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クリップスタジオで漫画やイラストを描くのに向いているパソコンとは

PC知識全般

今回はデジ絵描きのための鉄板アプリである「クリップスタジオ(ClipStudio)」に向いているパソコンとはどういったものか、を調べ、まとめた検証記事になります。

※まだデータが十分に揃っていないため都度、追記してゆきます。データが揃い一般公開できると判断したらサイトのトップに移動予定です。

クリップスタジオで漫画やイラストを描くのに向いているパソコンとは

最初に・計測の手順と考え方

アルパカの使うPC歴としてはAMDよりIntelの方が長いのですが、最近になってRyzenシリーズを使って絵を描いた際に、クリスタの挙動が違うと気づいたのが疑問の始まりでした。

「”AMD Ryzen” と “Intel Core” ではどのように挙動が違うのだろう」

この疑問に答えてくれるサイトは見つかりませんでした。なら調べようと。

注意しなければいけないのは、大手の販売サイトによくある「こんなに早く処理できるようになったのです」という販売トークは、あくまでも電力設定が最も高いACアダプターを繋げた固定電源のある条件の時だけがほとんどです。

実戦的に使うことを考えるなら、そうした恵まれた状況ばかりでないことは誰でも知るところだと思います。

ファミレスで編集者と打ち合わせに入る際に「ここんとこ修正しといて下さい」と言われて帰宅してからやるくらいなら、その場のモバイルPCで確認しながら編集したい人は多いと思います。

移動の間に少しでも原稿を描き進めたい方もいらっしゃるでしょう。そうした時には固定電源なしの状態で使うことが多いでしょうから、バッテリーの減りを考えれば電源設定を一つ落として高パフォーマンスモードでどこまで使えるのかを知る必要があります。

もちろん、短時間だけのプチ処理だけなら設定を最も高くして処理しても良いので気にする必要はありませんが、長い戦いを勝ち抜くには両方のデータを把握しておくに越したことはないと思っています。

この記事では、そうした情報をまとめてグラフ化しています。

画面右下にある電力設定変更の図

※ここで言う電源設定とはデスクトップ画面右下の電源設定のことを指しています。

※計測時にフォルダが作成されるものに関しては、二回目以降の計測では各フォルダを削除してから計測しなおしています。つまり、最初に書き出す際の速度で統一しています。二回目以降はキャッシュからの読み込みにより早くなるため、できるだけ最初の処理時間を比較しています。

 

「クリップスタジオ(ClipStudio)」を Intel Core と AMD Ryzen で比較してみた

描き心地に関わる挙動(描画速度)

描き心地に関わる挙動(塗りつぶしによる描画速度を計測してみた)

人間の手で「塗る」という動作をする際に、一番時間がかかるのが面積の広い範囲への塗りつぶしだと思っています。ベクターはともかく、ラスターレイヤーでは “塗る” のも線を “引く” のも原理は同じですから、塗りの速度がペンや筆の「描き心地」と同じであると考えます。

つまり、この塗りつぶしの速度が早ければ早いほど “書き心地が良い” ことになり、逆は悪くなります。

そこで、描き心地を測る指針として外部ユニットから200回ほど色を切替えながら塗り続けるコマンドを実行させ、その時間を計測しました。

クリップスタジオで計測してみた、手書き描写の速度

18秒より長くなると、線を引いていても書き始めに若干の遅延を感じるようになります。計測した中ではCore i7-1165G7が最高に描き心地が良く、遅延を感じさせませんでした。

若干の遅延があったところで問題なく描けますので、普通にオススメできる範囲ですが、少なくとも20秒以上かかるものはオススメしずらくなってきます(軽く落書きするとか、お子様の知育用にデジ絵を学べる環境を整えておきたい、というくらいならまったく問題ありません。ここではガチで描きたい、描かないと禁断症状が出る、というデジ絵大好き人間のために書いています)。

特にAC電源のない外出先で編集者と打ち合わせしなければならないような時。モバイルPCですぐに編集するような場面ではAMDのRyzenシリーズよりIntelのCore(特に第11世代Core『TigerLake』)の方がパフォーマンス低下がなくて良いです。

 

オートアクションの処理速度について

オートアクションは使う人はとても多用する機能だと思います。

先の手書き描写の時と同様に200セットの塗りコマンドをオードアクションで行ったものを計測しました。オートアクションで処理するのと外部のユニットから指示するのでは挙動がまったく異なります。オートアクションの方が内部処理だけで済むので早いのですが、やはりプロセッサーにより得意、不得意がくっきり分かれます。

クリップスタジオで計測してみた、オートアクション処理

Ryzen シリーズはどうもオートアクションが苦手なようで、おおよそIntelの倍の時間がかかっています。途中、完全に画面が固まりブラックアウトした後に処理を終えることもありました。Intelはそこまで固まることなく処理が終了することが多いです。

 

フィルター処理について

描き心地に関わる挙動(放射ぼかしフィルターによる処理速度を計測してみた)

クリップスタジオの公式サイトにあるサンプルイラスト、たま氏のを使わせて頂きました。

こちらのイラスト背景を重たいフィルター処理の部類である放射フィルターをかけた時にかかる時間を計測しています。プレビューも含めて処理が終わるまでの時間を合計しています。

クリップスタジオで計測してみた、オートアクション処理

こちらはRyzenが安定して良い速度を出しています。しかし速度は一定しており、Ryzen7でもRyzen5でもあまり違いはありません。一方のIntel Coreはi7だとRyzenと互角ですが、i5以降だと劣ることが分かりました。

フィルター処理は重たいものばかりではありませんが、多用する方はこの指標を元にお考え頂くと良いと思います。

 

2Dレンダリング処理(TL変換)

クリップスタジオの2Dレンダリング処理(TL変換)の速度を計測してみた

2Dレンダリング処理能力です。

TL変換と呼ばれるもので、写真から背景へ変換する際に使います。この機能自体はEXのエディションでなければ使えませんが、多量の漫画を描く際、背景に時間をかけたくない人は多用している機能です。

計測に使わせて頂いたのは「HDRっぽい画像作成(t__Naoさん作)」で、画像をほどよく縁取りしながらモノクロに変換してくれます。用意した素材は25枚の写真を一つにまとめたものです。大きさにして11348 × 8204ピクセル。負荷を大きくするため、大きな画像にまとめました。

Ryzenも5000シリーズにもなると素晴らしい動きになります。

デュアルチャネル対応のメモリ16GBあたりを搭載していれば、という条件付きではありますが、Ryzen 7 5700Uは今のところ(記事の執筆時点では)最強です。また、電力のありなしに関わらず速度があまり変わらないのも素晴らしいです。この辺りはCinebenchiでも良いスコアをたたき出しているだけあるな、と感心します。

 

3Dオブジェクトの立ち上げ、4種

2DLTレンダリングを行ったのだから、3DLTもやろうかと思ったのですが、重たいオブジェクトを使っても今時のPCならどれでも一瞬で変換できました。それよりも明らかに時間がかかる作業は3Dオブジェクトの読み込み、つまり立ち上げ作業です。立ち上がってさえしまえば稼働させるのはさして負担はありません。

そこで、軽い、重い、少重、超重、という4種類のオブジェクトの立ち上げ時間を計測しました。ここでいう重さとは単に容量のことを言うのではなく、処理が難解なものを指しています。

使わせて頂いたのは古いオブジェクトの中から。昔、ダウンロードした中には一部、とんでもなく時間のかかるのがあるのを思い出して、それを活用しています。

軽い:3d_交通素材 バイク(Kawasaki・ニンジャ)_21866_101

少重:3d_陸自 87式偵察警戒車_16743_101

重:3d_コンパクトカー_1288341_101

超重:3d_ワゴンカー_1294337_101

3D素材立ち上げ:軽い3D素材立ち上げ:少重3D素材立ち上げ:重3D素材立ち上げ:超重

クリップスタジオで計測・3Dオブジェクト立ち上げ・軽

クリップスタジオで計測・3Dオブジェクト立ち上げ・少重

クリップスタジオで計測・3Dオブジェクト立ち上げ・重

クリップスタジオで計測・3Dオブジェクト立ち上げ・超重

軽い素材ならAMD Ryzen も Intel Core もあまり違いはありません。

が、重たくなると途端に Intel Core が短時間に処理できるようになることが分かりました。あくまでも古い素材を使っているので最近のではどうなのか分かりませんが、目安として3D オブジェクトを多用することが多い人なら Intel Core を選んでおいた方が良い、と言えそうです。

 

漫画原稿の取り回しについて

原稿の立ち上げ、保存、レイヤーコピー、レイヤー貼り付け

漫画原稿の取り回しについて、単純に漫画原稿を立ち上げる時間、保存にかかる時間、レイヤーコピー(クリップボードにコピー)と貼り付け、の四種類を調べました。

使用した素材サンプルは、晴瀬ひろき氏1枚とLolita Aldea氏2枚の漫画原稿をそれぞれ、少し大きめのA4判、解像度600の原稿にリサイズしてまとめたものを使用しました。クリップスタジオのファイル形式 .clip で原稿サイズは168MB。計測のため、かなり重くしていますが、激描き込む人にしてみれば、これくらいのテストは必要かと。

原稿の立ち上げ原稿の保存レイヤーコピーレイヤー貼り付け

 

※追記途中。アルパカのリソースが許す限り、追記してまいります。

 

 

最後に・「クリップスタジオ(ClipStudio)」でデジ絵を描く人へ

デジ絵は描いていて楽しいものですが、パソコンの性能に依存して描き心地が変わってきます。

しかし、Adobeの変換時間を計測する人はいてもクリスタでは調べる人があまりいませんでした。

漫画にしろ、イラストにしろ、今やクリスタはデジ絵ツールの鉄板アプリです。この比較データは多くのデジ絵師が必要としているのではないかと思いました。

これらのデータがクリスタを使う人達、またはこれからクリスタを使ってみたい、という人達のお役に立てましたら幸いです。

 

※この記事は都度、追記してまいります。

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