新年、明けましておめでとうございます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
早いもので、このサイト『パソコン選びのコツ』はいよいよ6年目に突入しました。
丸5年以上を続けて思うのは、とかく物の価値や状況の移り変わりの激しさです。
コロナの例を見るまでもなく、いきなり世の中が一変することがあります。
いつもでしたら、パソコン買うならいつぐらいにしたら良いのか、という話題を中心に新年記事を書くのですが、年々、不安定な要素が積み重なってきており、昨年同様「パソコンを買うなら早ければ早いほど良い」というのがアルパカの答えです。
第14世代Coreってどうなの?
『ラプターレイクSリフレッシュ(Raptor Lake-S Refresh)』と『メテオレイク(Meteor Lake)』
ひとまずPCブロガーとして気になる目玉情報は、やはり毎年のように更新され続けている Intel Core の新製品、第14世代Coreです。
デスクトップ向け第14世代Core 『ラプターレイクSリフレッシュ(Raptor Lake-S Refresh)』
ノートパソコン向け第14世代Core 『メテオレイク(Meteor Lake)』
年を追う毎に複雑化してゆくアーキテクチャですが、今回はデスクとノートで分かれたコードネームまで付いて余計に分かりづらくなりました。
まず、2023年の10月頃から出てきていたデスクトップ向けCPUですが、13世代Coreのリフレッシュ版なので、実は13世代Coreとあまり違ってないという…。すでにレビュワー達がいまいち感を出していますが、14700Kだけコア数が増えているものの、気になるのはそのくらいで、もし、13世代Coreにして価格が安くなるならそちらの方がコスパは良いかと。
注目はノートPC向けCPUの方で、Intelが「過去40年間で最大の変革」という毎年のようにある派手な謳い文句と共に登場です。言い方はともかく実際に色々と盛りだくさんの内容となりましたので、以下にまとめてみました。
ノートPC向けの『メテオレイク(Meteor Lake)』が凄いっていう話
・「Core i」⇒「Core Ultra」へ
・「インテル Iris Xe グラフィックス」⇒「Arcグラフィックス」へ(Hプロセッサーのみ)
・低消費電力版E-core(LP E-core)を搭載
・モバイル向けの種類分けとしてHプロセッサー(PBP:28W)とUプロセッサー(PBP:15W)に分かれた
・AI専用プロセッサーのNPU(Neural Processing Unit)を搭載
第14世代Core『メテオレイク(Meteor Lake)』はこれらの特徴を備えています。
「Core i」⇒「Core Ultra」へ
従来までの Core i が Ultra に置き換わります。色々と理由はあるようですが、どうもしっくりこないものばかりだったので理由は省きます。ともあれ753の並びで松竹梅は変わりませんが(3はまだ情報が出ていない様子)、その上に9が来るのも変わりません。
ただ、Core Ultra 9 になると、同じ並びにはなっても、ベースパワーが変わるので、事実上のHXに近い位置づけになりそうです。
Core Ultra は上位モデルと下位モデルに分割されており、上位が「Core Ultra 5/7/9」下位が「Core 3/5/7」となります。
ブランド名として第○世代とは今後呼ばないそうです。と言いましてもー。
販売元の Intel がいくら言っても、消費者や紹介するこちら側としてはすっかり馴染んだ言い方ですからね。おそらくネットの世界では今後も第○世代として分かりやすく紹介され続けることになるのだと思います。
「インテル Iris Xe グラフィックス」⇒「Arcグラフィックス」へ(Hプロセッサーのみ)
毎回、世代交代する度にグラフィック性能が上がりました! と紹介するのは決まり文句ですが、今回は本当に変わりました。
「Arcグラフィックス」を搭載することでAV1のエンコードにも対応した「Xe Media Engine」を搭載しています。これは今までH.265形式が主流でしたが、扱えるコーデックそのものが変わるので、取り扱いの速度が上がった形式に対応=これからの主流ファイルを扱えるようになった、という意味合いが大きいです。
他にもAIアプリケーションや機械学習を高速化するために設計された専用のAIアクセラレーションとして機能するので、ゲームプレイやAI活用にも恩恵があります。
ゲーム性能で言うならザックリ性能ではGTX1650クラスのグラフィック性能がある、と言われています。
CPUでできるゲームの幅が広がったり、クリエイターが受ける恩恵が大きいので、そうした専用の使い方を軽量モバイルでできるようになる意味は大きいです。
低消費電力版E-core(LP E-core)を搭載
第12世代Core『アルダーレイク(Alder Lake)』の頃から特性の違うPコアとEコアの双方を組み入れたプロセッサーとなっていましたが、今回はここに「LP E-Core(”Low Power Island E-Cores” の略)」、というのが入りました。
例えるなら、それまで短距離走選手と長距離走選手のツーマンセルだったものが、第14世代Core『メテオレイク(Meteor Lake)』になったら、より省エネタイプである競歩の選手が加わりスリーマンセルになったようなものでしょうか。
名前の通り、LP E-Coreは電力を徹底的に抑えた稼働が得意です。というより、それまでの13世代Coreまでのバッテリー駆動時間を調べても、実は大して伸びてはいませんでした。Eコアがあるからと期待していた人はガッカリしていたものですが、今回はそんなことはありません。
第14世代Core『メテオレイク(Meteor Lake)』は、はっきりとアイドル時の消費電力を抑えられる、と Intel は明言しています。これは移動して使う、使って移動する、というストップ&ムーブの使い方を主とする外回りのビジネスマンなどが恩恵を受けやすい、ということです。
モバイル向けの種類分けとしてHプロセッサー(PBP:28W)とUプロセッサー(PBP:15W)に分かれた
今までの13世代Coreまでは
性能低:電力低 U < P < H 電力高:性能高
第13世代Core『ラプターレイク』 | ベースパワー | コア数 |
---|---|---|
Hプロセッサー (ハイパフォーマンスノート) |
45W | P-core:4~6 |
E-core:4~8 | ||
Pプロセッサ (パフォーマンス優先モバイル) |
28W | P-core:4 |
E-core:8 | ||
Uプロセッサ (低消費電力モバイル) |
15W | P-core:2 |
E-core:8 |
となっていましたが、今回はUとHのみに分かれました。13世代Coreまでの感覚で「HだからPよりも上だろう」と思っていたら序列としてはPの位置だった、なんてことがないようご注意下さい。
性能低:電力低 U < H 電力高:性能高
第14世代Core『メテオレイク』 | ベースパワー | コア数 | |
---|---|---|---|
Hプロセッサー (パフォーマンス優先モバイル) |
Core Ultra 9 | 45W | 6 / 8 / 2 |
Core Ultra 7 | 28W | ||
Core Ultra 5 | 4 / 8 / 2 | ||
Uプロセッサー (薄型モバイル) |
Core Ultra 7 | 15W | 6 / 8 / 2 |
Core Ultra 5 | 2 / 8 / 2 |
※P / E / LP Eコア
AI専用プロセッサーのNPU(Neural Processing Unit)を搭載
最後の特徴がコレです。
NPUとは”Neural Processing Unit” の略で、それまでは外部GPUに依存していた膨大な行列計算をAI専用の計算ユニットをCPU内部に組み込むことで、CPU内で全て完結できるようになりました。
昨今ではchat GPT が有名になりましたが、あれはクラウド上で稼働するものなので関係はありません。
関わるのはローカル環境に落としたAIアプリで、例えば「stablediffusion」でAIイラストを描かせようとしたり、「Windows Studio Effects」というTeamsに組み込まれているAI処理させる自動補正(オンライン会議中に話し手の視線が、相手の顔を見て話しているように感じる補正する)などが対応しており恩恵があります。
Intelの公式発表ではおよそ倍近くの速度を出してstable diffusion での推論処理をさせていながらも、消費電力が4分の1で済むとのことです。
そうは言ってもあくまでもCPUの中での機能です。これでAIイラストがガンガン生成できるほどではないと思います。もちろん作成はできるようですが、AIイラストは現在では失敗確率が多すぎて100枚作って一枚、使えるのがあるかな、くらいです(作成方法によって感覚の差はあると思います)。
仮にGTX1650で100枚を生成させようとするとどれほどかかることか…。今のところは打率が悪すぎるので、結局、主力として使うには至らず、エンコーディングのクリエイト機能やゲーミングとしてのグラフィック機能の強さにスポットライトが当てられそうです。
この手の問題はハードウェアが整備されても、それを活用できるソフトウェアの少なさにあるわけで、今のところ実用的な使い方は先のTeamsの補正機能などに留まっている段階です。
ただ、 Intel とMicrosoft は仲良しこよしですから、おそらく今後は独立したAI開発などで面白いアプリが出てくるのではないかと思います。
AIの進化はどこまでか、2024年のロードマップ
2024年のPC業界
2024年前半 第14世代Core『メテオレイク(Meteor Lake)』から市場投入
2024年5月以降 Wi-Fi 7がドラフト版からに正式な規格としてリリース予定
2024年後半 AMD Ryzen 8040 シリーズがリリース予定
2024年後半~2025年前半 第15世代 CPU『Arrow Lake』がリリース予定
PC業界に直接関わる技術的なものはこの4つだと思います。
Intel Core の話ばかりしてきましたが、AMD社もクアルコム社もそれぞれAI処理できるプロセッサーは持っています。というよりIntel の方が後発です。
現行のRyzen 7040U上位モデルのGPU「Radeon 780M」も、かなりのグラフィック性能は有しており、実際にアルパカも試してみて、その快適さに驚きました。軽めのクリエイティブ作業とはいえ、それなりの重たい作業はあるわけで、そうした時にももたつきなく作業をすすめられます。
近年はシェアをガンガンに伸ばしてきたAMD Ryzen ではありますが、Ryzen 7040シリーズに搭載されている「Ryzen AI」というNPUも同等性能と言われており(Intel社は現行のRyzen 7 7840U よりCore Ultra 7 165H の方が11%も早い! と言っていますが、いつものことです。TOPSはあまり変わらないので性能は僅差でしょう)、そういう意味では次のRyzen 8040シリーズがどれほど性能を伸ばしてくるかの方が気になります。
Ryzen 8040 シリーズはNPUがかなり強化されるという噂です。それがどれほどのものかはまだ分かっていませんが、さらにそれを見越した 第15世代 CPU(Ultra Coreの第二世代)『Arrow Lake』が控えている、という両者一歩も引かぬ展開です。
こういう話をすると、「じゃあRyzen 8040 シリーズを待ってからがいいでしょうか」とか「15世代を待ってから?」という声を頂くことがあるのですが、それを言い出すときりがないというのが本音です。
時間を置いて値段が下がる、下がったら次のを出す、を繰り返している中で、コスパよく買い物をするなら、下がりきった時を買うか、出てきてあまり間が空いていないフレッシュな時期にある程度下がったら買うか、の二択が良いと思っています。
もちろん、新しもの好きな人は発売当初からでも良いと思いますが「40年に一度の技術革新!」と言っても、人間側の使い方がそうそう変わらない以上、革新的に使いやすくなることはあまりありません。ただ、どの世代でどれくらいの性能差があるのかを踏まえた上で、性能差と価格差のバランスを見て決めるのが良いと思います。大差ない性能差で旧世代が安くなっているのを選ぶとか、新しいものの性能が大幅に向上していることが分かれば、そちらにするとか。そういう意味でアルパカの記事や動画がお役に立ってくれると嬉しい限りです。
AI技術は続くよどこまでも?
先の 第14世代Core『メテオレイク(Meteor Lake)』でAIに触れましたので、ついでにこちらの話題にも。
2024年元旦時には500ドルを付けようかという勢いで上がっているNVIDIA社の株価です。
Microsoftが支援しているChatGPT、イーロンマスクが対抗しているTruthGPT、Google が開発しているBard、AI開発者の引き抜きも含め、競争が激化している時代の最先端です。
しかし、今の段階ではAIに対する規制がユルユルの状態です。世界から求められている演算能力は常に上がり続けているのに法整備がまったく追い付いていません。正直に言えば危険な状態だと思っています。
アルパカはイラストを描く方なので、自分の手で描きつつ stable diffusion でAIイラストを生成もします。自分で描いて、PCに描かせてと両方やって両方とも面白いのですが、あくまでも個人レベルでの話です。
これが人生をかけるようなプロレベルの話になったら、と考えると果たしてこれでいいのか、と感じます。
クリップ社が「クリップスタジオ(ClipStudio)」での画像生成AI機能を公表しつつも速攻で取りやめたのは英断だったと思います。
手作業でなければ出せない味、温かさ、描き上げるまでのストーリーは確かにあるわけで、それを模写したところで模写は模写です。
ただ、商業的には人件費をかけずに一定のクオリティを製造できれば良いケースは多いでしょうから、そういう意味では歯止めを効かせるには難しいテーマだな、と思います。
人間は自らの欲で自らを滅ぼすのか。これはそういう話ではないかと。
仮にもし全てのイラストをAIが制作できるようになったとしたらどうなるでしょうか。次の新たなイラストの画風の生み手である人間のクリエイターはいなくなります。人が本当の意味で創作することがなくなってしまいかねない。
クリエイターの職が危機を迎える、というのももちろんありますが、人から創作活動を取ってしまったら、それはあまりにも寂しい話です。情熱を傾けられる文化は残していかないといけないと思います。
そういう意味では、アルパカはPCの性能をできるだけ正確にレビューはしますが、AIの進化には警鐘を鳴らします。弱小サイトのブロガーごときが言ったところで先なき話だとは思いますが、それでも書きたくもなります。
そして、もう一つお伝えしたいことがあります。それは2024年は様々な意味で危機的状況を孕んだ年でもある、ということです。
アルパカは日本の緊急事態条項に反対します、WHOのパンデミック条約にも反対します
これは日本人として。人として言わせて頂きますと、超危険な緊急事態条項が5月以降に国会を通されかねないという水際です(リンク先は分かりやすい動画になっています)。同時期にWHOのパンデミック条約も創設に向けて議論されています。
パンデミックが計画されたプランデミックであることはもう多くの人が気づいている話です。EU議会で「WHOはテロ組織として宣言されるべきだ」とミスラフ・コラクッシチ議員が発言したのは多くの人が頷くところでしょう。
これらの法案に対して、アルパカは明確に「No」です。このような法を通してはいけないと思っています。しかしながら、SNSではプロトコルが改変されており、反ワクチン派の意見は推進派が見れず推進派の意見は反ワクチン派が見れません。真っ先にTVで取り上げないといけないニュースでは一切触れずにいます。見えない壁を作られた状態の明らかな言論統制です。
PCの性能がどうとか言っている場合ではなく、今を守らなければいけない瀬戸際だという話です。
ここはアルパカの小さな離れ小島のようなレンタルサーバーです。発信力は限られています。それでも未来の危機を目の前にしてPCの記事ばかりを書くことは間違っていると思い、ここに記載しておきます。
他にも色々あります。アルパカがなぜ5Gをオススメしないのか。ノードの数が今までの9000倍を超えると何が起きるのか。
年始のご挨拶にはふさわしくないと思いますのでこの辺にしておきますが、もし皆様が、皆様のご家族が、これからの子供たちの未来に危機を感じて頂けるようであれば、一人一人が調べ、考えて頂けませんでしょうか。
現在のTwitterは玉石混淆ではありますが、有用な情報の宝庫です。ですが、先の話の通り反対意見の情報はタイムラインには出てきません。そのため、何も発言しない閲覧専用のアカウントを作成して調べるのがオススメです。
まずは知って頂くことが重要だと思います。
今年、2024年もよろしくお願い致します
新年早々、石川県の能登半島沖で大きな地震での幕開けとなった波乱の2024年です。いつなんどき、何が起きるか分からない世の中です。何が正しいことか、何が間違っていることか。オーソリティの高い人がこう言ったから、TVでこのニュースが流れているから、とかではなく。一人一人が考えて頂くきっかけになればと思い記載しました。
新年にはふさわしくない内容にも触れましたが、気持ちを切り替えて、この一年間を皆様と共に良い年にできるよう精一杯、PC関連情報を発信してまいりたいと思います。
レビュー機撮影背景用にと、100円ショップで買ってきたテーブルヤシは、最初10cmもありませんでした。それが今や30cm以上です。少しの声でも上げ続け、人の目に触れ続ければ未来が大きく変わることもある。時間的な余裕はありませんが、アルパカはバタフライ効果を信じています。
昨年はレビュー機を貸して頂けることになっていたメーカー様、ASP会社様には、急な出張によりご迷惑をおかけしてしまいましたが、それでもまた貸して頂けることは本当にありがたい限りです。
このテーブルヤシのように大きく育っていけるよう頑張ります。
多くの応援頂いている方たちからの声、分かりやすいというありがたい声、時に厳しい声を栄養に育てていきたいと思います。
引き続き2024年も何卒、お付き合い頂けますようよろしくお願い申し上げます。
2024年元旦 「パソコン選びのコツ」管理人 アルパカ
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