物価高騰の中でも約10万円という価格で、第13世代Core『ラプターレイク(Raptor Lake)』搭載機が登場しました。
今回はIdeaPad Slim 5シリーズの最新シリーズ「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型(13世代 Core)」をご紹介します。
Lenovoに関して不安を感じる方は、こちらも併せてお読み頂くとリスクを把握しやすいです。
また、保証の選択で悩む時にも見ると参考になります。
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「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の特長
動画でも紹介してみました。大まかに特徴を捉えるなら動画の方が分かりやすいかもしれません。
位置付けと特長
・第13世代Core『ラプターレイク(Raptor Lake)』を搭載
・16:10のアスペクト比で広々使える液晶
・Wi-Fi 6E対応
・バックライトキーボード、プライバシーシャッター付きの1080pカメラなどを完備
第13世代Core『ラプターレイク(Raptor Lake)』を搭載
いよいよ一般向けコスパ優良機にも 13世代Core が搭載されるようになってきました。
元々、マルチコア性能が得意とされるRyzenですが、そのRyzenの最新型番をたやすく抜いて図のようになっています。濃い青のバーが 13世代Core。水色が12世代Coreです。
Core i5-1340PとCore i7-1360Pは、おそらく今年のモバイルPCの中に入ってくる上位プロセッサーとしては定番になるであろう型番で、迷うようならこれを選んでおけば安牌と言えそうです。
Ryzenの方が一歩安くなることが多くなるとはいえ、大きな価格差でないならパフォーマンス重視として 13世代Core を選びたくなる人は多いと思います。12世代Coreでもまだまだ現役の性能ですしもちろんRyzen機でも普通に使えます。
それぞれの価格差とお財布次第ですが、重たいExcel作業や、多少は動画もやりたいなど。時間のかかりそうな処理が多いようだと 13世代Core の方がオススメになります。
※詳しくは内部性能について、の項目をご覧ください。

CPUMark-Multi Core比較 2023.03.04時点での数値
16:10のアスペクト比で広々使える液晶

(左)「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の16:10と(右)一般的な16:9液晶
今回「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」シリーズではアスペクト比が16:10になったことで、他の安価シリーズよりも一歩使いやすくなりました。
表示の違いは写真で見る通りで、縦に少し長くなっているため、縦スクロールを基本とするWebコンテンツや、縦に見ていく原稿を扱うOfficeワークなどの表示が広くなって見やすいです。
※詳しくはディスプレイについて、の項目をご覧ください。
Wi-Fi 6E対応
Wi-Fi 6E(IEEE802.11ax)(2.4Gbps)+IEEE802.11ac/a/b/g/n準拠に対応しています。
メッシュWi-Fi対応のルータを設置した場所であれば、6GHz帯の安定した無線速度を保ちやすくなります。
バックライトキーボード、プライバシーシャッター付きの1080pカメラなどを完備
コストを優先させたIdeaPadシリーズとはいえ、バックライトキーボードを完備し、カメラにはプライバシーシャッターも付いています。生体認証は顔認証を備え、カメラの画質は1080pという綺麗さ。この値段でここまでのものを揃えられるのがLenovoのいいところです。
接続口のType-C がThunderbolt対応でなかったり、色域の狭いディスプレイと言う部分は残りますが、その辺りにこだわらない人であれば、10万円で買える内容としては十分なレベルだと思います。
その他:ファンクション操作が日本メーカーと違います
Fn キーと最上段のF列を組み合わせて一時的に操作(音量調節や輝度調節機能など)を切り替えるコマンドをホットキーといいます。
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の場合、このホットキーが FN キーを押さずに使えるようになっていました。日本メーカーに馴れている人だと、カナ変換時に F7 キーを押しても画面の切り替えメニューが出てきて、迷われる方がいらっしゃるかもしれませんので記載しておきます。
Fn + ESC キーを押すことで切り替えることができます。
ESC キーにランプが点灯している状態の時が、日本メーカーで販売されている通常の操作と同じになります。
外観について
デザイン的な特徴
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」 のデザイン

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の比較・正面、内容物一覧
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」ではクラウドグレーと呼ばれる、やや明るめのグレーです。同じ14インチでも「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」はアークティックグレーと呼ばれ、やや落ち着いたグレーになっており微妙に色合いが違います。アルミニウム合金製で質感も良いです。その点、Flexは樹脂製ですが、代わりにタッチパネルが付いてきます。
キーボード左右にスピーカーグリルが付いています。幾つかの音源を楽しみましたが、高い音質がやや軽い気がしました。先日「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」をレビューしたばかりなので、FlexのDolby Audio搭載に比べるとそちらの方が良かったと思います。もっとも普通に聞けばこれが普通だと思える程度の些細な違いです(※音に関してはあくまでも素人判断です)。
普通に使う分には十分、不便なく使えるものでしたが、音にこだわる人は外付けスピーカーが必要になるかもしれません。
天板含めて全体的に装飾はありません。端に “Lenovo” の刻印があるくらいです。重さは1.46kgで公称値と同値。
明るい色合いのグレーで統一され、余計な装飾がないのですっきりした印象です。
大きさは標準的な14インチです。A4用紙と一緒に鞄に入れると少しかさばります。重さが1.46kgあるので、あまり持ち歩きには向きません。A4用紙に+1cmほど。
左右から見るとこのように。
ヒンジ内側に廃熱口があり、一番熱を持ちますが手を置く部分ではないので不快感はありません。
閉じたところのヒンジとパームレスト側の縁です。やはり装飾らしいものはなくすっきりしています。
背面には吸気口となるグリルがあります。
ゴム足で底面を少し浮かせて吸気しやすくなっています。
裏蓋を外すと
※裏蓋を外さない人には不要なので折りたたんでいます(クリックかタップで見れます)。
機能一覧・カメラやディスプレイ情報など
Webカメラ(約200万画素)
このカメラは顏認証に対応しているIRカメラです。
ディスプレイ上部のインカメラは物理シャッターが付いています。右が開け、左が閉めです。使っていない時に閉めておけば、切り忘れやハッキング対策として安心できます。
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」は一般的なWebカメラ(720p、約92万画素)よりも一歩良いカメラを備えています。
最近ではFHD (1080p:200万画素クラス)が搭載されたコスパ優良機も出てきましたが、まだまだ一般的ではありません。
こちらは同日の同時刻に同じライティングの中での比較です。色がやや薄くなりますが、明るく写せるカメラです。極端な差ではありませんが、キメが細かくなっています。
撮影では大きさを合わせるために距離を調整していますが、かなり広角に撮れる(背景が広く写せる)カメラでした。ビデオ会議の時には近づいて話した方が良いと思います。
「Lenobo Smart Appearance」-ビデオ・エンハンサーが付いています
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」のカメラ機能には「Lenobo Smart Appearance」という画質補正機能が付いています(アプリ一覧の”L”の列、または Insertキーによる初期ボタン機能からも入れます)。
顔の位置を中央に寄せてくれるフェイス・フレーミングや、明るさを調整してくれるビデオ・エンハンサーといったもので、メーカーによって呼び名が変わるこれらの補正機能は補正の強弱もそれぞれです。
一番、役立つと思われるフェイス・フレーミングに関して試したのですが、サンプル画像ほど強くは補正してくれませんでした。Teamsで試したりなど色々やったのですが、基本的にはご自身で逆光にならない場所で使うなどのひと工夫はした方が良いようです。
接続口

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の接続口(インターフェイス)
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の接続口は標準的なものがすべて揃っていますが、ディスクドライブと有線LAN端子はありません。基本的には無線専用機です。有線の方は無線環境に変えるか、Type-C やAからの変換アダプタが必要になります。
USB端子(Type-A)は右に2つ。SDカードスロットは micro までで右側に。HDMIは左側に。
左側に2つあるType-C はサンダーボルト対応ではなく、Gen1なのでType-A と同じ速度です。そのため、どこからデータのやり取りをしても速度は変わりません。
ただ、奥側のType-C が電源オフチャージ機能に対応していますので、スマホ充電の経由ハブとして使うなら奥側から挿して使うと、PCの状態に関わらずチャージできて便利です。
ACアダプタについて

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」のACアダプタ「ADLX65YDC3E」
ACアダプタの型番は「ADLX65YDC3E」、長さは180+100=280cm。重さは296g。定格電力は65Wです。
最初から同梱されているアダプターがType-C ということもあり、同様に他社製でもPD対応のType-C充電器で対応できます。
ただ30W以下だと警告POPアップが出るので、煩わしい方、充電速度を優先するなら45W以上がオススメです。
また、18Wのcheero製で使えていたのに、なぜか20WのAUKEY製(すでに廃番)の型番で繋げても充電できないという謎現象がありましたが、誤植ではなく、現実的な結果をそのまま表記しています。
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の互換アダプタ |
|||
---|---|---|---|
使用 | PD対応 電力 |
メーカー | 商品型番 |
△ | 18W | cheero | CHE-324 |
✖ | 20W | AUKEY | PA-F3S-WT(White)、PA-F3S-BK(Black) |
△ | 30W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C2 |
〇 | 45W | Anker | PowerPort Atom III Slim (Four Ports) |
〇 | 65W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C1 |
※ケーブルは全て「Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル (0.9m) 超高耐久 60W PD対応」を使用しました。
以下、単ポートで65WのPD給電に対応しているType-C充電器の代表例です。コンパクトで112gで済み、Type-Aの充電口もあるので多用途に使えて便利です。
バッテリー
Youtubeの連続再生時間は、残量20%になるまでが7時間16分で、以後はデフォルト設定の節約モードに入りましたので、動きは極端に悪くなります。そのままで稼働させると、最終9時間15分まで稼働し続けましたが、実利用として使いやすい時間を考えるなら約8時間15分までが現実的なところです(当記事の性能表についてもそのように表記しています)。
※輝度50%、Lenovo Vantage の電源設定をインテリジェント・クーリングにした上で電力設定(Windows11のバランス)にて、ライブ映像を流し続けた時のバッテリーの持続時間になります。
もちろん、輝度を抑えたり、Officeワークでの軽い使い方に終始するようであれば、もっと時間数は伸びます。
充電速度は以下の通り。残量2%時に電源をオフにした後に給電開始した後の%になります。充電速度はかなり速かったです。
30分 | 60分 | |
---|---|---|
65W純正AC給電時 | 50% | 84% |
キーボード
キーピッチは横が19mm、縦が18.8mm。キーストロークは1.4mm(アルパカ調べ)でした。
打鍵感は一般的な打ち心地で良い感じです。
つい先日、「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の機体を調べましたが、基本的に同じキーボードを採用していますので、同様の説明になります。ただ、こちらの「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」では指紋認証は付いていません。
矢印キーは逆T字にはなっておらず、Enter キーが逆「 型にはなりきれずに、やや長細いです。Back Space キーなどの特殊キーが手狭になっているので、その辺りも許容できるかどうかのポイントとなります。
ただ、BackSpace キーの上に Delete キーの鉄板配置は崩していませんし、Ctrl キー と FN キーの逆配置にもなっていませんので、おおむね違和感なく使えるキーボードです。
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」はバックライトキーボード搭載です。
バックライトは、FN + Space キーで切替えできます。
ディスプレイ:非光沢の16:10液晶 1920×1200

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の液晶パネル「LEN140WUXGA」:Color ACの色度図、i1Display Proによる輝度測定、LUT表示
輝度は269cd/㎡と一般的な明るさで、色域はsRGBカバー率が68.2%。Adobeカバー率が51.2%。
赤青緑のLUT表示(別名ガンマ補正曲線)を見ると、輝度が最も高い時に色バランスが崩れて緑が強く、赤と青がやや弱めに。パッと見では気になるほどではないので、画質にこだわる人でなければ問題ないと思います。
IPS液晶なので視野角が広くて見やすいのですが、色域は低めです。
元々、安価モデルの代表的な IdeaPad Slim 5 シリーズでは、内部性能のパフォーマンスは良くても、クリエイティブ用途には向かない構成です。もし、写真レタッチやペンタブを繋げてのイラスト、動画の編集などに使うのであれば、外付けの液晶(液タブなど)での色確認が必要になります。
ネットコンテンツを楽しむ分には、どこまで画質にこだわるか個人の感覚によりますが、今時の10万円PCですと、型落ちでなければこのあたりの液晶が標準的です。
また、先にも紹介していますが、このシリーズもいよいよアスペクト比が16:10になりましたので、表示面積の違いを以下に掲載しておきます。
16:10と16:9の表示の違い(ExcelやWebページなど)
以下は一般的な16:10液晶(1920×1200)と、FHDの16:9、1920×1080ドットとの見え方の違いです。
※長くなるので折りたたんでいます(クリックかタップで開けます)。
※「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」に限らず解像度が同じ16:10の画面であれば同じように見えます。
※フォントの大きさを125%均一での表示です。
視野角の広さ(画像)
次に画像の見やすさ、視野角の広さを確認します。
同じsRGB60%台のものと比較しても色が褪せているのが分かります。
文字を追う作業では快適です。ただ、クリエイティブ及びエンタメ的なネットコンテンツを楽しむ使い方であれば、同じ14インチであれば、sRGB100%クラスの2.2K液晶を搭載している「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」がオススメになります。その場合にはRyzenが 7000番台になることと、お値段が2万円以上、上がるかどうかの選択肢になります。
内部性能について
今回、アルパカが調べたのは「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」のCore i5-1340P搭載機になります。
Windowsの更新が入らない状態で、立ち上げにかかる時間は約10.6秒でした。
Lenovoの機体では Lenovo Vantage と呼ばれている電源設定(スマートパワー)によって、プロセッサーのパフォーマンスを変えられます。
状況に応じた自動調節設定のインテリジェント・クーリング(以後、IC と略)
バッテリーを節約するバッテリー省電力

性能を調べた結果、まとめ
アルパカは第13世代Core『ラプターレイク(Raptor Lake)』を調べたのは今回が初めてなのですが、旧来のCPUほど周波数が上がらない割には12世代Coreよりも高速で処理できるパフォーマンスを確認できました。おそらく、2023年のノートPCに入る基本電力28Wまでのプロセッサーとしては、ほぼ最強ではないかと思います。
ざっくり言うと Core i7-1260P に近いパフォーマンスを Core i5-1340P で出せるようになっており、一世代前の上位格が最新世代の中格クラスで超えることができる、という従来の成長速度に当てはめた通りの性能アップとなりました。
12コア、16スレッドが前回と同じ。アーキテクチャも11→12世代ほどの大きな変化ではないので、かつての劇的なパフォーマンスアップではありません。それでもRyzenの最新世代、Ryzen 7 7730U が30万行のExcelの関数計算で9秒フラットだったのに対し(それでもかなり早いですが)、Core i5-1340P では7.18秒という新記録を打ち立てて抜き去りました。Core i7-1360Pであれば7秒を切るかもしれませんが、この辺りは12世代Coreでも7秒前後となっているため、あまり目新しさはありません。現在のアーキテクチャでは、ここが限界点のようです。
見どころは色々ありますが、Cinebench R23 ではシングルコア性能で1700超え。マルチで1万超えの好成績。CPUMarkでも22000を超えての躍進です。
一方で、パワポの動作が何度やっても速度が上がらず、他の作業はすこぶる快適なのに、ここだけ苦手作業が残ってしまった感じです。元々、12世代Coreの時からパワポのコピー編集やPDF化は苦手な方でしたが、アーキテクチャが大幅に変わらない以上、得意、不得意の傾向自体もあまり変わらないのかと。
パワポばかりを使う人は少数派だと思いますので、結果として全体的な速度アップの恩恵の方が遥かに大きいのですが、逆を言えば、パワポだけを集中的に使うのであれば第11世代Core『タイガーレイク(TigerLake)』の型落ちで安く済ませるということもできます(その代わり11世代だとExcelが苦手です)。
一方でクリエイティブ作業となると、Adobe の Premiere Pro を使った動画エンコードではCore i7-1260Pを4%差で超えてきておりプロセッサーの成長がしっかりと確認できました。
このくらいの能力があれば、外出先でもある程度は動画編集用として使える、と言いたいところですが、濃い緑バーを見て頂くと分かるように、バッテリー駆動&IC設定時になると2~3割の速度低下となります。
ネット速度もRyzen機同様の速度半減を見せていたので、固定電源のないところだと Intel Core が有利という神話が崩れたかもしれません。もっとも、ネット速度を調べている Webxprt のスコアがいまいち安定しなかったので、他の機体も調べてみないと言い切ることができない範囲です。
この辺りはメーカーセッティングによる違いも大きいと思います。あくまでもこの「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」のシリーズ限定で言うなら、という表現になりますが外出先でネット速度を大きく落としたくない人なら、Type-C 充電器とセットで持ち歩くのがオススメです。
※掲載しているグラフ内の濃い緑バーがIC時、明るい緑バーがEP時となっています。IC時にはバッテリー駆動として調べています。
CinebenchR23
Single Core 1715 pts、Multi Core 10058 pts(AC電源接続時、EP設定時)
Adobe や Office の実測時間
※108枚のRAWデータをJpeg変換するのにかかる時間を計測。
※約5分間の軽い編集を加えた動画をH264(YouTube 2160p 4K)の書き出しをした際にかかる時間を計測。
※128000回分のVLOOKUPと、184000回分のSUMIFS(3つの条件)を一度に計算させたときにかかった時間を計測。
※スライド200枚をコピーした際にかかる時間を計測しました。パワポの場合、クリップボードに取り込むよりも張り付ける方が負担が大きいので、そちらのみの計測です。
※50.5MBのダミー商談資料スライド200枚をPDF出力にかかる時間を計測しました。
インターネットの速度(WEBXPRT3)
主要三大ブラウザ(Chrome と FireFox と Edge)で、それぞれのAC電源あり最適なパフォーマンス時と、バッテリ駆動バランス時での速度を計測しています。
180あれば遅いとは感じなくなり、200でまあまあ。250で快適。300ならタイトなレスポンスを気にする人にもオススメできる即応性が手に入ります。
第11世代CoreまでならRyzenと比較してバッテリー駆動時には Intel Core の方が有利だったんですが、どうも 13世代Core だと(もしかしたら他機種は違うのかもしれませんが)、Ryzen同様、ネットブラウジング時の速度は200を切ります。
ひとまず180あれば実用的な範囲ですので問題はありませんが、速度を落としたくない人はType-C 充電器とセットでお考え下さい。
※以下、その他計測した内容になります(クリックかタップで見れます)。
ストレージ

CrystalDiskMark7.0にて小容量で計測

CrystalDiskMark7.0にて大容量で計測
WESTERN DIGITAL製の SN740が入っていました。 Intel Core がGen4の速度を引き出しており、大容量でも速度が落ちません。
大きなデータ整理の際にも速度が落ちづらくて短時間で済みます。ランダムアクセス系が早いのも体感して速度が速くて快適です。
なお、512GBのストレージで購入した場合は以下の通りです。417GBが自由に使えますので、ローカルにデータを溜め込みたい人でなければ、すぐに使い切るようなことはなさそうです。

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の512GBの初期ストレージ容量
「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」搭載 Core i5-1340Pの高負荷パフォーマンス推移

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」Core i5-1340P 搭載機にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(ACあり-EP時)

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」Core i5-1340P 搭載機にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(バッテリ駆動- IC時)
レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 | ||
---|---|---|
Intel Core i5-1340P Lenovo Vantege:エクストラ・パフォーマンスモード | ||
平均 | 最高値 | |
P-core周波数 | 782.5MHz | 1,526.5MHz |
E-core周波数 | 698.5MHz | 1,028.7MHz |
電力量 | 30.3W | 65.4W |
温度 | 84.9度 | 94.0度 |
これが 13世代Core の標準的な動きかどうかは分からないのですが、周波数が思ったよりも上がらずに、意外と穏やかな挙動となりました。
通常、スペック表の通りなら4000Mhzを目指すかと思いきや、P-coreでも1500辺りまで。E-coreで1000。もちろん、それでも良い動きはしているので、違和感はあっても快適に使える、という調査結果になりました。
EP時にはトップ1%の周波数を維持するのが17.5秒間。瞬間的に94度に達するものの、全体として温度は85度近辺を推移する安定した動きです。
IC時にはそうしたものはなくなり、巡航速度が続くのみとなります。
ファンの音は控えめで高稼働させても40dbいかないくらいでした。これは図書館で十分使うことができる範囲の駆動音ということです(アルパカの部屋は雑音だらけで計測機器を使うことができません。おおよその目安とお考え下さい)。
機体外側の温度推移

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」Core i5-1340P 搭載機100%稼働による機体外側の温度推移:前面

「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」Core i5-1340P 搭載機100%稼働による機体外側の温度推移:背面
アイドル状態の際に40度弱、100%稼働10分経過で約42度です。熱くなるのはモニター下部とキーボードの左面ですが、これくらいなら不快感はありません。
背面は10分稼働後で50度近くに達します。標準的な温度ではありますが、熱さが気になる方は何か敷いた方が良いと思います。もっとも、熱くなる部分に吸排気のグリルがあるので、塞がない方が良いです。結果、膝上では高稼働させない方が良いと思います。
この日はたまたま熱い日で、室温30度の時に調べています。
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型(第13世代Intel Core)のラインナップ一覧
Core i7-1360P 搭載機
価格 | 出荷予定日 | 構成名 | Office | OS | プロセッサー | メモリ | ストレージ | 無線 | 保証 | 製品番号 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
¥143,421 | 最短4 週間 | Slim 5i Gen 8 – クラウドグレー – マイクロソフトオフ | H&B 2021 | Win11 Home | Core i7-1360P | 16 GB(オンボ) | 1TB(PCIe) | Wifi 6E | 1年間引取 | |
¥124,850 | 最短4 週間 | Slim 5i Gen 8 – クラウドグレー | なし | Win11 Home | Core i7-1360P | 16 GB(オンボ) | 1TB(PCIe) | Wifi 6E | 1年間引取 |
※価格は全て税込、送料込みの表記です。
※2023年3月24日現在の価格にて表示しています。
Core i5-1340P 搭載機
¥119,790 | 最短4 週間 | Slim 5i Gen 8 – クラウドグレー – マイクロソフトオフ | H&B 2021 | Win11 Home | Core i5-1340P | 16 GB(オンボ) | 512GB(PCIe) | Wifi 6E | 1年間引取 | |
¥99,880 | 最短4 週間 | Slim 5i Gen 8 – クラウドグレー | なし | Win11 Home | Core i5-1340P | 16 GB(オンボ) | 512GB(PCIe) | Wifi 6E | 1年間引取 |
※価格は全て税込、送料込みの表記です。
※2023年3月24日現在の価格にて表示しています。
最後に・まとめ
まとめますと、「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」の残念な点としては、
・ディスプレイの色域は広くない。
・旧機種から比べると、それなりに値段が上がった。
の二点。
逆に良い点としては、
・10万円で早くも第13世代Core『ラプターレイク(Raptor Lake)』を搭載。
・16:10液晶で表示面積が広くて見やすい。
元々、このシリーズ「IdeaPad Slim」の5ナンバーは、Lenovoのシェアを押し上げていたコスパ優良機でした。それでいてベタベタに安い slim 170 のように液晶がTNではないので、極端に画質が劣るわけでもなく、人気のシリーズとなっています。ただ、普通に使うには問題ありませんが、色の鮮やかさにこだわりたい人にとってはディスプレイの点で難しい選択肢です。
プロセッサーの 13世代Core をいち早く搭載してきたというのは一番の利点で、少しでも長く快適に使うことを考えるなら、最新の処理性能があるにこしたことはありません。一般のご家庭での使い方、並行作業が多少多くても、重たいオフィスワークでも難なくこなせるでしょう。ただし、注意点としてパワポのみ挙動が良くないので、そうした使い方が多い方は型落ちを含めての検討でも良いと思います。もっとも、この点もドライバの更新が入り続ければ改善の可能性はあります。
評価に迷うのは、7~8万円から買えるミドルスペックが10万円に上がってしまったことです。残念がる人が多いと思う一方、今は物価高です。10万円という線引きにCore i5-1340Pとメモリ16GBという実用性の高いモデルが投入されているのは、多くの人から求められる需要を満たすと思います。
現在、同様の14インチのライバル機としてはDellの「Inspiron 14 5430」があるのですが、接続口が Thunderbolt のあるなし、キーボード内のキー配列に電源ボタンを入れているかいないか、などの違いがあります。
IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型 | Inspiron 14 5430 | |
---|---|---|
キーボード | ||
接続口・Thunderbolt | ||
接続口・SDカード | ||
生体認証 | 顔認証 | 指紋認証 |
バッテリー |
56.6Wh
|
54 Wh
|
重さ | ||
ACアダプター | ||
価格 | ¥123,601 | ¥122,180 |
※価格は記事アップ時点でのCore i7-1360P、メモリ16GB、1TB SSD、Officeなしでの比較です(当時はi7モデルしかラインナップになかったのですが、Dellの場合、i5ですと Core i5-1335U になることから、プロセッサーがワンランク落ちてしまい、お値段も上がり気味です。性能と値段だけで比較するなら、今回ご紹介した「IdeaPad Slim 5i Gen 8 14型」に軍配が上がります)。
同じ 13世代Core 搭載の14インチモデルとして、画質も近しく、メモリもオンボード同士ということになり、甲乙つけがたい両社です。
生体認証は顔でも指紋でも優劣はないと思っています。バッテリーも差異として挙げるほどではありません。その他では使い方により変わりやすい部分で、フルサイズSDカードを使うデジカメを扱う人ならDellになりますし、少しでも軽い方が良いとするならLenovoになります。
会計上の都合で固定資産として計上したくないので10万円までに抑えたい、などの都合があるならLenovoになりますが、ここもまたDellが同じく10万円以下に抑えたラインナップを用意したら話は変わってきます。
ご家庭用。テンキー不要ならオフィスワーク用としても無難にオススメできる定番どころとして、お考え頂きたいシリーズです。
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