こちらの記事は2022年度向けから追記修正しており、そのまま2023年モデルとして読むことができます。
後継機種が出てきたものに関しては最新機種がオススメですが、そうでなくとも第12世代Core『アルダーレイク（Alder Lake）』でも、十分同じように使えます。5000番台以降のRyzen 5 でも問題ありません。
ただ、大学四年間を使い切った後も使うことを考えるようであれば、メモリ16GBは妥協しない方が良いと思います（詳しくは記事内をご参照下さい）。
学校で紹介したものをそのまま買うよりも、一般のネットサイトから買った方がお得になることが多く、なにより違いが分からないと言う人が少なくないと思います。
今回の記事はそうした方にお読み頂きたいものにまとめてみました。
在庫や納期などにより、表示している価格、順位ともに流動的に変わりますのでご注意下さい。
お勧め軽量モバイルPCの条件付け
色々な基準があると思いますが、基本的に学校の生協でオススメされる一般向けモデルを中心にご紹介します。中には型番が違うだけで一般販売されているものと中身が同じものもあります。
オススメの基準は幾つかあります。
新生活に生かせる軽量モバイルPCの条件
質量1.2kg以下
大前提として軽ければ軽いほど良いのはもちろんなのですが、目安1.2kgを切っていることがモビリティとして使いやすい条件です。
1.2kgを超えてくるようだと、背中に背負うPCリュックとセットであればオススメできる範囲ですが、そうした備えがないと持ち運び続けるとしんどくなってきます。
キー配列が世界標準であること
キーボードのキー配置が世界標準である機種を優先しています。
世界標準でないもので慣れてしまうと、後々、不便がありがちなためで、そうした部分を気にしなかったり、機種変更毎にユーザー側が切り替えて対応できる方であれば問題はありません。ただ、そうした人はあまり多くないですし、後々に影響する余計な負担は避けた方が良いと思います。
一般向け中堅クラス以上の性能であること
2023年の新しく出てきたプロセッサーとして、Ryzen7000番台と第13世代Coreがあります。
Ryzenは5000から7000への違いが僅かで、「クリップスタジオ（ClipStudio）」のような特定のアプリでは性能アップしている恩恵が大きい、というくらいです。
一方の第13世代Coreは大幅に性能アップしており、値段は相応に高いものの、それだけの価値もある、といった花形とも言えるシリーズです。
ただ、普通科の大学生が使うのに大仰な性能は必要ありません。AMD社のRyzen シリーズであれば、Ryzen 5 5625U以上。Intel社であれば Core i5-1155G7以上。メモリは8GBがあれば大抵、足ります。
ただ、再起動やシャットダウンさせずにスリープや休止状態だけでずっと使い続けたい方や、学業や会社の仕事以外でもクリエイティブワークを含めて平行して使うアプリが多いようだとRyzen 7、または Core i7。できればメモリ16GB以上があると望ましい、というように条件が上がってきます。
加えて言いますと、Excelを多く使うようなら Intel Core の場合は12世代以上になると、途端に速度が速くなっておすすめです。特に末尾に “P” がついたものは性能が高いですが、”U” でも十分な性能を持っています。
この七五三の並びで松竹梅の序列で性能が並んでいます。世代や型番によっても違うので分かりづらいのですが、要約したものだとこちらのグラフの通りです。
上記の黄色枠に入っているものであれば基本的にオススメできます。特にシングルコアが3000以上あるものだと、快適さがワンランクアップしますし、年数を重ねても速度が落ちづらくなってくるとお考え下さい。
レポートで資料作成や写真加工が多くて、日をまたいだ連続稼働や100個以上の平行作業が多い場合などは、この黄色枠の中でも上の方。特にメモリ16GBがあると良いです。下の方でもできますが、ややもたつきが出ます。
※ここでは特殊な専門アプリを使わない、一般の学生の方や会社員の方を対象にしています。
新入学生、新社会人へ、2023年のオススメPC一覧
基本的には大学卒業する新社会人の方でも同様にオススメできるものになっています。
デタッチャブル（画面を取り外せる2in1）や、コンパーチブル（裏返るモデル）はタッチパネルとのセットが基本ですが、そうしたモデルの場合、机に置いて変形させることにより、手前にノートや筆記具などの作業スペースを確保しやすいという有利なポイントがあります。
そういうのを関係なしに一般的な形状のクラムシェル型PCであれば、純粋に軽さと性能とコスパの勝負になります。
その上で、キーボードの打鍵感やキー配列。加えて特殊な機能があることも加味しての順位付けとなりました。
一位の「Dynabook VZ/HUシリーズ（2021）」はそれらすべてを備えつつ、TrruNoteが使用した学生の方から人気だったことで選ばれました。次に富士通の「UHシリーズ LIFEBOOK WU2/H1（UH75、UH90、UH-X）モデル」はモバイル機の鉄板のオススメ。この辺りはコスパ関係なしで最高の機体なので、そのまま上位にランクイン。
三位はコスパも3考えてバランス良く使いやすい「Dynabook GZ/HWシリーズ（2023）」となりました。生協ではGCXの名で売られているものですが、個人向けで買ってコストを抑える方は多いです。他、上位に入れても良いくらいのものはたくさんありましたが、ひとまずはこの辺りでの落ち着きどころとなります。
使い勝手の良いモバイルPC達
dynabook VZ/HV （2022年モデル）
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Core i5-1240P、メモリ16GB、512GB（PCIe NVMe）、13.3インチ、約979g（実測936g）、最長約 24.0時間（実働9.5時間） | |
| Officeなし 「W6VZHV5RAL |
￥197,780 特）196,680 |
| Officeあり 「W6VZHV5PAL |
￥218,680 特）217,580 |
| ※「特）」のマークがあるものは特別価格となっている特販ページが用意されています。 |
|
◆ 発売時期 ◆
2022年11月
◆ 気になる点 ◆
24時間駆動と表記がある割には、実働を調べてみると10時間に満たない。
軽くて機能、性能は確かだが値段が高め。
◆ 特長 ◆
コンパーチブル（裏返る）モデル。
ペンは同梱。
2022年に発売されたIntel Coreのプロセッサー（Core i5-1240P、Core i7-1260P）を搭載。Pプロセッサーを搭載しつつの1kgアンダーの軽さ。タッチパネル付きの高機能が欲しい人にオススメ。
プリインストールされているTruNote は学生の方に向けて使いやすいことを目的として開発された。それだけに、使い方を目の前で実践すると、多くの学生の方が「これ下さい！」と言う。または、大学卒業した人に見せると「入学する時、こっちを買っておけば良かった！」と後悔する人も。
授業の録音、色による声分け再生、手書きをテキスト＆表に変換、写真からのOCR機能などなど。まずもって学生が欲しがる機能が詰まった多機能モデル。
お値段が高めだが、それだけの価値もある。
Dell Inspiron 13（5330）
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Core i7-1360P、メモリ16GB（dual）、SSD512（PCIe NVMe）、13.3インチ、Youtube再生実働時間 約6時間30分、約1.183kg | |
| Core i5-1340P 「in5330nfyypm2csmnojp |
¥127,000 |
| MS Office H & B 選択時 |
¥162,200 |
| ※税込価格です。 | |
◆ 発売時期 ◆
2023年1月31日
◆ 気になる点 ◆
高解像度モデルの避けられない宿命。バッテリー時間がやや短め。
キー配列内右上に電源ボタン、矢印キーが逆T字でないこと、など。
◆ 特筆すべき点 ◆
高解像度QHD+ 液晶 (2,560×1,600ドット)で見た時の表示情報量の多さが非常に便利。
ディスプレイのアスペクト比が単に16：10になった以上の価値がある。
◆ 特長 ◆
1.2kgを下っていれば、持ち運びに大変ということはぐっと少なくなり、学生の方から新社会人までオススメしやすい。
キーボードのキー配列内右上に電源ボタン、矢印キーが逆T字でないこと、などで慣れてしまえば、というのは付いてくる。
電源ボタンは挙動を変更して対応可能だが矢印キーは馴れる必要がある。
ただいずれにしても高解像度の16：10液晶の使いやすいことがなにより素晴らしい。出先でできるだけExcelの行列を多めに表示したい人などには特にオススメ。
（↑）Excel 100%時の表示例
dynabook GZ/HW （2023年モデル）
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Come i5-1240P、メモリ16GB、SSD512GB（PCIe-NVMe） 13.3インチ、約875g、最長24時間（実働8.5時間） |
|
| ■ Officeなし 「W6GZHW5CAL」 |
￥136,180 特）129,580 |
| ■ Officeあり 「W6GZHW5BAL」 |
￥150,480 特）149,380 |
| □ Officeなし 「W6GZHW5CAW」 |
￥136,180 特）135,080 |
| □ Officeあり 「W6GZHW5BAW」 |
￥150,480 特）149,380 |
| ※「特）」のマークがあるものは特別価格となっている特販ページが用意されています。 | |
◆ 気になる点 ◆
バックライトキーボードではない。
24時間駆動表記だが、一般的な実働時間は9時間くらい。
人気が高すぎて品切れ多し。
◆ 発売時期 ◆
2023/5/18 発表。
◆ 特長 ◆
900gを下り、表記上ほどの駆動はしないものの、他社と同レベルでの8.5時間駆動。他社より一歩早く、12世代のPプロセッサーを搭載していながら、メモリ16GB搭載モデルが13万円台（特販ページから買えば13万円台前半）からとコスパが良い。
キーボードの打鍵感良し、キー配列も鉄板の世界標準で打ちやすい。ディスプレイが一歩、綺麗なものに進化しており、長く使う相棒として申し分なし。
元々のDynabookの特性として、MIL規格を通せるだけの頑丈さがあるのも嬉しいワンポイント。
バランスよく一通りが揃っていて使いやすい優良機。生協を通して売られている法人向けGCXの個人向けモデルという位置づけで、GCXだとタッチパネルモデルがあるが、こちらはタッチなしとなる。その分、GZの方が安くなっていることが多い。
なお、直販のHomeモデルで買うと、ACアダプタが+1つ付いてくるオマケ付き。
4位：コスパ良く高性能、HP「Pavilion Aero 13-be」2023年8月モデル
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| 「パフォーマンス Ryzen 5 7535U、メモリ16GB、SSD512GB（PCIe-NVMe） 13.3インチ、975g、最長10.5時間（実働8時間） |
|
| ■ Officeなし | ￥107,100 |
| ■ Officeあり | ￥126,200 |
| ※税込価格です。 ※「HP割引クーポンページ」でクーポンを適用すれば、10万円（税別）以上で5%オフになります。 |
|
◆ 発売時期 ◆
2023/4/4 発表。
◆ 気になる点 ◆
SDカードスロットがない。Thunderbolt対応ではない。インカメラのプライバシーシャッター非搭載。
バッテリー時間があまり長くない。
Enterキーの右隣りに一列ある独自配列。他、電源ボタンの位置がEnterキーの上にある。
◆ 特長 ◆
Ryzen 7000シリーズ搭載で1kgを切った軽さと値段が9万円からと安い。
グラフィックカード必須の用途でなければ、広く快適な使い心地が約束されている。駆動音も静かなので、オシャレなデザインを生かしてカフェから図書館まで幅広くどこでも使いやすい。
特に色がホワイトにピンクなので、女性が気に入って即決、というパターンが多い。
画面が16：10で13.3インチらしからぬ広々とした見やすい画面。色域広く、画面も明るい。また、スピーカーも良いものを装備して音が良く、駆動音も静かだったりと、気づきづらいところまで高品質。
この値段と軽さで、この性能で、となれば人気が出るのは自然な流れ。
バッテリーは10.5時間まで（実働8時間）。
キーボードがHP独自のEnterキーの右横に一列が配置されたものとなっている点などを許容できるかどうかが購入の分かれ目となっている。
このキー配列も使いこなせば便利だが、他のキー配列で使う時に切り替えられるなら良い選択肢となりえる。
5位：dynabook RZ/MW （2023年モデル）
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Core i5-1340P、メモリ16GB、SSD512GB（PCIe-NVMe） 14インチ、約875g、最長24時間（実働8.5時間） |
|
| ■ Officeなし 「W6RZMW5CBL」 |
￥160,380 特）150,480 |
| ■ Officeあり 「W6RZMW5BBL」 |
￥184,580 特）183,480 |
| ※「特）」のマークがあるものは特別価格となっている特販ページが用意されています。 | |
◆ 気になる点 ◆
SIMスロットなし。
5Gには対応していない。
◆ 発売時期 ◆
2023/6 発表。
◆ 特長 ◆
1kgを切った14インチモデルは未だどのメーカーも少ないが、SIMを入れられるモデルが必須でないなら、RZが使いやすくてオススメ。
12世代のPプロセッサーなら実働で8時間50分。他社を調べる限り、おそらく13世代Core搭載機でも駆動時間はほぼ変わらない。
キーボードの打鍵感良し、キー配列も鉄板の世界標準で打ちやすい。
元々のDynabookの特性として、MIL規格を通せるだけの頑丈さがあるのも嬉しいワンポイント。
バランスよく一通りが揃っていて使いやすい超優良機。
オススメ度としてはGZより高いが、コストの面から敢えて5位にランクイン。
6位：Microsoft Surface Pro 9（2022年モデル）
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Core i5-1235U、メモリ16GB、SSD256GB（PCIe-NVMe） 13インチ、シグネイチャーキーボード込みで実測1.176kg、最長15.5時間（実働5時間45分） |
|
| ■ プラチナ i5、8GB、256GB SSD Office あり |
￥219,780 |
| ※税込価格です。（学割￥197,802） | |
◆ 発売時期 ◆
2021年11月1日
◆ 気になる点 ◆
接続口が非常に少ない。通常のUSB端子（Type-A）が一つもない。
タイプカバーは打つとたわんで動くので、打ち心地は好き嫌いが分かれる。
コスパは悪い。
◆ 特長 ◆
本体とタイプカバーが分かれるデタッチャブル型の王道機。
カラーリングが新たにサファイヤ と フォレストが追加され、より洗練されたデザインに。
非常に高精細で美しい液晶を備えているのに加えて、機体本体の質感も良い。3：2のアスペクト比により、縦スクロールで見やすいのも使いやすくて良い。
リフレッシュレートで120Hzへの切替えが可能な点や、シグネイチャーキーボードとの組み合わせで使える スリム ペン 2 など。値段が高くても売れるだけのものを備えている。
ペンの書き（描き）心地が非常に良いので、イラスト作成にも活用可能。
絵心ある学生の方なら、才能を伸ばす意味でもオススメできる。
ちなみに、Surfaceシリーズはいずれも値段が高めのため、敢えて型落ちの Pro8 の在庫があればオススメとも言える。もちろん、予算があれば Pro9 が良いのだが予算次第。
番外：コスパを優先して軽さを妥協するなら
モバイル機に求められる重要な要素の軽さを切り捨てて性能と画質を取るとこちらになります。
重さ1.46kg：コスパ優良＆高性能、IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型
| ◆売れ筋の構成内容◆ | |
|---|---|
| Core i5-13500H、メモリ16GB（オンボードdual）、SSD512（PCIe NVMe）、OLED、14インチ、Youtube再生実働時間 約8時間15分、約1.46kg | |
| Officeなし | ￥89,870 |
| Officeあり | ¥114,840 |
| ※税込価格です。 | |
◆ 発売時期 ◆
2023年2月
◆ 気になる点 ◆
1.46kgはそこそこの重さ。
ロットによると思うが、キーボードの造りがややチープ。
Hプロセッサーになったことで、高回転させるとキーボードが熱を持ちがち。
◆ 特長 ◆
いち早く第13世代Core『ラプターレイク（Raptor Lake）』を搭載してきたコスト優先の先駆け的14インチモデルだが、当初はPプロセッサーが投入されたものの、その後、Hプロセッサーと有機ELディスプレイ（OLED）搭載にアップグレードされた。
この内容で時期によって9万円から買える。もうメチャクチャ。市場価格デストロイヤー。
全ラインナップがメモリ16GBのみという攻めた構成で、Core i7-13620HのOfficeなしモデルで ￥109,725 で済む。
◆ 特筆すべき点 ◆
とにもかくにも内部性能とコスパ重視の人には一押しの内容。
最後に・まとめ
ここに挙げたものは、どのモデルも素晴らしく使い勝手の良いものばかりです。
特にスマホに慣れた世代にとってはタッチパネル付きモデルは、ペンワークがなくても、操作性で魅力的だと思います。
ただ、タッチパッド（画面のパネルではなく、キーボード手前の四角いパッドのこと）の操作に慣れておくと、後々、色んな場面で便利です。何しろ、いちいち画面に指を伸ばすよりも手前の操作でサクッとできた方が早いですから。
そういう意味で通常のクラムシェル型も多く並べました。それぞれに特徴はあるものの、どれを選んでも不便なことはまずないと思います。
新たに良いご提案が出てきましたら追記するかもしれません。ただ、2022年の都合として、為替が円安に振れ続けていることや、サプライチェーンのボトルネックに絡んだ地政学的リスクが漂うなど、PCが値上げしそうな材料が整いつつあります。
最新性能を待っていたら買えなくなってしまった、ということのないようお気をつけ下さい。こればかりは誰にも読めない部分です。
とりあえず無難に使いやすいもの、として考えるのであれば、こちらに挙げたいずれかで早めに決めておくのは良い選択肢だと思います。
どうか皆様にとって、素晴らしい新生活を共にする、ベストパートナーをお選び頂けますように。
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