「マウスのパソコンは国内生産なんです」「国内生産だからっていいとは限らないでしょう…」
「しかも手作りなんです」「!?」
「コスパもいいんです!」「…ッ!」
今回は、あのTVCMでマウスコンピューターの知名度を上げるのに一役買ったMOUSE「B5-R5」をご紹介します。
「B5-R5」シリーズの特長
マウスってどんなメーカー?
PCメーカーとしては後発なので、まだまだ知らない方が多いようです。
冒頭で触れたようにTVCMを利用して知名度を上げてきており、今後も様々なメディアで露出が増えていくと予想されます。
聞いたことのないメーカーのパソコンだと不安に思う方もいらっしゃると思いますが、国内生産の国内メーカーであることや、24時間、365日対応できる電話窓口があること。72時間以内の修理完了を目指すサポート体制など。至れり尽くせりの態勢を整えているだけあって安心してオススメできます。
大手PCの方が安心感はありますが、最近ではOEM(納入先商標による受託製造)が増えたことで企業ごとの特色は薄くなりました。
そういう意味では同じ部品を使っていれば性能に大差はない、と割り切ることができる人なら、あとはコスパやサポートで選ぶというのもアリだと思います。知名度ではなく中身。そういう方にマウスは向いています。
今回、ご紹介している「B5-R5」シリーズは、そのMOUSEの中でも特に代表的なスタンダードA4ノートです。
CMで使われただけあって、ゲームはほとんどしないグラフィックカード不要の一般ユーザーにはオススメしやすい機種と言えます。
「B5-R5」シリーズの位置付けと特長
・一般的なご家庭(または一般事務職)向けの標準的な性能。コスパ良し。
・Ryzen 5 4500U が素晴らしく初動が早い。
・SIMスロットあり。
・MOUSE共通:「Cotrol Center 3.0」が標準搭載。
・MOUSE共通:余計なアプリがほとんど入っていない。
MOUSE共通:「Cotrol Center 3.0」が標準搭載
マウスコンピューターには「Cotrol Center 3.0」というパフォーマンス設定用のアプリがプリインストールされています。
これは通常、電源設定しか行わない人でも気軽にファンの回転数までセッティングできるようにしたものです。
四パターンに別れており、初期状態ではエンターテイメントモードで稼働しています。パフォーマンスモードにすると、ファンが高回転しやすく、その分処理能力が高まっているのが分かります。
ファンの音は気になるほど大きなものではないので、レスポンス重視の方はパフォーマンス設定にするのがオススメです。切替えは Fnキー + ESCキーによって出てくる設定画面より。またはスタートメニューからも入れます。(切り替えた時の違いは内部性能の項目で掲載しています)。
MOUSE共通:余計なアプリがほとんど入っていない
ここを気にされて海外メーカーを選ばれる方も多くいらっしゃると思います。
大手の国内メーカーはVAIOを除けば、様々なアプリが入っているものです。動画や画像の編集アプリ、年賀状作成や印刷、果ては家計簿からマッチングアプリまで。もちろん役立つものも多いのですが、多くのPC購入者はそれらを求めているわけではありません。
MOUSEでは、そうしたアプリがほとんどなく、あるのはMOUSEの生産工場のある長野県は信州の大自然を収めたスクリーンセーバーくらいのもの。PCを買い替える度に不要なアプリを削除や整理する煩わしさを考えるくらいなら、最初からないものの方が楽、と割り切れる人にはオススメです。
一般的なご家庭(または一般事務職)向けの標準的な性能。コスパ良し
詳しい説明は内部性能の項目で紹介していますが、特別に高い性能を必要としない一般的なご家庭の使い方。仕事でも事務的な用途。それでも平行作業がそこそこ多くあってブラウザを幾つも立ち上げながら、Officeワークくらいは行うので作業量は少なくない。
そういった辺りまでなら、まさに「B5シリーズ」でコスパを抑えつつも、24時間サポートで安心なMOUSEを選んでおくというのは良い選択肢です。
記事アップ時点では
Officeなし 税込 93,280円~
Officeあり 税込 115,280円~
となっており、24時間サポートまで込みで考えれば大手の国内メーカよりも割安です。
海外メーカーの中には、よりコスパの良い製品もありますが、標準サポートの内容から考えると海外メーカーは敷居の高さを感じている人は多くいらっしゃると思います。そういう方にはオススメのシリーズです。
Ryzen 5 4500U が素晴らしく初動が早い
すでにRyzen シリーズは5000が出てきている中での4000のご紹介ですから、特にオススメする点がないかと思って調べてみると、意外にもそんなことはありませんでした。
詳しくは内部性能の項目で記載していますが、簡単に言うと、5000シリーズを含めて多くのプロセッサーが初速の遅れがあるものですし、なかったとしても周波数は安定しないものです。ですが、この「B5-R5」に搭載されていたRyzen 5 4500U には立ち上がりの遅延がない上に安定しています。
立ち上がった後の能力はやはり5000シリーズには敵いませんが、普段の細かい使い方ならむしろ、Ryzen 5 4500U の方が向いています。
SIMスロットあり(LTE対応選択可能)
今回、アルパカではSIMスロットの挙動までは試していませんが、このモデルは標準サイズのSIMスロットが付いています。基本的に15.6インチでは持ち運ぶ機会は少ないでしょうから、使う人は少数派だと思います。ただ、使う場所が固定回線の引けなかったり、一時的な移動先で使う時には活躍しそうです。
最近は格安SIMで1000円以下から使えますが、基本的に安いSIMはデータ制限かかりやすものなので、あくまでも少ないデータ通信の方に限定されます。ただ、パソコンの場合難しいのはWindowsの更新が入ると強制的に大容量を取られることで、いつまでも更新を止めておきながら使うのは現実的ではありません。
逆にSIMの利点を挙げると短期契約でも解約金なく止められることです。
つまり、15.6インチという大きさと併せて考えると、短期の場合に限りSIMで乗り切るのはオススメできますが、そうでない場合は容量制限がない(厳密にないわけではないが実質ないようなもの)のポケットWifiの方がオススメになります。
そして、15.6インチの方の場合はそうしたニーズに適合するお客様の割合の方が遥かに高いです。
「B5-R5」の外観について
「B5-R5」シリーズは基本的に全て同一のアイスシルバーという色合いの筐体になります。
デザイン的な特徴
手を置く部分や天板は全てアルミニウムでできており、手触りの良い質感をしています。
アイスシルバーのデザイン
背面にはMOUSEのメーカーロゴである穴あきチーズがありますが、同じシルバー色であまり目立ちすぎません。
背面とヒンジの一部、キーボードは樹脂性の黒となっています。樹脂とアルミニウムで黒とアイスシルバーが印象的なツートンカラーです。
ベゼル(モニターの枠)は細め、マウスパッドも広めで、今時のノートPCという感じです。
無駄な装飾はなく、すっきりした印象のノートPCです。逆に言えば面白みに欠けるデザインと感じるかもしれません。
「B5-R5」は180度開けます。
ただ、タッチパネルが付いているモデルではないので、開いて使うことは少ないと思います。
それよりは開かないヒンジを誤って力をかけてしまい “バキッ” とやってしまう心配がないのが良いです。
背面は全て樹脂製の黒。
筐体自体の大きさは以下の通りで、横幅が36cm、縦は24cm。
本体重量が約 1.62kgとA4ノートにしてはやや軽く、事務所内や自宅での移動がしやすいです。その代わりディスクドライブは内蔵していないモデルですので、DVDやブルーレイが見たい方は、別途、外付けのディスクドライブをお考え下さい(Amazonなどから買っても良いですし、カスタマイズ項目の中から一緒に選択して買うこともできます)。
「B5-R5」の接続口
接続口は左右にUSB端子が分かれていますが、USB3.1は右側だけです。
有線LANが解放式ですので、有線の安定した速度を重視する方などは移動した後での接続がしやすいです。
左側面にはSIMカードスロットもあります。
ALPACAがお借りした際には、スロットに目くらシールが貼ってあったので、お見せできないのですが、シールを剥がすと、ここにSIMカードスロットが出てきます(nanoやmaicroではなく、フルサイズのSIMスロットです)。
選択項目になっていますから、LTEを選べば、このスロットが使えるようになります。選択項目のかなり下の方(外付けモニターの下)で選べます。ただ、お値段が税込16500円(記事アップ時点)ですので、先に触れたように、移動の予定があるならポケットWifiを契約しておいた方が使い勝手があると思います。
また、Type-Cは充電用のPDに対応していますが、挙動に難があります(ACアダプタの項目で解説)。ディスプレイの出力には対応しており、3枚モニターまで試しましたが安定して出力できました。
試したType-Cアダプタは以下の二種類です。どちらでも問題なく出力できました。
HDMI + HDMI | HDMI & D-Sub15ピンmini | |
---|---|---|
エレコム製DST-C09BK | ||
mreechan(Huawei)製 |
「B5-R5」のキーボード
打鍵感は良いです。
特にストロークが1.8mmと深く横のキーピッチが約19.0mm、縦が18.5mmと十分取られています。また、矢印キーも逆T字になっており、左右の矢印キーの上にある空間がブラインド操作しやすくて良いです。
深くしっかりと打ちたい人には向いています。ただし、打鍵感に柔らかみはないので、やや硬めの印象です。
残念な点としては、テンキーが三列使用なので、四列に慣れている人はやや打ちづらさを感じます。
筐体の縁近くまで使っていることを考えれば、面積を小さくして軽くした分、ここは仕方がなかった部分なのだと思います。
非光沢のFHD液晶
輝度は292cd/㎡と一般的な明るさで、色域はsRGBカバー率が60.6%。Adobeカバー率が45.1%でした。
広い色域ではありませんが、バランスは取れており、この価格帯の液晶としては一般的なレベルです。
MOUSE「B5-R5」の液晶はノングレア(非光沢)です。
蛍光灯が反射しても眩しくないので目は疲れづらいです。ただ、反射部分は上図のように文字は読みづらくなりますから、やはりライティングの位置は気を付けて場所を決めた方が良いです。
視野角は以下の通りです。
文字の視認性は高く、横や縦の視野角が広いので見やすいです。
たまに「視野角なんて重要なの?」と訊かれることもあるのですが、実は視野角は一定以上ないと正面から見た時にも綺麗に見れなくなります。斜めから見やすいから紹介しているわけではなく、実際には正面から見やすいことを説明するために、あえて斜めからの写真も掲載しています。
というわけで正面からの画像が以下です。
腕利き販売員の昔ながらの店頭案内としては、この美味しそうなお肉がどの角度まで美味しそうに見えるのか、というのをお客様にお尋ねします。つまり、色あせると美味しそうに見えないわけですから、美味しそうに見えるまでの角度が、その人にとっての視野角というわけです。
MOUSE「B5-R5」の液晶は斜めからでも美味しそうに見えました。優秀だと思います。
「B5-R5」の裏蓋を開けてみると
10本のビスで止まっており、大して爪が噛んでいません。どなたにも開けやすい構造です。
開けやすいだけにメモリやストレージ交換は容易にできそうです。ただ、メーカーの保証対象外になりますので、基本的には自己責任となります。
そういう意味で言いますと、画像左下にある2.5インチの空きスロットがありましたので、自分で増設してSSD大容量のWストレージにすることもできそうです(MOUSEの場合はストレージの選択項目は多いものの、セカンドストレージで選択できるのがHDDのみとなっています)。
ちなみにメモリはADATA「PC4-21300(DDR4-2666) 」の8GB(8×1)でした。
「B5-R5」のACアダプタ
定格電力は65Wとなっており、メガネケーブルは国内向けの125V用です。
「B5-R5」はこの丸口のACアダプタがセットになっていますが、Type-CがPD充電対応になっているので、同じ定格電力である65WのType-Cでも充電が可能です…と言いたいところだったのですが、止めた方が良いです。
45W以上で充電は確かにできるのですが、電力設定のウィンドウを開くと最も高いパフォーマンスモードと節約モードを行ったり来たりの異常動作を繰り返し続けます。
この機体を借りたのがALPACAで何人目かは分かりませんが、先にレビュー記事を書いている方にはそうした記載が見当たりませんでした。表の充電マークだけ見てると気づかないので、流れ作業で調べているレビュアーは見落としているようです。または(考えづらいですが)ALPACAが試したType-C充電器のみが異常動作をした組み合わせなのかもしれません。
電力設定の表示がどうであれ、充電できているならいい、と考えたくなるところですが、この状態でPC操作をすると、ウィンドウの開閉などの基本操作を含めてアプリの動作もしずらくなっていました。充電中の操作自体が不安定になるようです。上記のGIF動画も本当は画面のキャプチャーアプリから録画しようとして上手く動作せず、やむを得ず外部デバイスから録画した次第です。
そういったわけで、基本的には正規のACアダプタを使うことをおススメします。または「A18-068N3A」の互換を正式に表記しているものを探した方が良いのですが、残念ながらアルパカではそれを見つけられませんでした。
「B5-R5」の互換アダプタ |
|||
---|---|---|---|
使用 | PD対応 電力 |
メーカー | 商品型番 |
× | 18W | cheero | CHE-324 |
× | 20W | AUKEY | PA-F3S-WT(White)、PA-F3S-BK(Black) |
△ | 45W | Anker | PowerPort Atom III Slim (Four Ports) |
△ | 65W | Dynabook | Type-CのDynabook共用ACアダプタ「PAACA048」 |
※ケーブルは全て「Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル (0.9m) 超高耐久 60W PD対応」を使用しました。
「B5-R5」シリーズの内部性能について
性能を調べた結果、まとめ
MOUSEのPCには「Cotrol Center 3.0」が標準搭載されています。どなたでも簡単に設定を変えられるので、ファンの音が多少、大きくなっても気にしないという方はパフォーマンスモードにしたままでも良いと思います(負荷をかけるとフォォーンという駆動音を発します。極端にうるさいということはありませんが、神経質な方なら気になる程度です)。
動作の快適さを計測するPCMark10では、パフォーマンスモードにした時、していない時では大きな違いはありませんでした。ただパフォーマンスモードにした時の方が負荷のかかり続ける作業に有利です。
ピーク時には4500を超えましたが、安定して出せる数値としては以下の通り4400弱といったところです。
それらを踏まえた上で PCMark10 のトータルスコアでどのようになるのか。近しい価格帯のPCを一覧にすると以下のようになります。
PCMark10、比較グラフ
電源なし状態で、バッテリー残量を気にしながら高パフォーマンスで使う時には極端に性能が下ります。これはRyzenの特長で、おそらくそうした事情を知っていたメーカーはコストを抑えられてもモバイル機にRyzenを入れたがらないのだと思います。
実際に使ってみても、ウィンドウやブラウザを開くという基本操作が緩慢になっていたことから、長時間のBGMを流し続ける音楽プレイヤー代わりに使う、などでは良いですが、それ以外では電力設定を落とさない方が良いです。
もっとも、今回ご紹介している「B5-R5」は15インチモデルですから、AC電源ありの状態で使うことが基本だと思いますので、その欠点はあまり欠点たりえません。
そういうわけでAC電源ありのスコアで比較していくと、ピーク時には最新のRyzen 5 5500Uに近い挙動を見せており、Intel Core i7に届かないものの、肉薄する良いスコアでした。
さすがに第11世代Core『TigerLake』のi7には届きませんが、モバイルGZに搭載されていた i5 くらいは超えます。10万円前後で購入できる一般向けのA4ノートとしては十分すぎる性能です。
Excelやワードの基本的なOfficeワークからパワーディレクターやビデオスタジオなど、ご家庭向けの動画編集程度なら難なくこなせます。SNS、調べもので大量のタブ分けをしながら行っても、元々マルチコア性能が高いので、なんら問題はありません。
3DCadやりたいとか、エディウスで動画編集やりたいとか、グラフィックカード必須のものはRyzen7でもCore i7でもできません。そうでない一般的な使い方ならこちらのRyzen 5 4500Uで十分に役立ちます。
また、向き不向きを調べる意味で主要3つのブラウザでのネットのスコアを調べたところ、以下のようになりました。
WEBXPRT3-YourScore
200を超えていれば、動作として問題ない範囲だと思いますが、基本的にはFirefoxとGoogle Chromeが相性が良く、Edgeはいまいちです。
僅差ではありますが、少しでも早く調べものやクラウド情報を扱うのであれば、Edgeは避けた方が良さそうです。
全データはこちらの記事にてまとめてありますので、より詳細に知りたい方はご覧下さい。
また、ゲームに関してはドラクエXやメイプルストーリー(2D)あたりの軽めのゲームなら問題なく遊べますが、FF xivあたりの、ちょっと重たい3Dポリゴン系は止めた方が良いです。できないことはないと思いますが快適さは損なわれます。
クリエイティブ作業としてはCinebenchR23で以下の通り、シングルいまいち、マルチは第11世代Core『TigerLake』のi7を超えているので、平行作業ががっちり多い人にとっては相性の良いプロセッサーです。
Single Core 1166 pts、Multi Core 5443 pts、MP Ratio 4.67 x
この機体でクリエイティブワークを中心に据える人はあまりいないと思いますが、それでも軽くAdobeのPremire Proを使うくらいはできます。H264形式の4K動画の出力に約8分でしたので、グラフィックカードなしのノートパソコンとしては善戦している方だと思います。
「B5-R5」搭載Ryzen 5 4500Uの高負荷時のパフォーマンス推移
「Cotrol Center 3.0」の設定なしの最も高い電力設定時には、初動作のピークは8秒まで。その後350秒近くまでは乱高下を繰り返しながら高い周波数帯を維持できますが、350秒近くになると3500MHzまで下ります。
一方、「Cotrol Center 3.0」のパフォーマンスモード時には、8秒の初動作のピークアウトがなく、同様の周波数を推移します。570秒を過ぎると急に周波数が下りましたが、どうも70度を超えるとサーマルスロットリングが働くよう設定されているらしく、ファンを高回転させても熱処理が間に合わなくなったのが6分弱ということのようです。
いずれの場合も温度70度を超えることがほとんどなく推移しているので、ファンの回転数は高めになるものの高い処理能力を維持できる優秀な設計だと思いました。
しかし、それよりも驚いたのは初速が予備動作なしに劇的に早いことで、加えてその後の8秒間は安定していたことです。
他社のRyzen 5 4500U を調べていないので、これがMOUSEの設定なのか、Ryzen 5 4500Uの特性なのかが分からないのですが、上図を見ても分かる通りです。
これは最初の電力供給が遅いことが多かったRyzenでは考えづらいことで、このことを元にした動作検証では短時間駆動での初動の速さを確かに確認しています。Ryzenは実は5000シリーズでも5500Uでは初速の遅れが若干あり、そうした部分ではIntelから実スコアと快適性の乖離が指摘されることもありました。しかし、このMOUSEの「B5-R5」に搭載されているRyzen 5 4500Uにはそれがありません。
つまり、ベンチマークでの数値がどうこうではなく、初動作=快適性となるような細かい普段使いには適している設計とプロセッサーである、ということです。これは一つ一つの負担が軽い動作でも、細かい使い方の多い方にオススメできるポイントです。
※念のため先に触れたように電源設定を一つ落としたものも掲載しておきます。5~13秒がピークですが、それでも2500MHz推移で、その後はCeleron並みの推移になります。あまりオススメできない設定ですが、やはり音楽や動画を流しっぱなしにする専用モードと言えそうです。
「B5-R5」シリーズ、主要な選択項目一覧
こちらでは主だった選択項目を説明していきます。
※価格は、記事アップ時点の2021年6月段階のものです。
OS、Office、CPUの選択肢
OSの選択肢
最初にOSの選択ですが、Proモデルが税込6,380円は安いです。後から自己責任でアップデートする際には日本円で14,000円近くかかりますから必要な方は最初に選んでおきましょう。
オフィスソフトの選択肢
オフィスソフトは「B5-R5」の選択画面から選んでも良いですし、最初からオフィスソフト(この場合はOffice Personal)が搭載されている「B5-R5-A」から買っても良いです。というのも、どちらから買っても、同じオフィスソフトを選んだ状態なら、同額になるためです。
少なくとも記事アップ時点でのALPACAの調べでは、そのようになっていました。
ちなみにAccessまで必要な方は「Office Professional」を。パワポは不要でワードとExcelまでで良ければ「Office Personal」を、お選び下さい。
また、ここに記載されている「個人向け」と「法人向け」に関しては、ライセンス管理をプロダクト キーのみで行うことができるかどうか、の違いで、別の言い方をするならMicrosoftアカウントにログインしなくても使えるようになるのかどうかの違いです。
個人向け Microsoftアカウントにログインして使うのが基本。
法人向け Microsoftアカウントにログインしなくても使える。
法人向けは、一度に何台、何十台とインストールや設定をしたい時に便利です。例えば会社のシステム管理部がワンフロア丸ごと設定する時、いちいち一台、一台のMicrosoftアカウントにログインして設定していたら時間がかかって面倒なので、プロダクトキーのみで使えるようにしておく方が管理が楽なのです(逆を言うと個人でも、そのような簡単な管理で使いたい人にはオススメです)。
もう一つ。「KINGSOFT WPS Office 2 Standard」とは、マイクロソフトの提供するOfficeとは別の、KINGSOFT社の中国製Officeのことです。互換性は高いのですが、若干の使い勝手が違いますので、毎日のようにOfficeを使いたい方、マクロを使いたい方、グラフの色合いやフォントなどの違いを気にされる方は、WPSは避けた方が無難です。
違いはこちらの記事にて説明しています。
CPU(AMDの呼び名ではAPU)の選択肢
他、CPU(AMDの呼び名ではAPU)の選択肢ですが、「B5-R5」シリーズでは、Ryzen 5 4500Uの 一択ですので、プロセッサーは選べません。Ryzen 7 や5000シリーズ、Hプロセッサーなど。それらを新たに選び直したい時には、モデルの変更が必要です。
メモリ、SSD、ストレージの選択肢
メモリの選択肢
メモリ16GBにして、税込8,690円なら悪くないお値段です。
裏蓋が外しやすいだけに、自分で増設、換装して費用を浮かせたい人もいると思いますが、このお値段なら、自分でやっても最初から搭載機を選んでも、大差はありません。
ストレージの選択肢
MOUSE「B5-R5」では、標準でWindowsの入っているシステムドライブがSSDの256GB(M.2 PCIe接続)になっています。これだけでも十分使いやすいのですが、写真を大量に保存したい人や動画を長時間保存したい人はセカンドドライブにHDDを選べますので、そちらを選んでWストレージ構成にするのがオススメです。
ただし、容量はあってもHDDは速度が遅くなりますので、SSDのWストレージにしたい人は、自己責任になりますが、ご自身で2.5インチSSDを付けてみましょう。
また、Androidのスマホはともかく、iphoneのバックアップを取っておきたい人は、セカンドではなく、システムドライブが入っているSSD側に大きなものを選んでおきましょう。iphoneのバックアップはシステムドライブの中にしか入らないので、バックアップを取り続けることを考えれば、余裕をみて512GBにはしておきたいところです。詳しくはこちらの記事にて。
その他、気になる選択肢
MOUSE はオプションの選択肢が非常に幅広いので、説明しきれないくらいなのですが、ひととまずこちらでは、必要な方が多そうな部分のみを記載しておきます。
WEBカメラとヘッドフォン
コロナ禍から多くの人に必要とされているWEBカメラです。外付けでなくとも「B5-R5」では100万画素のWebカメラを内蔵しているので、ひとまずのWEB会議は不便がありません。ただし、暗めになったり輪郭がややぼやけたり、といったことがありますので、そうした時により綺麗に相手に画像を届けられる外付けカメラはオススメです。
ヘッドフォンも同様ですが、一番安いH390R でも両耳から相手の声を聞こえやすくするものなので、使い勝手は良いです。普通にWEB会議をするだけなら、これでも、ないよりは十分聞こえやすくなります。
ただ、長い目で見て使いやすいものを考えるなら、実はゲーミングツールの方が良いものが多いのを付記しておきます。元々、ゲーム用途とはコンマ数秒を争うタイトな世界で使われるものですから、そうした中での仲間との通信や、アクション性の高い人達に使われても壊れない耐久性など、高品質なものが多いです。
ただ、品質が高くともゲーマー向けのデザインだったり派手なライティングが多かったりするため、一般のPCユーザーからは避けられる傾向にあります。ゲーム用途という言い方だから避けられるのであって、競技用という言い方をすれば、この意味が分かって頂けるかもしれません。
MOUSEのサポートに関して
先に触れているようにMOUSEは365日24時間体制でサポートに連絡が繋がります。
基本的にはこれだけで問題ないと思いますが、少し待ち時間が発生します。これはLINEなどで話しかけた時もそうでしたから(10分近く待った経験ありますが、時間帯にもよると思います)、待ち時間を発生させたくない方は専用ダイヤルのサービスを選んでおくと良いです。
また、基本操作から難儀すると分かっている場合には、リモートサポートがオススメです。
そうして積みあがっていくと、それなりの金額にはなると思います。ですが、MOUSEの場合は元々が安いですし、なにより一つ一つの選択肢が安いので、極端な予算オーバーにはならないと思います。
MOUSEの「下取りサービス」について
MOUSEでは「下取りサービス」を実施しています。
外観の破損が激しいもの(液晶・筐体の割れ等)でなければ、起動しなくなるほど古いものでも大丈夫です。下取り金額としては購入額が1,100円安くなるというだけなのですが、余計な査定がない分、煩わしい手続きや待ち時間が発生しないため楽です。
逆に多少の手間がかかってでも下取り金額を増やしてもらいたい、とするなら、こちらの記事で紹介している買取業者(記事後半にて紹介)が、高値を付けてくれるかもしれません。
データ復旧サービスについて
このサービスは先に申し込んでおくと、不調をきたしたストレージに対してデータの復旧を試みる、サルベージセンターのサービスが無料で受けられるというものです。データを飛ばして難儀したことのある人ならご理解頂けると思いますが、センターによってはかなりの高額となります。
それでも必要なデータだからと5万、10万という金額を積み増す人は大勢います。
そこまでのデータを扱わない、というなら関係ないので読み飛ばして大丈夫です。または、オンラインストレージを通じて、完全にバックアップを取り続けるのであれば問題ありません。
ですが、そうでないなら申し込んでおくのは結構オススメです。特に安心プランファミリーでは、購入したMOUSEのPCだけでなく、外付けストレージやスマホ、USBメモリなど、直接関係ないもの、他社のものでも、ストレージであれば一通り復旧を試みてくれる、幅広いサービスです。
ちなんだ話で言いますと、西日本豪雨の際に泥水を被ってしまったPC内に入っていたデータは、ほとんどの場合SSDであれば復旧できています。HDDはほぼ壊滅。ここが磁気ディスクと半導体素子での記憶方式の違いです。
もし、有事の際に大切なデータを失わないようにしたい。しかしオンラインストレージを使う維持費やデータ復旧サービスのコストも抑えたい、とするなら、Wストレージ構成であってもシステムドライブ側のSSDに一緒に入れておきましょう。その方が比較的安全です。
「B5-R5」シリーズのまとめ
一言でまとめると、一般のご家庭用「ザ・スタンダードノート」という印象で、宅内や事務所などでグラフィックカード不要の使いやすい性能を求める方に向けてオススメしたい内容です。
また、細かい挙動を調べると、このモデルに入っていたRyzen 5 4500U が、まさしく調べものやOfficeワークなどのお使い、細かな作業の切替えでも初速が落ちずに稼働できるという、良い意味でRyzenらしからぬ理想に近いものでした。
もちろん、がっちりプロセッサーの能力を必要とするものなら、型番が上の方が良いです。しかし、PC操作をする人が皆揃って動画のエンコードをかけるわけではありませんし、むしろしない人の方が多いでしょう。
そうした方達にとっては、むしろ今回ご紹介したMOUSE「B5-R5」の方が向いています。
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