでの数値が出るようなら、体感的にも使いやすいと思います。また、Multi では11世代Coreを大きくリード。単独より平行したマルチタスクが得意なRyzenシリーズらしい結果です。
メモリ・デュアルチャネルだった件について

「HP Pavilion Aero 13-be」のCPU-Zのメモリ確認

「HP Pavilion Aero 13-be」のSiSoftware Sandra Liteによるメモリ確認
コメント欄にあるように、デュアルチャネルかどうかを気にされる方が結構いらっしゃるようです。
前のシリーズがシングルだったからのようですが、アルパカが手にしたパフォーマンスモデル Ryzen7 5800U 搭載機では、上記の通りでした。
PCMark10の数値からしてデュアルだろうな、とは思っていましたが案の定デュアルチャネルです。実はHPの販売スタッフやコールセンターの方も把握していないようで、シングルチャネルとして説明されることが多いです。ですが、上記を見ての通り、アプリ確認ではデュアルチャネルです。
裏蓋が外せないので目視ではありませんが、SiSoftware Sandra Liteによるとオンボードではあっても8GB×2枚組構成のようです。
また、コメント欄のjjjさんのカキコによると、Ryzen5 5600U の 16Gモデルでも同様にデュアルチャネルだそうです(jjjさん、情報ありがとうございます!)
グラフィック性能を中心としたパフォーマンスの高効率が期待できますので、最安構成のメモリ8GBにするか、16GBにするか。迷われるようであればメモリ16GBの「スタンダードプラスモデル【C2】」の方がよりオススメになります。
ストレージの速度について、CrystalDiskMark
SSDの速度は一般的なPCIe接続のものでした。ランダム系がしっかり速度を出しているので体感的に快適で使いやすそうです。
ゲーム系のベンチマークについて
メモリがデュアルチャネルであればグラフィック性能が高めなのかと思い、ゲーム系ベンチマークを幾つか走らせてみました。折りたたんでいますので、クリックかタップでご覧いただけます。
Ryzen7 5800U の高負荷パフォーマンス推移 + 駆動音について
OCCTによる高負荷をかけ続けた際の推移が以下のようになりました。

「HP Pavilion Aero 13-be」搭載Ryzen7 5800U にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(最も高いパフォーマンス時)

「HP Pavilion Aero 13-be」搭載Ryzen7 5800U にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(高パフォーマンス:バッテリー駆動時)
HP Pavilion Aero 13-be0000 | ||
---|---|---|
AMD Ryzen 7 5800U:最も高いパフォーマンス時 | ||
平均 | 最高値 | |
周波数 | 2,657.9MHz | 3,797.1MHz |
電力量 | 14.9W | 20.3W |
温度 | 72.5度 | 81.0度 |
駆動音 | 46.0dB | 49.9dB |
※駆動音はおおむね45dB以下。PC以外の雑音により数値が上がっています。おそらく、きちんとした無音状態で計測すれば40dB近くまで下がると思います。
従来までのプロセッサーでは見られなかった周波数の跳ね上がりが、時折、発作のように起きています。電力量も急に強くなる瞬間があるので、それに合わせて少しでも余裕があるようなら処理能力を上げようとする設計なのかもしれません。
もっとも、この面白い動きは最初の10分間だけで、その後は無理な電力供給や処理能力の上昇はありませんでした。
計測値としてはトリッキーな動きでしたが、全体的な挙動としては安定していました。10分かけて廃熱しきれず75℃までじりじりと上げてきましたが、それも最初の10分だけです。念のため30分は耐久させているのですが、その後、76℃以上に熱が溜まることはほぼありませんでした。最高温度となる80度近辺は、瞬間的に電力量が高まった際の一瞬に上昇したもので、1秒以上の継続ではありませんでした。
初期動作のピークは1.36秒後の3500MHzで、初動をカバーするには十分な数値だと思います。
騒音計に関しては最も高いパフォーマンス時にしか設置しませんでしたが、おおむね45dBに収まっていました。計測値として45dB以上に上がることがあるのは、アルパカの計測した場所が通りに面しており、時折、車の走る音を拾ってしまったためです。雑音がなければ、ほぼ45dbより下。体感的には全く気にならない程度でしたから40dBくらいだったはずです。
100%負荷時でも静かなままで稼働して、高いパフォーマンスを維持できるのは旧来のPavilionと同様のスタイルで構築されているのが分かります。
一方、バッテリー駆動時での挙動では、電力や周波数の跳ね上がりがなくなり、緩やかな軌道を描いて落ち着いた数値になります。それでも周波数は大して下がらないことから、高効率化できているのが伺えます。
機体外側の温度推移
「HP Pavilion Aero 13-be」はシングルファンで廃熱します。同様のプロセッサー搭載機種がダブルファンでも蓄熱の影響が大きい噂を耳にしたのですが、同様に「HP Pavilion Aero 13-be」の廃熱を気にされる方がいらっしゃいました。
シングルでもダブルでも、要は設計とチューニングの問題なのだと思います。元々のプロセッサーの能力が高いのであれば、ある程度のデチューンを施してもバランスして使いやすければ良いわけで、そういう意味では、きちんと廃熱できている機体だと言えます。

「HP Pavilion Aero 13-be」100%稼働による機体外側の温度推移:前面
アイドル状態の際に40度弱、100%稼働5分経過で48度。10分経過で50度オーバーです。熱くなるのはモニター下部とキーボードの左面で45度程度ですから、不快感はありません。

「HP Pavilion Aero 13-be」100%稼働による機体外側の温度推移:背面
背面もおおよそ同様の温度推移でしたが、キーボード上より、やや熱くなるようです。それでも10分稼働で50度程度ですから、膝上での作業でも問題ない範囲と言えます。
「HP Pavilion Aero 13-be」の構成表
基本構成表
HP Pavilion Aero 13-be0000 シリーズ | |||
---|---|---|---|
シリーズ名 | パフォーマンスモデル | スタンダードプラス | スタンダードモデル |
OS | Windows 11 Pro | Windows 11 Home | |
カラー | □セラミックホワイト ■ ピンクベージュ |
||
プロセッサー | AMD Ryzen 5 5600U AMD Ryzen 7 5800U or AMD Ryzen 5 5625U AMD Ryzen 7 5825U |
||
グラフィック | Radeon グラフィックス | ||
メモリ | 16GB | 8GB | |
※交換・増設不可。 オンボード SDRAM(DDR4-3200MHz) |
|||
ストレージ | 512GB | 256GB | |
SSD(PCIe NVMe M.2) |
|||
ディスプレイ | 16:10の13.3インチ、WUXGA非光沢 IPSディスプレイ(1920×1200 / 最大1677万色) |
||
サウンド | B&O Playデュアルスピーカー | ||
重量 | 約 957 g | ||
バッテリ | 最大 約10時間30分 (Youtube連続再生6時間) |
||
リリース | 2021年7月15日 |
※仕様書にある数値を元に表記しています。
今回、アルパカが調べた機体はこちらの「パフォーマンスモデル【C3】」になります。
性能は先の項目を見て頂くとして、この素晴らしいパフォーマンスがOfficeが付いても13万円台そこそこから。
追加で5月中旬頃から Ryzen 5 5625U と Ryzen 7 5825U の新プロセッサーが搭載されたマイナーチェンジモデルが登場しました。シリーズ名の後に “G2” が付けば新型。それまでを旧型と呼び習わします。
新旧それぞれのプロセッサーの挙動の違いはこちらの記事にて掲載しています。極端な性能差ではありませんが、新型は快適さを測るPCMark10のトータルスコアで1割近く上がります。スコアに対するコスパで考えるなら、1割以上の値上がりになるようなら旧プロセッサーの方がコスパ良い、と言えます。
注意点として、軽めのゲームをする際には旧型の方がやや動きが良いことが多いので、そうした用途があるかどうかも含めてお選び下さい。
仮にこれより一つ前の Ryzen 5 5500U だったとしても普通にオススメできる性能とコスパです。
よりパフォーマンスを求める方は AMD Ryzen 7 5800U(または 5825U) でも良いですが、そこまで行かずともメモリ16GB(8×2デュアル)あれば、かなりの作動領域は確保できます。そう考えるならスタンダードプラスモデルの Ryzen 5 5600U(または 5625U)で決めても良いと思います。
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「HP Pavilion Aero 13-be」のレビューまとめ
良い部分は先に挙げていますが、惜しい点や気になる部分は以下の通りです。
惜しい点、気になるところ
接続口(SDなし、Thunderbolt非対応)、キーボード(右端列など)、カメラに物理的な窓閉め機構なし、電子的な覗き見防止フィルター機能なし、バッテリー駆動最長10.5時間。
おおよそこの辺りが気になる部分だと思います。以下、もう少し詳細に解説しています(クリックかタップで見れます)。
追記:Youtube トヨサポチャンネルにて紹介して頂きました
「HP Pavilion Aero 13-be」の特徴に関しては、Youtuber のトヨさんが紹介動画にしてくれました。
こちらも併せてご覧頂くと分かりやすいと思います。
16:10の広いモニター、視野角や色域が広くて輝度も高い、見やすい液晶。
外観がオシャレで、A4サイズの外形寸法ですから書類と一緒に鞄に入れやすい大きさと重さ。どの構成でも1kg以下。
心臓部にRyzenの最新Zen3アーキテクチャを備え、一般向けのモバイルノートとしては最強クラスの性能を備えつつも、駆動音は静か。
デザイン優秀。それでいて接続口が極端に少ないということはなく、よく使われるUSB type-Aが左右にひとつずつ配置。
これだけ全てが揃いつつも10万以下から買えます。
先に挙げたような気になる部分はあるものの、それらを差し引いてなお、十分に魅力ある機体性能と構成、軽さ、そして安さです。
軽量モバイルの中では、筆頭のオススメPCです。
コメント
購入しようと思っています、メモリ16Gはシングルチャネルでしょうか?シングルだとデュアルよりも性能が活かしきれていないと聞いたことがあるのですが、いかがでしょうか?
なおさん
コメントありがとうございます!
CPU-Zで見る限りデュアルチャネルですね。記事に追記しておきます♪
補足:以前までのモデルがシングルだったので気にされる方が多いようです。
アルパカ的にはトータルパフォーマンスが優れているのなら、あまり気にされなくても良い部分だと思っています。
パフォーマンスがいまいちだな、なんでだろう…で、調べてみたら「ああ、シングルだったのか」というのはよくある話ですが、
そうならないよう、ベンチマークの比較情報を掲載していますので、そこを見逃すことがなければハズレを引くことはないと思います。
ファンの騒音が46dbとのことですが、体感的に他のモバイルノートと比べてうるさいでしょうか?静かでしょうか?気になるかどうか教えていただきたく・・・
スイッチカンさん
コメントありがとうございます!
体感的にお答えすると全くと言っていいほど駆動音はしませんでした。間違いなく静かな部類に入ります。
アルパカの計測している部屋が雑音に囲まれた環境なので余計な音を拾っているだけで、おそらく防音室などで計れば40dB以下まで下がるのではないかと思うほど静かでした。
音に関しては全く気にされなくても大丈夫です。ご安心下さい。
はじめまして。
レビュー記事をありがとうございます。
高性能なCPUスペック的に購入を検討していますが、このような軽いボディでの排熱が大丈夫か気になっております。
ライバルのthinkbook 13s gen3はデュアルファン、一方でこちらはシングルファンとのことで、サーマルスロットリングが起きている兆候は無かったでしょうか。昨今の高性能CPUを積みつつスリムな機種では実質性能が生かせていない事例もあるとおもい、質問させていただきました。
junさん
初めまして!
コメントありがとうございます!
記事内ではOCCTの10分間のみグラフ化していますが30分走らせてもプロセッサー温度は81℃が上限でした。
処理しきれない蓄熱が積みあがっている様子はなかったので30分以上でも結果は変わらない筈です。
アルパカが調べた中ではサーマルスロットリングの発生は確認していません。
その代わり、パフォーマンスは「Pavilion Aero 13-be」の方がやや控えめなようです。
無理にハイパフォーマンスを求めすぎるよりも、よほどバランスの取れた機体に思えます。
「thinkbook 13s gen3」の方が冷却能力が高く、バッテリー時間も長いですが重さが1.2kgを超えてくるということもあり
ライバル機ではあっても向いている方向性が少し違うようです。
軽さを優先するか、パフォーマンスを優先するか。その差300gですね。
5600U、16Gモデルを購入
CPU-Zで確認したところデュアルチャネルでした
参考までに
jjjさん
カキコありがとうございます!
やはりデュアルでしたか。
プロセッサーのチップが変わるだけの同じメモリ、同じボードにしておいた方が、メーカー側も手間やコストがかかりませんからね。
記事の加筆修正しておきますね。
貴重な情報をありがとうございます!
丁寧なレビューありがとうございます。
オーディオジャックについて質問です。けっこうな力で差し込んでもジャックの根元までささらず、マイクとして読み込みもされないのですが、もっと思いっきり差し込めばよいのでしょうか?
あっぴさん
コメントありがとうございます!
根本まで入りませんか?
マイク付きであれば4極プラグだと思いますが、スマホなんかで接続できるサイズの3.5mmミニプラグであれば、根本までささると思います。
今、試しにアルパカのヘッドセットで試しましたが、こちらでは根本までささってイヤホンとしてもマイクとしても認識はしていました。
実機を見ていないのでなんとも言えませんが、どうも根本まで入り切っていないために認識していないだけのように思えます。
怖いのは中に異物が入ったまま出荷されていたパターンで、この場合は無理すると破損しかねません。
(HPではありませんが、かつてUSB端子に異物が詰まったまま出荷されて初期不要扱いになった例もある)
一度、HPのコールセンターにご相談された方が良いかもしれません。
ご丁寧なご回答ありがとうございました。
思い切って、かなりの力で差し込んだら根元までささりました。
大学生の息子がけっこうな力で差し込んでもダメだったので、かなり不安でしたが無事にささり認識もされました。
ご面倒をおかけして申し訳ありませんでした。
HPのPCの購入は2台目なのですが(1台目のenvyは自己の過失により破損)、どちらもアルパカさんのレビューを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
あっぴさん
申し訳ありません、レス気づくのが遅れました。
亀レス失礼します。
無事に根本まで入って良かったです!
確かにちょっとキツめかな、とは思いました。
良い機種を手に入れられたと思います。
どうぞ、良いPCライフをお送り下さい!
レヴュー参考になりました。
ネットワークのトラブルはこちら方のレヴューにもあったのですが、同様のアプリケーションを使用した場合に起きたのでしょうか?
https://thehikaku.net/pc/hp/21Pavilin-Aero-13-be.html#tb
mushさん
コメントありがとうございます!
拝見しました。
どうやら同じようです。
アルパカの場合は 3DMark と PCmark10 を稼働させた際に接続できずに気づきました。
どちらもネット非接続で表示が変わって気づきやすかったのですが、もしかしたらその前にCPU-Zでも切れていたのかもしれません。
いずれもレビュアー以外には使わないアプリでしょうから一般使いでは困りませんが、改善してほしい部分ですね。
購入しました。DesktopでもRyzenで2台組んできたので、NoteでもAMDにしてみました。パフォーマンスは、フォトショやPRなどが多い為、マルチコア性能が生かされて満足です。ただキーボードがどうもなんです。officeではF2で修正を良く使うのですが、Fnを押しながらでないとF2が使えないので、キーボード割り当て変更で可能になりましたでしょうか?
Kanna さん、ご購入ありがとうございます!
[Action Keys Mode]がかかったまま出荷されている状態ですので、
https://support.hp.com/jp-ja/document/c02019869
こちらに書かれている[Action Keys Mode]解除の方法をお試し下さい。