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VAIO FL15、いよいよRyzen搭載で8万円以下から登場

15インチ以上16:9 液晶国内PCメーカー製品情報

VAIOから初となるRyzen搭載機種が登場しました。

VAIOブランドは好きだけどS15は値段が高すぎる。

そう考えていた方にお考え頂きたいノートPCです。

画像をクリック、またはタップで購入ページに飛びます

VAIO FL15の特長と位置づけ

位置付け(最大の特長、7万円台から購入可)

VAIOブランドはレッツノートに次いで国内メーカーとして高い品質を保っているメーカーです。それだけにお値段も高くなっており、平均単価は20万クラス。

ご家庭用の安価モデルでも15万前後から。キャンペーンが入れば別ですが、それでも相応の値段にはなります。

15.6インチではS15が人気ですが、デスクトップ用のCPUを搭載しているため、RAWの写真を扱う人にはオススメできるものの、一般向きではありませんでした。

今回、登場したFL15はまさにそうした穴を埋めるために投入されたモデルです。

記事アップ時点では、価格は7万円台後半からとなっており、Officeが付いても11万円(税込)でお釣りが来ます。

VAIOにしては異色の内容となりましたが、コストカットの内容が以下、特長に現れています。

 

特長一覧

・プロセッサーはRyzen 3 4300U搭載機種のみ。選択箇所はOSとOfficeのみ。

・店頭モデルのないVAIOオーダーメイド限定。だが、Amazonでは販売窓口あり。

・VAIOにしては珍しく中国生産、ただし最終チェックは国内、安曇野。

・キーボードの押し心地は浅め(ピッチ1.0mm)。

・あちこちコストカットされている(指紋認証、顏認証、プライバシーシャッターなど)。

・追記:その他、画面の綺麗さはいまいち。VAIO独自のアプリが入っていない、など。

・プロセッサーはRyzen 3 4300U搭載機種のみ。選択箇所はOSとOfficeのみ。

VAIO FL15 のプロセッサーシール、Ryzen 3 4300U

筆頭の特長がこれです。

Intelの Coreシリーズしか扱っていなかったVAIOですが、いよいよRyzenが搭載となりました。

Intelでいう i7、i5、i3 の七五三の並びがそのまま松竹梅という処理速度ですが、Ryzenでも同様の並びで Ryzen 7 、Ryzen 5  、Ryzen 3 の序列で性能順です。

今回搭載されているのは、この Ryzen 3 で、”梅” に位置します。それも一つ世代が前のものになりますので、あまり性能は高くありません。

ですが、ご家庭用として「難しいことはしない。重たい使い方はしない」という方はかなりの割合いらっしゃいます。ネットの調べもの、ワードやエクセルなどのOffice系。SNSやブログにアップするJpegの写真加工。音楽の管理など。それら一般的な用途なら、今回搭載されている Ryzen 3 でなんら問題はありません。

注意点としては、ZoomやTeamsでの使用では、背景をぼやかしたり、他の背景に変更するオンライン会議は Ryzen 3 4300U では止めた方が良いです。この辺りの使い方は、そこそこ重たい作業になり、Zoomが公開しているバーチャル背景のグリーンバック背景にする際の Ryzen でのサポートで「AMD Ryzen 5/7/9 以降」と明記されています。ZoomでダメならTeamsも同様と考えられるため、アルパカはオススメしません。

一般的なよくあるお使いで難しいのはそれくらいのもので、その他では大体、快適にお使い頂けると思います。

FL15の実機で試してみたところ、Windowsの立ち上げにかかる時間は約10秒。デスクトップ画面が出るまでに11秒かからなかったので、この辺りは売れ筋の第11世代Core『TigerLake』にPCIe接続のSSD搭載機種とほぼ同格でした。普通に使うには十分な立ち上がりです。

作業量が多くなって幾つものウィンドウを開きつつもタイトなレスポンスを求めるならもっと性能が上のものをオススメします。そうでないならRyzen 3、IntelならCore i3でお役に立ちます。

また、プロセッサーが Ryzen 3 固定となっている通りですが、この機種は選択肢の幅が狭いです。選択肢は機体の色、OS、Officeの三か所のみ。それだけコストカットしたわけですが、しかし、その割には色は三色選べるというのがデザインにこだわるVAIOらしいです。

 

・VAIOオーダーメイド限定だが、Amazonでの販売窓口あり。

今回の機種はDynabookでいうところの「PZシリーズ」と同様にオーダーメイドオンリーの販売になるそうです(今のところは。方針が変わるようでしたら、修正追記します)。

こうしたオーダーのみに絞るモデルの方がコストを抑えやすいようで、今回の価格を実現したのもその辺りが理由のようです。

とはいえ、Amazonでの出店はしており、窓口としてはこの二つです。AmazonでのVAIO販売も初となりますので、色んな意味で異色の登場となりました。

 

・VAIOにしては珍しく中国生産、ただし最終チェックは国内、安曇野。

安曇野の工場ではRyzenの生産ラインはありません(最新情報は仕入れていませんが、変わっていなければない筈です)。おかしいなと思い調べたらやはり中国生産でした。

VAIOは今まで安曇野フィニッシュにこだわっていたので、ここは残念なところです。しかし生産地を中国にしておきながらも、国内の安曇野に移動させた後で最終チェックを日本人の手で行っているそうです。そういう意味ではフィニッシュだけ安曇野なので、これならVAIOの品質を保ったままコストを抑えることもできそうです。

 

・キーボードの押し心地は浅め(ストロークは1.0mm)。

実際にタイピングをして試しましたが、他のVAIO機種に比べて浅めです。たぶん、VAIOの中では一番浅いのではないかと思います。ピッチ(キーの中心から隣のキーの中心まで)が約19.05mmと広々しています。

それでも打鍵感は悪くない感じで、強く打ちたい人には向いていませんが軽く打ちたい人にはオススメできます。

VAIO FL15の白キーボード

VAIO FL15の黒キーボード

見て頂くと分かるように、テンキーが三列仕様です。また、矢印キーの左右が大きいので空間を持たせた逆T字にはなっていません。そのためブラインドで矢印キーを操作するのに慣れている人にはオススメできません。他、CapsLockキーやNumロックにランプは付きませんので、どこまでロックがかかっている状態なのかを細かく把握したい人には向かない、などの難点があります。

あとはキーボードバックライトも非搭載ですので、暗がりで操作する用事が出てきそうな方はUSBライトとセットで考えるか、別の機種を考える必要があります。

それ以外ではおおむね使いやすい配置だったので、これらの細かい部分を気にしていない人には申し分ない使い心地だと思います。

なお、アルパカはシルバーの機体にはまだ触れられていませんが、写真で確認できるように下地の色とキートップが別の色になっているのはシルバーのみです。

キートップの視認率を上げたい方はシルバーがオススメとなります。

VAIO FL15のシルバーキーボード

 

・コストカットの部分がもろもろあり(指紋認証、顏認証用カメラは非搭載、プライバシーシャッターなし)。

先のキーボードや中国生産の点でもお分かり頂けると思いますが、この機種はコストカットの末に生まれました。今までのVAIOコンセプトとは真逆を行き、かなりの部分がカットされています。

その一つとして認証センサーがカットされています。顏認証用のIRカメラもそうですが、指紋認証センサーもありません。

基本的にWindowsロック解除にはパスワードかPINコードを手入力する必要があります。

 

・追記:その他、画面の綺麗さはいまいち。VAIO独自のアプリが入っていない、など。

機器を使って計測したわけではありませんが、改めて複数台を見てみると、ディスプレイの綺麗さがいまいちだと思いました。

S15などと比べると一目瞭然で、おそらく色域は狭いと思います。

また、VAIO独自の電源管理アプリなどを含めて、VAIOならではのソフトウェアも入っていないので、基本的に中身はVAIOではなく、完全に海外生産品と思った方が良いでしょう。

 

デザインについて

三色カラー

VAIO FL15の三色

白、黒、シルバーの三色展開となっています。VAIOロゴはいずれもシルバーとなっており、開いた時にややキーボードがせりあがって斜めになる、リフトアップヒンジはやはり健在。デザイン的にはS15をもう少しスマートにしたような感覚です。

FL15-ホワイト

FL15-シルバー

FL15-ブラック

まだ確認は取れていませんが、天板やパームレストの素材は樹脂製のようでした。ただ、肌触りはそう悪いものではなく、この価格帯で買えるものとしては上々です。

個人的には黒が格好良かったです。ブラックエディションのようなたたずまいがあります。

VAIO FL15のキーボード拡大

 

接続口と重さについて

VAIO FL15の接続口

USB (USB 3.0) が左右に一つずつ。

HDMI出力が右に一つ。

USB Type-Cはthunderboltには非対応のようです。ですが、Power Delivery(急速充電用接続)、DisplayPort(ディスプレイ出力)に対応しており、大容量のデータ転送には向いていませんが、拡張用、充電用として活用できます。

また、このモデルはディスクドライブ非搭載です。その分、軽く作られており、重さは約1.85kgとなっています。

性能表

VAIO FL15 の性能表と選択肢

VAIO FL15
※リンク先はVAIO(株)の購入窓口です。
カラー ■ブラック、シルバー、□ホワイト
OS Windows10 Pro / Windows10 Home
プロセッサー Ryzen 3 4300U
2.4/4.2GHz<4C8T>
PassMark 9,861
グラフィック AMD Radeon Graphics(CPU内蔵)
メモリ 8GB / 最大8GB
ストレージ SSD 256GB(NVMe)
ディスプレイ 15.6型ワイド(16:9)、非光沢液晶
FHD 1920×1080
無線通信 IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax
Wi-Fi 6準拠
セキュリティ 顏認証なし、指紋認証なし
質量
約1.85kg
バッテリー 約7.5時間
(実働予想4.5時間)
リリース 2021年9月28日
Office
(選択可)
Office Professional 2021
Office Home & Business 2021
Office Personal 2021
WPS Office 2 Gold Edition
WPS Office 2 Standard Edition
期待価格 ¥ 79,200~
特長 光学ドライブなし。LAN接続口なし。

※価格は全て税込、送料込みの表記です。
2021年9月29日現在の価格にて表示しています。
※納期は流動的に変動します。リンク先のページにて表記されていますので、ご注文の前にご確認下さい。
※バッテリーはJEITA2.0にて表示していますが、構成内容により差異が出ます。
その上で、実働予想時間を6割として表記しています。
※このシリーズには光学ドライブと有線LANが搭載していませんので、項目を割愛しています。
※VAIO FL15の場合、最初から「VAIOパソコン3年あんしんサポート」が選択された状態になっています。1年保証にすることでコストを抑えられます。

 

Officeの選択肢について

迷いやすい部分として、Officeの選択肢について以下にまとめました。折りたたんでいますので、クリックかタップでご覧になれます。

オフィスソフトの選択肢について

Accessまで必要な方は「Office Professional」を。パワポは不要でワードとExcelまでで良ければ「Office Personal」を、お選び下さい。

Officeに関して、FL15では2021年バージョンを選択できます。2021年の新Officeになると、Excelで便利な関数が増えた他、インク機能を使って後追い動作を再生させられる機能なども追加されました。

また、「KINGSOFT WPS Office 2 Standard」とは、マイクロソフトとは別の、KINGSOFT社の中国製Officeのことです。互換性は高いのですが、若干の使い勝手が違いますので、毎日のようにOfficeを使いたい方、マクロを使いたい方、グラフの色合いやフォントなどの違いを気にされる方は、WPSは避けた方が無難です。同様に「Gold Edition」はWPSの最上位としてVBAが使えたり、不足しがちなフォントがもう少し追加されていたりします。

MS OfficeとWPS Officeの違いはこちらの記事にて説明しています。

 

保証とサポートについて

この機種はサポートが最初から「VAIOパソコン3年あんしんサポート」が選択されていますが、特にサポートや保証が必要でないなら1年にしてコストを抑えての購入がオススメです。

もちろんVAIOの保証、サポートは手厚いので、その点を買うなら延長するのも悪くない選択肢です。

保証の選択について

ここもまた今までのVAIOとは違った点です。

今までは高額商品に対して無料で、または格安で3年保証を付けられることが多かったです。この機種では真逆になっており、始まりの金額を安くしつつ、保証がそれなりの高額な選択肢となっています。もっとも、高額といっても15,000円くらいなら他社では一般的な値段です。

 

VAIO購入のための二種類の窓口について

記事アップ時点では、FL15 の購入窓口はVAIO株式会社のみです。

My Sony ID をお持ちの方は、Sony側から購入したくなるところですが、今回は残念ながらVAIOからしか購入できません。

電話で確認したところ、今のところFL15はSony側での販売予定はないそうです。方向転換してSony側でも販売するかもしれませんので、念のため以下、Sony側の購入窓口も置いておきます。

VAIOとSony、両方の購入窓口について

ちょっとややこしいのですが、VAIOはSonyから離れて別法人になったため購入窓口が別れています。どちらから買っても同じ型番であればほぼ同じ金額になるのですが、若干VAIOの方が安くなることが多いようです。

VAIOとSONYそれぞれが会員登録のIDを発行しており、概ね同じキャンペーンが走るのですが、細かい部分が違うことがあります。どちらが得かどうかは、その時のキャンペーン次第です。

扱う商品としてはSonyはプレイステーションを始め、カメラやウォークマンなどラインナップが幅広いですが、VAIOは逆にPC関連に特化したラインナップが厚いです。

例えばVAIOでしか扱っていないような 独自SIM の販売や、SONYでは品切れになっているレッドエディションが、VAIOでは販売継続していたり。今回はそこにFL15も加わって、VAIO窓口でなければ買えないものが増えた、というわけです。

どちらでも売っている商品を買う場合、簡単な切り分け方として、Sony製品を今後買うつもりがあるのかどうかで見ると良いです。Sonyが大好きならMy Sony ID へログインしてのご購入を。

特にSony製品にはこだわりはないけど、VAIO のパソコンは欲しい、と言うVAIOファンなら VAIO ID へログインしてからのご購入が、長い目で見てお得になります。

 

まとめ

コスパの良い機種を探せば幾らでもあります。聞いたことのないメーカーから、有名な海外大手まで様々です。

この機種はVAIOブランドではあってもVAIOらしからぬ内容となっています。旧来のVAIOファンに言わせれば「こんなのはVAIOではない」と辛口な意見も耳にします。ただ、お財布事情というのは人により様々です。

指紋や顏での認証不要、プライバシーシャッターも不要。VAIOお得意のインターフェイス全付けができているわけでもない。それでもVAIOのロゴと手厚いサポートの安心感は欲しい。そして、何より安く抑えたい。

そうした方に考えて頂きたいA4ノートPCです。

 

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