画面が綺麗で描き味の良いタッチパネル付きコンパーチブル。ちょっとオシャレなデザインで。できればお値段も抑えたい。
今回はそんな希望を叶えてくれる、レノボの「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」をご紹介します。
Lenovoに関して不安を感じる方は、こちらも併せてお読み頂くとリスクを把握しやすいです。
また、保証の選択で悩む時にも見ると参考になります。
Lenovoでは学割用の「学生ストア」を用意しています。学生の方、教職員の方であれば、少しでもお安く買うチャンスです。対象の方はぜひ、ご活用下さい。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の特長
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」を考えられる方は、同じタッチパネル付き14インチの「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」と比較されることが多いと思います。
こちらでは、この二機種を比較をしながら特徴をご紹介します。
位置付けと特長
・「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の兄弟機種。Yoga 6は、やや軽くなって1.39kg。
・タッチパネル搭載の360度裏返るコンパーチブルモデルの13インチ。ペンも同梱。
・アスペクト比は流行の16:10、画面占有率90%。sRGBカバー率100%のIPS液晶。
・プロセッサーは最新の AMD Ryzen 7000 番台を搭載。
・アルミニウムボディ+ファブリック素材の天板を採用したオシャレなデザイン。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の兄弟機種。Yoga 6は、やや軽くなって1.39kg。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」が14インチでやや大きめの1.55kgに対して、「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は1.39kg。持ち運ぶには重たいですが、その分、「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方が素材が良くなったりバックライトキーボードが付いてきたりと、品質の良い位置づけとなっています。
Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD) | Flex 5 Gen 8 14型(AMD) | |
---|---|---|
大きさ | 13.3インチ | 14インチ |
液晶 | WUXGA sRGB 100% 1920 x 1200 |
2.2K sRGB100% 2240 x 1400 |
WUXGA sRGB 50% 1920 x 1200 |
||
重さ | 約 1.39kg | 約 1.55kg |
素材 | アルミニウム+ファブリック | 樹脂製 |
機能の違い | バックライトキーボードあり | バックライトキーボードなし |
生体認証 | 指紋、顔 | 指紋 |
値段 | ¥126,791 | ¥98,881 |
※価格は記事アップ時点、Ryzen 5 7530U、メモリ16GB、512GB、Officeなし同士での比較。
2023年からはFlex シリーズが高解像度+広色域の2.2K液晶が選べるようになっています。もちろんお値段が上がりますが、それでも12万円前後です。
対する「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は全機種、sRGB 100%の色鮮やかな広色域液晶ですが、高解像度になることはなく、通常のWUXGAまでとなります。
Flexの2.2K液晶はまだ見ていませんが「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」のWUXGA液晶を見ていると、これで十分満足できる方は多くいらっしゃると感じます。それくらい綺麗な液晶です。
ペンは両機種同じものを採用しており、筆圧検知4096段階、傾き検知なしです。YOGAのペンをFlexに。FlexのペンをYOGAに試してみても問題なく使えました。つまり同じペンを採用しています。
ボディは「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」だけを見ていた時には、特に樹脂感を感じないものでしたが、「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」を改めて手にしてみると、その完成度の高さ。品質の良さ、違いが良く分かります。
値段はやや上がりますが、その分の価値を納得させてくれるシリーズです。写真を見て頂くと分かりますが、樹脂製の場合、天板に手脂が付きますが、ファブリック素材なら当然付きません。
タッチパネル搭載の360度裏返るコンパーチブルモデルの13インチ。ペンも同梱。
通常通りのノーパソコンスタイルで使うことはもちろん、180度広げて回りに見せることや、L字型、テント型にして動画コンテンツを見るのに適した形で楽しむことができます。
また、タッチパネルにペン(筆圧感知4096)のデジタルペンが付属してきますので、平置きにしてメモ書きに便利です。特に最近のOfficeアプリは直接書き込めるようになっているので、原稿に校正を入れる際にも役立ちます。
タブレット型にしても使えますが、1.39kgは少々重いです。イラストや漫画を描く際には、ショートカットを多用する人が多いと思いますので、通常のノートパソコンスタイルのまま使うのがオススメです。ただ、その場合には背面を固定しておけるついたてのようなものが必要になるなど、幾つか気を付けた方が良い点があります。
※詳しくはペンの描き心地について、の項目をご覧ください。
アスペクト比は流行の16:10、画面占有率90%。sRGBカバー率100%のIPS液晶
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は16:10液晶になっており、旧来の16:9液晶よりも縦に広く使えます。4サイドナローベゼルで、コンパクトな機体の割には13.3インチとは思えないような広さです。
縦スクロールが基本となるWEBの世界では調ものがやりやすくなりますし、ワードやエクセルなどの基本的なOffice作業も広めに見えて使いやすいです。
プロセッサーは最新の AMD Ryzen 7000 番台を搭載
最新の7000番台Ryzenですが、構造としては旧来のZEN3(5000番台後半)と変わりません。
パフォーマンスは微増にとどまっていますが、ベンチマークのスコアとは別の部分で実測的にはかなり改良されている部分が幾つもあります。ただ、基本的にはLenovo Vantageの電源設定をエクストリーム・パフォーマンスにした時のものです。パフォーマンス重視の方はそのように設定して使うのがオススメです。
※詳しくは内部性能について、の項目をご覧ください。
ファブリック素材の天板を採用したオシャレなデザイン
これは「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」のみの独特なデザインです。
各メーカー、皮素材や木製など様々なものを採用してきましたが、ファブリック(布)を使ったものも珍しいです。肌ざわりは生地そのものですが、硬い天板に張り付けているものなので、柔らかい布の感触はありません。
個性的なデザインの中にLenovoのロゴが控えめに光る素材を使っていたりと、長い間、使っていて飽きさせない工夫が凝らされています。
※詳しくは外観について、の項目をご覧ください。
その他:ファンクション操作が日本メーカーと違います
Fn キーと最上段のF列を組み合わせて一時的に操作(音量調節や輝度調節機能など)を切り替えるコマンドをホットキーといいます。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の場合、このホットキーが FN キーを押さずに使えるようになっていました。日本メーカーに馴れている人だと、カナ変換時に F7 キーを押しても画面の切り替えメニューが出てきて、迷われる方がいらっしゃるかもしれませんので記載しておきます。
Fn + ESC キーを押すことで切り替えることができます。
ESC キーにランプが点灯している状態の時が、日本メーカーで販売されている通常の操作と同じになります。
ペンの描き心地について
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の描き心地について
色々試したのですが「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」に近い描き心地です。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」より、若干ラグ(描き始めの遅延)がありますが、ほとんど気にならないレベルです。内部性能の項で後述していますが、これはプロセッサーの電力設定が「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」よりも低いために起きているもので、描画速度のグラフ通りです。
どこまでこだわるかという部分ですが、現状の2 in 1PCでは標準的な範囲だと思います。今回は時間の関係でイラストを仕上げてはいませんが、普通に描ける範囲でした。
むしろ良かったのはジッターが「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方が少なく感じたことです。以下、見て頂く通りですが、「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の方が、やや線がヨレます。
これもまた、これくらいなら、と割り切って「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の記事ではイラストを描きましたが「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方が線が滑らかに引きやすかったので、そうした部分にこだわる方なら「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方がオススメとなります(「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」では2.2K液晶を試せていないので分からないのですが、もし、2.2K液晶がジッター少なめの良い液晶だったなら、ラグも少なく最良の選択肢ということになります)。
ジッター比較「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」と「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」
デジタルペンについて
ペン先(芯)の形状やボタン設定
ペン先は強い抵抗があります。フェルトとはちょっと違う感じで、見た目は樹脂製。感覚はゴムのように吸着するような抵抗を与えてくれます。おそらくエストラマー芯です。描き心地がしっかり感じられるのが好みの方にオススメです。
エストラマーなら激しく摩耗することはなさそうですが、描き込んでないのでちょっと分かりません。摩耗する芯の場合、替え芯をどうやって買うのか。情報を得られましたら追記しておきますが、ひとまず、芯の形状を↑掲載しておきます。お持ちの芯が適合しそうなら試してみるのもありですが、自己責任でお願いします。
ペン軸に付いている二つあるボタンをトップバレルボタン(ペン先側)とボトムバレルボタン(後ろ側)と言いますが、初期設定ではトップバレルボタンは消しゴム機能になっていました。クリスタだけでなくMicrosoft Whiteboardでも同様です。
そして、ボトムバレルボタンが設定されていなかったです。あれこれ試したのですが、特に何かに反応している様子がありません。
一般的なLenovo デジタルペンと同様に右クリックになるかと思いきや、右クリックは画面に長押しのように押し付けて離す際に機能します。ところが、この長押し機能はWindowsのデスクトップ画面では確かに右クリックになるのですが、肝心の「クリップスタジオ(ClipStudio)」内では機能しませんでした(ペンではだめですが指タッチ長押しで反応します)。
レイヤー上で右クリックは基本動作ですが、初期設定ではそれらは使えない状態で出荷されています。そのまま使わないようご注意下さい。
ペン設定は「Lenovo Pen settings」から行います。
アプリ一覧の “L” の欄にありますので、辿って入ると、以下のようなウィンドウから一通りの挙動を割り当てられます。もちろん「クリップスタジオ(ClipStudio)」のレイヤー上での右クリックも、使えるようになります。ただ、アンドゥ設定がなぜか機能しませんでした。
予備ペンとして「Bamboo Ink(傾き検知なしの方)」が使えます
色々と試して分かったのですが、こちらの「Bamboo Ink(傾き検知なしの方)」で使えました。タイトルに “Windows10に最適” と書いてありますが特に問題なく。
「Lenovo Pen settings」でボタンショートカットの設定も反映されます。描き心地は初期付属ペンとあまり変わらないように感じました。予備ペンとして良いかもしれません。
外観について
デザイン的な特徴
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」 ダークティールのデザイン
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」はダークティールと呼ばれるこの色合い一択です。深みのある落ち着いた色で、仕事でも私用でも、どの場面でも使えそうです。
素材の確認が取れていないのですが、おそらくアルミニウム合金です(確認取れれば修正します)。安っぽさは感じませんでした。旧機体はファブリック素材を使っていないアルミニウム合金そのものだったので、それに布を張り付けたような感じです。
ペンが同梱しているのですが、一般的なコンパーチブルモデルのようにペンをくっつけておく磁力のあるエリアはありません。また、「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」のようにペンを付けられるアタッチメントもありません。
公称値では、重さ約 1.39kgとなっています。実測ではご覧の通りで、1.381kg。
やはり外見で一番の特徴はこの天板です。硬い天板に張り付いているだけなので布らしい感覚はありまりありませんが、肌ざわりは冷たいボディとちょっと違っていて面白いです。
継ぎ目がどうなっているのかと見てみると、ベゼル(枠)の中に布がぴっちりとはまり込んでいました。
布を使っているので汚れた時にどうするのかと気になる人もいると思います。洗濯するわけにいかないので、コーヒーこぼしたらアウトかと思ったのですが、実は撥水加工を施されています。
水をかけたら弾いてくれたので、すぐに拭き取れば問題ありませんでした。
大きさはA4より、微妙に大きいです。A4用紙の書籍と一緒に持ち運ぶ際には、かさばるものではありません。ただ、重さが1.4kgに近いので、相応のずっしり感はあります。
左右からみるとこのように。
一通りの写真にあるダークティールの鈍い光が高級感を与えてくれます。これは「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」にはなかった点です。
コンパーチブルモデルの定番であるダブルヒンジになっています。ラウンドエッジと呼ばれる丸みを帯びたデザインで、基本的に鋭い角というものがありません。
ヒンジ部に廃熱口があります。
一番熱を持つところですが、高負荷をかける際にタブレット型にして使う時には(そういう機会自体が少ないと思いますが)ここをあまり持たない方が良いと思います。
改めて天板です。光の加減によって YOGA の文字が鈍く光ります。
背面には吸気口がありますが、ゴム足でやや高めにして吸気の空間を作っています。膝上での作業であれば、ここを塞がないよう意識した方が良いと思います。
スピーカーグリルはキーボード両脇に付いているものだけで、背面にはありませんが小さい筐体の割には音は思った以上に良かったです。個人的な感想では「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」と同等か、それ以上に思えました。
機能一覧・カメラやディスプレイ情報など
Webカメラ(約200万画素)
このカメラは顏認証に対応しています。
ディスプレイ上部のインカメラは物理シャッターが付いています。右が開け、左が閉めです。使っていない時に閉めておけば、切り忘れやハッキング対策として安心できます。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は普通のノートPCよりも良いWebカメラを備えています。
一般的には720p(92万画素)ですが、それらと比較した時の見え方ははっきりと変わってきます。
こちらは同日の同時刻に同じライティングの中での比較です。
同時期に販売開始した「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」の写真を比較用として掲載しておきます(Flex 5 Gen 8でも200万画素=1080pのカメラを選択できます)。けっこう違って見えるのが分かると思います。さらに同じ92万画素でも4年前の古いモデルだと、暗くなりがちです。
これらと比較して「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は綺麗に見える良いカメラを搭載しています。
接続口
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の接続口は標準的なものが揃っています。
USB端子(Type-A)は右に2つ。SDカードスロットは micro のみ。HDMIは左側に。
Type-C が付いていますが、Thunderbolt 対応ではないことと、Gen1なので速度がType-A と変わりません。充電接続口として、ディスプレイ出力用として稼働します。
電源ボタンが右サイドにありますので、タブレットモード時などに間違って押さないようご注意下さい。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」ですと、 micro SD ではなくフルサイズのSDカードになります。また、「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方が上位機種と思いますが、その割にはType-C が Gen1 となり、速度は5Gbpsまでとなります。
ACアダプタについて
ACアダプタの型番は「ADULX45YLC3D」、長さは175+95=270cm。重さは307g。定格電力は45Wです。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」が65Wだったのに対し、こちらは45Wとなっており、同じ7000番台のRyzen機ではあっても、ACアダプタは違います。
接続口は利便性の高いType-C です。
PD対応のType-C充電器では、以下、一通りが使えましたが、30W以下だと警告ポップアップが出ます。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の互換アダプタ |
|||
---|---|---|---|
使用 | PD対応 電力 |
メーカー | 商品型番 |
△ | 18W | cheero | CHE-324 |
△ | 20W | AUKEY | PA-F3S-WT(White)、PA-F3S-BK(Black) |
△ | 30W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C2 |
〇 | 45W | Anker | PowerPort Atom III Slim (Four Ports) |
〇 | 65W | Proulx | GAN-65(White)のUSB-C1 |
※ケーブルは全て「Anker PowerLine III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル (0.9m) 超高耐久 60W PD対応」を使用しました。
以下、単ポートで65WのPD給電に対応しているType-C充電器の代表例です。コンパクトで112gで済み、Type-Aの充電口もあるので多用途に使えて便利です。
バッテリー
Youtubeの連続再生時間は、残量20%になるまでが10時間5分で、以後はデフォルト設定の節約モードに入りましたので、動きは極端に悪くなります。そのままで稼働させると、最終12時間20分まで稼働し続けましたが、実利用として使いやすい時間を考えるなら約11時間10分までが現実的なところです(当記事の性能表についてもそのように表記しています)。
かなり長いです。4セルの59Whrあるので、プロセッサー電力を控えめにしていることもあり、駆動時間がかなり伸びる機種です。
※輝度50%で、バランス(IC時)での電力設定にて、ライブ映像を流し続けた時のバッテリーの持続時間になります。
もちろん、輝度を抑えたり、Officeワークでの軽い使い方に終始するようであれば、もっと時間数は伸びます。
充電速度は以下の通り。残量1%時に電源をオフにした後に給電開始した後の%になります。デフォルト設定では特段、早くはなく、一般的な充電速度です。
30分 | 60分 | |
---|---|---|
45W純正AC給電時 | 30% | 65% |
65WType-C PD給電時 | 40% | 73% |
今回は45Wの純正アダプタだったので、他社製のPD対応Type-C 充電器からの速度も記載しておきます。
キーボード
キーピッチ横が19mm、縦が18.6mmとやや狭く、キーストロークは1.3mmです(実測)。
打鍵感はソフトな打ち心地です。縦方向のキーストロークが狭いといっても気になるほどではなく、この程度なら違和感なく普通に使えます。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」がコクン、コクン、という一定の負荷に対して強めに沈み込むのに対し、こちらはどの負荷でも均一な抵抗があります。感覚的な表現でしかありませんが、上品でソフトな打ち心地でした。
気になるところとして、矢印キーは逆T字にはなっていないこと。Enter キーが逆「 型にはなりきれずに長細いことの二点です。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」よりインチダウンしているため、特殊キーが手狭になっています。Enter キーも、Flex より、さらに狭くなっています。
ただ、BackSpace キーの上に Delete キーの鉄板配置は崩していませんし、Ctrl キー と FN キーの逆配置にもなっていませんので、おおむね快適に使えるキーボードです。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」のキーボードはバックライト搭載です。
バックライトは、FN + Space キーで切替えできます。
ディスプレイ:光沢感のある16:10液晶 1920×1200
輝度は245.9cd/㎡と一般的な明るさで、色域はsRGBカバー率が99.8%。Adobeカバー率が77.6%でした。
赤青緑のLUT表示(別名ガンマ補正曲線)を見ると、赤緑がやや強めに出ているようですが、気になる範囲ではありませんでした。色域が広くて鮮やかに見れる液晶です。
高解像度ではないのでキメの細かさは通常通りですが、13インチというサイズでは荒さを感じさせません。
また、縦横のアスペクト比が16:10になっていることで、より表示面積が広がり見やすくなっています。
特にWEBページやExcelでの見え方が変わります。
16:10と16:9の表示の違い(ExcelやWebページなど)
以下は一般的な16:10液晶(1920×1200)と、FHDの16:9、1920×1080ドットとの見え方の違いです。
※長くなるので折りたたんでいます(クリックかタップで開けます)。
※「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」に限らず解像度が同じ16:10の画面であれば同じように見えます。
※フォントの大きさを125%均一での表示です。
視野角の広さ(画像)
次に画像の見やすさ、視野角の広さを確認します。
視野角の広さはIPS同士ではあまり変わりませんが、正面から見た時の色域の違いは一目瞭然です。
内部性能について
今回、アルパカが調べたのは「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」のRyzen 7 7730U搭載機になります。
Windowsの更新が入らない状態で、立ち上げにかかる時間は約16.5秒でした。
Lenovoの機体では Lenovo Vantage と呼ばれている電源設定(スマートパワー)によって、プロセッサーのパフォーマンスを変えられます。
状況に応じた自動調節設定のインテリジェント・クーリング(以後、IC と略)
バッテリーを節約するバッテリー省電力
性能を調べた結果、まとめ
Ryzen 7 7730Uは2023年春に新たに出てきた7000番台の新シリーズですが、従来のZEN3と同じアーキテクチャを使用しています。
様々な計測をしてみると旧来のZEN3であるRyzen 7 5825U あたりと比べて、変わらないか一歩、低い性能という結果となりました。もっとも、これはこの「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」のセッティングによるもので、他機種ではもっと高いパフォーマンスを発揮する筈です。
ACアダプタが45Wであったことからして、もしかして、と思ったのですが、案の定やや低い電力設定でした。
電力設定の違い | ||
---|---|---|
Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD) | Flex 5 Gen 8 14型(AMD) | |
CPU PPT | 25W | 37.5W |
EP時 | PL1:25W | PL1:30W |
IC時 | PL1:22W | PL1:23W |
IC⇔EP切替時 | PL1:22W | PL1:15W |
※CPU PPT=CPU Package Power Trackingの略。プロセッサーに加えてSoCも含めたシステム全体の最大電力を表したもの。
※PL1=Power Limit1の略。Turbo Boost時に安定して動作する時に消費する電力のこと。
元々、AMD Ryzen 7000番台のUプロセッサーはベースが15Wですから低めではあるのですが、各メーカーのセッティング次第ではいかようにも変化します。
先に記事を書いた「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」に関してはEP時のPL1が30Wもあったので、良い挙動の理由として納得できる部分です。対する「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」では、やや控えめな設定で25Wまでです。
モバイル機として見てほしい、膝上での作業でも熱を持たずに快適、何しろ上品な機体、というのを想定してのことだと思います。
この設定の都合上、今回は Ryzen 7 7730U ではあっても、思ったほどベンチマークのスコアが伸びず、むしろ、Ryzen 5 7530U に及ばないこともあったのは当然の結果となりました。むしろ、電力を抑えられていながら Ryzen 5 7530U とほぼ変わらない数値を出しているのですから、善戦していると言えます。
そういった意味では、パフォーマンス重視の方はタッチパネル付きを考えるなら「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」のRyzen 7 7730U を選ぶのが最適で、真の実力はその組み合わせでないと発揮されないのだと思います。
それらを踏まえてグラフを見て頂きたいのですが、基本的な傾向は同じ7000番台の Ryzen 5 7530U と同様です。
今回も「クリップスタジオ(ClipStudio)」の挙動を確認したのですが、AMD Ryzenが最も苦手としていたオートアクションが一気に改善されています。アルパカが計測した中ではRyzen中では最速で、Ryzen 5 7530U と変わりません。Intel Core の方が早いと言えば早いのですが、それに肉薄するほど良い速度です。この辺りは7000番台共通の良い部分です。
漫画原稿の立ち上げなどは、電力が絞られているのにRyzen 5 7530Uより早かったので、潜在的な性能はやはり上なのだと思います。その他、原稿の立ち上げや描画速度なども素晴らしかったのですが、Ryzen 5 7530U より微妙に遅れるという結果になりました。
ただ、グラフィック性能は発揮しやすいようで、「3DMark Night Raid」ではRyzen 5 7530Uより一歩良い結果となりました。
旧来のRyzen同様、Officeワークでもパワポが苦手なのは変わらずです。特に電源設定が落ちた時のバッテリー駆動になると弱くなります。PDF出力があまり得意でないのも変わりません。
他、Excelなどの重たいオフィスワークでは、第12世代Core『アルダーレイク(Alder Lake)』には敵いませんが、30万行の関数計算で9秒フラットという好成績に。これならExcelワーク中心の仕事でも十分に役立ちます。元々が電力を絞られている都合もあるので、バッテリー駆動時にIC設定で計測しても10.6秒なら外出先でもExcel作業の速度は落ちなさそうです。
ただ、ネットブラウジング(WEBXPRT3)の速度差を見ると、やはり良くない意味での Ryzen らしさは残ります。バッテリー駆動時でのネット速度の減衰は大きく、ネットを使った作業を外出先で行うなら、極力Type-C 充電器とセットで持ち歩きたいところです。
※掲載しているグラフ内の濃い緑バーがIC時、明るい緑バーがEP時となっています。
CinebenchR23
Single Core 1413 pts
Multi Core 9153 pts
Adobe や Office の実測時間
※108枚のRAWデータをJpeg変換するのにかかる時間を計測。
※約5分間の軽い編集を加えた動画をH264(YouTube 2160p 4K)の書き出しをした際にかかる時間を計測。
※128000回分のVLOOKUPと、184000回分のSUMIFS(3つの条件)を一度に計算させたときにかかった時間を計測。
※スライド200枚をコピーした際にかかる時間を計測しました。パワポの場合、クリップボードに取り込むよりも張り付ける方が負担が大きいので、そちらのみの計測です。
※50.5MBのダミー商談資料スライド200枚をPDF出力にかかる時間を計測しました。
インターネットの速度(WEBXPRT3)
主要三大ブラウザ(Chrome と FireFox と Edge)で、それぞれのAC電源あり最適なパフォーマンス時と、バッテリ駆動バランス時での速度を計測しています。
180あれば遅いとは感じなくなり、200でまあまあ。250で快適。300ならタイトなレスポンスを気にする人にもオススメできる即応性が手に入ります。
電源あり時なら素晴らしい挙動で、ここは電力設定が多少、低くなっていても Ryzen 5 7530U を超えます。ただ、AC電源なしのバッテリー駆動時になると、やはり動きが極端に悪くなるのは避けられず、たとえEP設定にしても4%の速度アップに留まりました。その程度の速度アップなら無理にEP設定にはせず、速度が落ちてもバッテリーを温存するためにも固定電源のない場所で使う際ではIC設定で使った方が良さそうです。
※以下、その他計測した内容になります(クリックかタップで見れます)。
ストレージ
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」と同じ速度かと思ったら、こちらの「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の方が一歩早い数値を出せました。読み込みで3000台後半、特にランダムアクセス4Kが早くなっているのは体感した速度が上がりやすくて良いと思います。
大容量でもほとんど速度低下は見られません。
なお、512GBのストレージで購入した場合は以下の通りです。425GBが自由に使えますので、ローカルにデータを溜め込みたい人でなければ、すぐに使い切るようなことはなさそうです。
「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」搭載 Ryzen 7 7730Uの高負荷パフォーマンス推移
レノボ Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD) | ||
---|---|---|
AMD Ryzen 7 7730U エクストラ・パフォーマンスモードパフォーマンス時 | ||
平均 | 最高値 | |
周波数 | 2,810.2MHz | 3,536.4MHz |
電力量 | 19.9W | 29.9W |
温度 | 71.3度 | 87.0度 |
駆動音 | .0dB | .0dB |
ピークの温度で87度と、かなり余裕のある熱設計です。
先に記載しているように、電力量を抑えた設定のため本来の Ryzen 7 7730U のパフォーマンスを引き出す挙動ではありません。
EP時には3.4秒後にトップ1%の周波数に達しますが、10秒以内で巡航速度に落ちます。
気になったのは7分弱の頃から徐々に電力量が絞られていることで、併せて周波数も1500Hz以下に下っていきます。7分もの高稼働をこの機体で行うこと自体があまりなさそうなので問題にはなりませんが、できればもう一歩、パフォーマンスを引き出せる設定にして欲しかったと思います。
バッテリー駆動のIC時では、トップ1%の周波数に達するのに約12秒かかるようになります。もちろん、普通に使って問題なく使える範囲ですが、やはり設定内容からしてパフォーマンス重視の人が選んではいけない機種です。
ファンの音は 40dbくらいでした。これは図書館で使うことができる範囲の駆動音ということです(アルパカの部屋は雑音だらけで計測機器を使うことができません。おおよその目安とお考え下さい)。
機体外側の温度推移
アイドル状態の際に30度弱、10分経過で37度です。熱くなるのはモニター下部右側ですから、不快感はありません。ただ、タブレット状態の時に廃熱口を塞ぐよう持たないようお気をつけ下さい(高回転している時のみ)。
背面は30度→41度に上がりますが、一般的なノートPCのもので気になる熱さではありません。膝上での作業でも問題ない範囲と言えます。
室温10度の時に調べています。
価格とラインナップの一覧
固定構成モデル
キャンペーン名 | Lenovo Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD) 2023年モデル・固定構成 |
|
---|---|---|
初期OS | Lenovo Yoga 6 Gen 8 – ダークティール(Ryzen 7) | Lenovo Yoga 6 Gen 8 – ダークティール- 3年保守保証サービスセット |
プロセッサー | Windows 11 Home | |
グラフィック | Ryzen 7 5825U | |
メモリ | AMD Radeon グラフィックス | |
ストレージ | 16GB LPDDR4X 4266MHz (オンボード) | |
カメラ | 512GB (M.2 2280, PCIe-NVMe) | |
プライバシーシャッター | IR & 1080p | |
ディスプレイ | あり | |
無線通信 | 13.3型 WUXGA・タッチパネル・光沢・IPS 液晶 (IPS 300nit sRGB100%) 1,920×1,200 |
|
生体認証 | インテル Wi-Fi 6 Bluetooth ver5.2 |
|
質量 | 指紋認証 | |
バッテリー | 約 1.39kg | |
リリース | 約 21.7 時間(実働11時間15分) | |
Office | 2023年1月21日 | |
Officeなし | 83B2002VJP | 83B2002VJPS004 |
¥114,840 | ¥137,610 | |
Officeあり | 83B2002UJP | 83B2002UJPS005 |
¥134,860 | ¥157,630 | |
保守保証 | 1年間 引き取り修理 | 3年保守保証、引き取り修理 |
その他 | 4 セル リチウムイオンバッテリー (59Wh)、45WのACアダプタ、キーボードバックライト。Lenovo デジタルペンを同梱。 IWSハードウェア国際保証サービス。 |
※価格は全て税込、送料込みの表記です。
※2023年5月27日現在の価格にて表示しています。
※納期は流動的に変動します。リンク先のページにてご注文の前にご確認下さい。
※バッテリーはJEITA2.0にて表示していますが、構成内容により差異が出ます。
※このシリーズには光学ドライブと有線LANが搭載していませんので、項目を割愛しています。
※直販モデルの場合、カスタム選択項目は割愛しています。Lenovoの場合、カスタマイズすればするほどコスパが悪くなると思った方が良く、カスタマイズしないと手に入らない内容でない限りは、上記の初期構成のまま買うのがオススメになります。
Lenovo Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD) 2023年モデル・固定構成 |
|||
---|---|---|---|
キャンペーン名 | Lenovo Yoga 6 Gen 8: フルカスタマイズ | Lenovo Yoga 6 Gen 8: スタンダード(Ryzen 7) | Lenovo Yoga 6 Gen 8: エントリー(Ryzen 5) |
初期OS | Win11 Home or Pro | ||
プロセッサー | Ryzen 7 7730U Ryzen 5 7530U |
Ryzen 7 7730U | Ryzen 5 7530U |
グラフィック | AMD Radeon グラフィックス | ||
メモリ | 16 GB(固定) | 8 or 16 GB | |
ストレージ | 256GB 512GB 1TB |
256 GB 512 GB 1TB |
256GB 512GB |
(M.2 2280, PCIe-NVMe) | |||
カメラ画素数 | IR & 1080p | ||
ディスプレイ | 13.3型 WUXGA・タッチパネル・光沢・IPS 液晶 (IPS 300nit sRGB100%) 1,920×1,200 |
||
無線通信 | インテル Wi-Fi 6 Bluetooth ver5.1 |
||
生体認証 | 指紋認証 | ||
質量 | 約 1.39kg | ||
バッテリー | 約 21.7 時間(実働11時間15分) | ||
リリース | 2023年1月21日 | ||
Office | Microsoft Office 2021 Home and Business (Office選択時のみ) |
||
Officeなし | 83b2cto1wwjp4 | 83b2cto1wwjp2 | 83b2cto1wwjp3 |
¥175,120 ¥175,120 |
¥131,010 ¥127,688 |
¥97,900 ¥95,524 |
|
その他 | 4 セル リチウムイオンバッテリー (59Wh)、45WのACアダプタ、キーボードバックライト。Lenovo デジタルペンを同梱。 1年間 引き取り修理。IWSハードウェア国際保証サービス。 |
※価格は全て税込、送料込みの表記です。
※上段の価格は従来価格。下段は2024年5月27日現在の価格にて表示しています。
※納期は流動的に変動します。リンク先のページにてご注文の前にご確認下さい。
※バッテリーはJEITA2.0にて表示していますが、構成内容により差異が出ます。
※このシリーズには光学ドライブと有線LANが搭載していませんので、項目を割愛しています。
※直販モデルの場合、カスタム選択項目は割愛しています。Lenovoの場合、カスタマイズすればするほどコスパが悪くなると思った方が良く、カスタマイズしないと手に入らない内容でない限りは、上記の初期構成のまま買うのがオススメになります。
最後に・まとめ
まとめますと、「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」の残念な点としては、
・電力設定が控えめ。Ryzen 7000 番台のパフォーマンスを出し切れていない。
・13.3インチとしては重めの1.39kg。
の二点。
逆に良い点としては、
・ファブリック素材を含めたボディの質感が良い。
・ジッター少なく、描き味が良い。
・バッテリー駆動時間が長い。
の三点となりました。
「Flex 5 Gen 8 14型(AMD)」より軽いとはいえ、1.39kgの重さは持ち運ぶ機会が多い人にはオススメしずらく、たまに持参する、という範囲に留まると思います。いつも案内する基準で言うなら、週に一日以上、持ち運びに使うようだと、もっと軽い機種の方が良いです(ここは筋力と体力次第です)。
電力設定控えめにより、パフォーマンスが発揮しきれていないのは残念な部分でしたが、7000番台としての特性は変わらないので、やっぱり「クリップスタジオ(ClipStudio)」との相性は良いですし、電力絞られていても Excelに関しては、Ryzen 5 7530U 以上の性能を発揮できているのが嬉しいポイントです。
ただ、やはりバッテリー駆動時の挙動は弱くなるので、ウェブ検索を含めての外出先でのレスポンスを気にされるようであれば、Type-C のPD充電器も一緒に持っていく必要があると思います。また、固定電源がある環境下でも、パフォーマンス重視の方は避けた方が良いかもしれません。
ですが、そうした電力設定の都合もあって、バッテリーの保ちは非常に良いです。Youtubeの連続再生時間から類推した実用的な時間数で11時間を超えるのは、アルパカの計測では初めてだと思います。
1.39kgの重さやパフォーマンスの低下を許容できる方なら、駆動時間で見れば「Yoga 6 Gen 8 13.3型(AMD)」は最適な解と言えます。
気になる点としては、そうした電力設定のためかどうかは分かりませんが、USBメモリ(Type-A)を抜き差ししている際に、しばらくの間、画面がブラックアウトすることが数回ありました。電圧の負荷がかかったのに耐えられなかったのかもしれません。数回起きた後に症状は出なくなっているので、個体差かもしれませんが念のため付記しておきます。
良い点としては、ファブリック素材を含めた質感の良さ。ラウンドエッジや画面の綺麗さも含めた総合的な完成度の高さは、この価格帯の 2 in 1 としては頭一つ抜きん出ています。
また、パフォーマンスを抑えられているとはいえ、多少のラグが出ても描き味自体は素晴らしくて、特にジッターが少なめだったのは嬉しいポイントでした。
速度早く描かない人なら、ラグよりジッターが少ない方が良いでしょうから、そうした描き心地を重視する絵師の方に。または絵を描かずとも、高パフォーマンスを必要としない一般的な事務作業を中心に使われる方にはオススメのモデルです。
コメント