最新のAIテクノロジーで最高峰の没入体験を ——–
そんな打ち出しと共に東京駅KITTEの1階にできた新製品の発表会会場に行ってきました。
今回はDell のポップアップイベント「WELCOME TO THE ZONE」の内容をご紹介したいと思います。
Dellの新製品発表会「WELCOME TO THE ZONE」ってどんなもの?
Intel CPU の最新世代、Core Ultra はNPUというAI専用プロセッサーを搭載し、対応するAI作業の処理速度を上げてくれます。
このイベントの趣旨は、そうしたAIを活用した新たな作業効率を可能にするDellの製品アピールです。
ZONEに入っている時の人間の状態をAIに描かせてみたら、で、この男女の画像が出来上がったそうです。最新CPUを搭載したDellのPCなら、ゲームにしろ、仕事にしろこのようなZONEの状態になれる、、のかもしれません。
ちなみにアルパカは会社の仕事の合間を縫って会場に足を運びました。
これも業界人としてのたしなみ。決して仕事をサボろうとかではなく、あくまでも最新情報収集のためです。仕事ですよ、仕事。
受付でお世話になっているASP会社の方に挨拶を済ませ会場に入ると、中央にあるドライビングシミュレーターのドライバーズシートと『Assetto Corsa(アセットコルサ)』がありました。これ、かなりリアルにできておりゲーム内で出てくる名前もすべて本物というこだわりのゲームです。
残念ながら抽選に外れたアルパカは試すことができませんでしたが、横からプレイしている画面を見ているだけでも迫力がありました。
発表会での説明
発表会が始まると、Dell のコンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部の方たちが登壇して、色々と説明してくれました。とても書ききれないので、アルパカ的に気になったところをかいつまんでまとめます。
法人向けの Vostro シリーズがなくなり、個人向けの Inspiron に統合
まず、法人向けの Vostro シリーズがなくなり、個人向けの Inspiron に統合されます。理由は煩雑だったから。
少しばかりの組み合わせが変わるだけで似たようなシリーズが乱立してゆくのは、Dellに限った話ではなく、大きくなったメーカーはどこも経験するようです。消費者目線で見ると、似たモデルばかりだと選びづらく、シンプルに統廃合してくれた方が分かりやすくなって良いです。
ここにはWindows11 がTPM2.0を入れなきゃダメよルールを発布している都合もあると思います。要するに、個人と法人の違いがあまりなくなってきて、個人向けでもディスクリードTPMを入れたのならセキュリティ的に法人と変わりないじゃん → なら統合した方がいい。勝手な想像では、そうした流れがあったのではないかと思っています。
ともあれ、個人向けの Inspiron シリーズは以下に集約されることになりました。
New Inspiron 14 2in1 14インチのタッチパネル付きコンパーチブルPC
New Inspiron AIO 一体型デスクトップPC(AIOとはAll in Oneの略)
New Inspiron SFF 省スペース設計の小型タワー型PC(SFFとはSmall Form Factorの略)
New Inspiron MT 一般的なサイズのミニタワー型PC(MTとはそのものMini Towerの略)
最新のCore Ultra と Copilot キーの搭載機種が出てきます(XPSとか)
Copilot キーとは、ローカル上の演算だけで応答、生成が可能な Copilot AIを呼び出せるキーのことです。Dellではプレミアムシリーズである XPS に配置されます。
このキーがないとCopilot 機能が使えないのかというとそんなことはなくて、最新バージョンにアップデートしたWindows11なら、Windos キー + C のショートカットで同様に呼び出せます。
ただ、新しいキーが追加されると、それに応じたショートカットも出てくるのが常です。それらを見越して言うなら、Copilot 機能を細かく活用するにはキーのある機体の方が良いでしょうから、本格的に使用頻度を高くするかどうかが、Copilot キー搭載機を選ぶかどうかの切り分け方になると思います。
Core Ultra と Core Uシリーズ1 について、ざっくり性能比較
ここでノートPC向け最新世代の Intel Core (Core Ultra と Core Uシリーズ1)の性能について触れておきます。
※以後、Core Uシリーズ1 = Core U と略。
この記事を書いている2024年3月現在では、まだサンプル数が少ないのですがおおよその目安にはなると思います。
Core Ultra は7nm、Core U は10nmの製造プロセスにあたり、Core Ultra ではパフォーマンスコア(Pコア)と高効率コア(Eコア)、の他に省電力(LP Eコア)が搭載されます。
13世代coreまで使われていたアルファベットナンバー P はなくなりますが、イメージとしては13世代 Coreまでの U<P<H がそのまま下記に置き換わったものですから、選び方の基本は変わらない筈です。
一般のご家庭用途や軽い事務作業ならCore U で良いでしょうし、ハードワーカーや重たい作業が多くなるようなら Ultra U に。ゲーム用途やがっちりのクリエイティブ作業用なら Ultra H になります。
性能低:電力低(15W) Core U < Ultra U < Ultra H 電力高:性能高(28W)
Iris Xe < Intel Graphics < Arc GPU
※「Intel Arc GPU」はHのデュアルチャネルのみで対応。
プロセッサー種類 | ベースパワー | コア数 (Pコア / Eコア / LP Eコア) |
---|---|---|
Core Ultra Hプロセッサー (ハイパフォーマンスノート) |
28W | 4~6 / 8 / 2 |
Core Ultra Uプロセッサー (パフォーマンス優先モバイル) |
15W | 2 / 8 / 2 |
Core Uプロセッサー (一般向けモバイル) |
15W | 2 / 4~8 |
ただ今回はここにNPUという独立したAI向けコアが入ってきます。
AIの深層学習向け機能である Intel Deep Learning Boost 自体はCore U にも入ってきますが、ここもCore Ultra と仕様が分けられているので、やはりコストの差に見合う分だけAI処理の速度にも差が出そうです。
AIイラストを生成しない人には関係ない…ということはなくて、Microsoftが推している使い方に意味があります。
多くの人が使っているMicrosoft 365やBingに連携して使えるので、Officeアプリでの資料作成などに役立ちます。記事アップ時点での2024年3月段階では、まだ整備中の感は否めませんが、Microsoftの構想通りなら、検索、生成、資料の作成、文章のまとめ、関数の組み立て、それらを総合したアプリの遷移などを補佐してくれるようになります。
いちいちブラウザを開かなくてもOfficeアプリ内から調べることができますし、それも検索した各個ページから必要な項目を抽出しつつ、資料に組み入れてくれます。こうした、人間側に都合の良い作業環境になってゆくのがNPUの役割の核たる部分です。これらは今の段階では数値化できる類のものではなく、今Core Ultra を選ぶなら将来性を買うという意味合いが強いです。
そのため一般的なプロセッサー性能として紹介しますと、グラフにある通り、Core Ultra 9 185H はシングル、マルチ、どちらも高くてバランスが取れていて強いです。
コスト優先の Core U(オレンジ色線1本)ではコア数の少なさもあり、マルチコアは大したことはありません。従来CPUよりやや強いくらい。しかし、シングルコア性能は同世代のCore Ultra を抑えて軒並み上位に位置します。
つまり、AIでの挙動の良さを求めないなら Core U であっても、十分な性能があります。コスト優先のプロセッサーでは、ご家庭向け、軽い事務作業向けと相場が決まっていますが、だからといって使いづらいほど性能が低いのかというとそんなことはなく、これはこれで細かい作業の切り替えが早くて快適なCPUと言えます。
もちろん、メーカーの電力設定次第でいかようにも変わりますから、シリーズ毎に調べてみないとはっきりしたことは分かりませんが、少なくとも下馬評では安心してBETできるだけの数値が見て取れます。
それらを把握頂いた上で、それぞれの新製品にどのプロセッサーが搭載されているのかをざっと見ていきたいと思います。
個人向け Inspiron シリーズの新製品
一通りに “New” の文字が付く Inspiron シリーズですが、一番の目玉となるのはDellの中でも最もよく売れていた Inspiron 14シリーズの後継です。
New Inspiron 14 5440
New Inspiron 14 5440 | ||
---|---|---|
Core 5 120U Core 7 150U |
メタルシャーシ | |
CPU | Core i3-1305U Core i5-1355U |
プラスチックシャーシ |
メモリ | 8 ~ 16 GB | |
お値段 | 74,800円~ |
14インチの代表格「New Inspiron 14 5440」です。
Core U を搭載しての登場となりましたが、13世代Core搭載モデルとの併売となります。
値段を抑えている都合もありますが、13世代core搭載モデルだとプラスチック筐体になるのが、ちょっと残念なところです。ただ、会場にあった Core 5 120U 搭載の筐体を触った感じでは、あまりチープさは感じませんでした。
New Inspiron 16
こちらはまだ発売前でプレスリリースのみしている段階の「New Inspiron 16」です。展示されていたのは Core 7 150U の搭載機でした。
従来までのテンキーレスの16インチ仕様と違い、テンキーを入れたモデルになっています。
キー配列はあくまでもグローバル仕様なので、日本語キーボードだとどうなるか分かりませんが、おそらく従来の15インチシリーズに近いものになるのだと思います。
一体型デスクトップの Inspiron
一体型の Inspiron シリーズです。大きさが二種類に分かれており、本体上部からポップアップされるワイド ダイナミック レンジ対応の5MP(500万画素)カメラが特徴です。実際、カメラの写り具合は素晴らしく綺麗でした。
今しばらくは Core i5-1334U 搭載機との併用販売です。
New Inspiron 24 5430 AIO
New Inspiron 24 5430 AIO | |
---|---|
CPU | Core 7 150U Core 5 120U Core 3 100U Core i5-1334U |
メモリ | 8 ~ 16 GB |
お値段 | 105,900円~ |
New Inspiron 27 7730 AIO
一体型の Inspiron シリーズの大きい方です。24インチとの価格差はあまりないので、置き場所が許されるならこっちの方が良い気がします。
New Inspiron 27 7730 AIO | |
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CPU | Core 7 150U Core 5 120U |
メモリ | 8 ~ 16 GB |
お値段 | 126,900円~ |
プレミアムノート XPSシリーズの新製品
Copilot キーがついたNew XPSシリーズは、そのAI機能を生かすためにCore Ultra シリーズを搭載しているのが特徴です。メモリも最大で64GBまで搭載可能という、ハイエンドらしい仕様となっています。
また、サイズの違いはありますが、いずれのXPSシリーズでも、左右のインターフェイス(接続口)はType-C(Thunderbolt 4 対応)のみで、完全に割り切った造りです。
キーボードがフラットで、タッチパットも段差のないシームレスタッチパッドになっていますから、どこから見ても凹凸がありません。無駄を省いたシンプルさを求める人の美意識を満足させる逸品です。
New XPS16 9640 laptop
「XPS 16」はパワフルなスペックでクリエイティブな用途に向いている16インチの大型サイズです。ゲームだけでなく、動画作成などでも役立つRTX 4070を選べます。
New XPS16 9640 laptop | |
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CPU | Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H |
メモリ | 16 ~ 64 GB |
GPU | RTX 4050 ~ 4080 |
お値段 | 319,980円~ |
New XPS14 9440 laptop
「XPS 14」はサイズとスペックのバランスに優れたモデルです。持ち運びしやすいサイズでありながらRTX 4050まで搭載可能です。
New XPS14 9440 laptop | |
---|---|
CPU | Core Ultra 7 155H |
メモリ | 16 ~ 64 GB |
GPU | インテル Arc ~ RTX4050 |
お値段 | 275,980円~ |
New XPS13 9340 laptop
「XPS 13」はXPSの中でも薄型軽量で最も持ち運びしやすいモデルです。グラボこそ搭載できないものの、最大でCore Ultra 7 155H まで搭載可能です。
New XPS13 9340 laptop | |
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CPU | Core Ultra 7 155H Core Ultra 5 125H |
メモリ | 16 ~ 64 GB |
GPU | インテル Arc |
お値段 | 229,980円~ |
ゲーミング Alienqare シリーズの新製品
Alienware シリーズでは、「New Alienware m16 R2」と「New Alienware x16 R2」の二種類を新製品としてリリースしました。
「New Alienware m16 R2」と「New Alienware x16 R2」
New Alienware m16 R2
「New Alienware m16 R2」はヒンジ背面の排熱口の出っ張りがなくなり、4cmほど奥行が短くなります。
16インチほどの大きさであれば、持ち運ぶ人は少ないと思いますが、多少、動かしたり、占有される机の面積を小さく抑えたいと思う人は多いと思います。そうしたニーズに答えながらAlienware Cryo-tech でどこまで排熱できるのか。実機を手にすることができる機会がありましたらレビューしたいと思います。
New Alienware m16 R2 | |
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CPU | Core Ultra 7 155H Core Ultra 5 125H |
メモリ | 16 ~ 64 GB |
GPU | RTX 4050 ~ 4070 |
お値段 | 295,980円~ |
New Alienware x16 R2
加えて「New Alienware x16 R2」では、m16よりも一歩強めの性能を選択可能です。
こちらは旧来機種同様、ヒンジ背面の排熱口部分を残した形状のため、より強く熱を逃がすことができます。机の面積を広く取られても構わない、その代わりパフォーマンスが欲しい、という人に向いています。
ちなみに兄弟機種の「Alienware x14 r2 laptop」がそっくりのデザインをしていたので、参考までに掲載しておきます。
New Alienware x16 R2 | |
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CPU | Core Ultra 9 185H Core Ultra 7 155H |
メモリ | 16 ~ 64 GB |
GPU | RTX 4060 ~ 4090 |
お値段 | 379,980円~ |
ゲーミングディスプレイ、4Kの有機EL(OLED)
会場には幾つかの大型ディスプレイがあったのですが、特に「Alienware Aurora R16」に接続されていた「モニターAW3225QF」の美しさに目を奪われました。世界初となる、4Kの高解像度でありつつも有機ELディスプレイ(OLED)という組み合わせです。
Alienware 32 4K QD-OLED ゲーミングモニター – AW3225QF
OLEDなので当然ではありますが「モニターAW3225QF」の色域の広さと黒の深さが素晴らしいです。視野角が広くて、真横に近いところから見ても色が褪せません。「Display HDR True Black 400」を備えつつ、湾曲した32インチの大画面。それでいて4K(3840×2160)の高解像度で細部までボヤけがありません。リフレッシュレートは240Hz。
こうした高解像度で画質の良いディスプレイは「ホグワーツ・レガシー」や「サイバーパンク2077」のような造りこまれた世界観を楽しむゲームに向いています。この画面なら没頭できる時間を濃厚なプレイ時間とできるでしょう。
記事アップ時点では税込159,800円。
Alienware 27 360Hz QD-OLED ゲーミングモニター- AW2725DF
もう一つの有機ELディスプレイ(OLED)、27インチモデル「モニターAW2725DF」も展示されていました。
QHD(2560×1440)もあれば充分、スペース的に32インチはちょっと大きすぎる、という人はこちらです。先ほどの32インチ4Kが横幅約70cm。27インチのこちらが横幅約59cmで、その差は約11cmに。
「モニターAW2725DF」のリフレッシュレートは360Hzですから、解像度よりも動きの良さに比重を置く方はこちらの方が良いと思います。
記事アップ時点では税込113,800円。
終わりに
最新ガジェットは楽しいですね。使いこなすことさえできれば本当に便利になりそうです。
会社に戻る時間になりましたので残念ながらこの辺りにしたいと思います。会社の仕事をAIに任せられたらいいのに、と思いつつ。もっとも、そんなことしたら人間は仕事がなくなるな、とも感じつつ。
ひとまずAIがアルパカの仕事を奪うまでは、あくせく働きながら合間に好きな記事を書くことにします。
目まぐるしく進化する AI 時代に乗り遅れないために、これからも皆様のPCをしっかり調べてレビューしていきたいと思います。
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