いつの時代も小型で持ち運びしやすいモデルは、軽量化され、ロングバッテリーが求められます。
HDDからSSDへと、ストレージが進化したように、モバイルPCも記憶ドライブに合わせて薄く軽くなりました。
しかし、どの業界にもニッチなユーザーというのは存在します。
その昔、ガラケー全盛期にメーカーが1gでも軽くしようと工夫していた中、ユーザーは大量のストラップを付けて重くしていたのですから、開発者と使用者の思惑は違うものになりがちなのかもしれません。
今回は…
・多少、重たくても小型サイズでドライブ付きがいい
・バッテリーが取り外し式じゃないと、いざって時に困る
こうしたユーザーに合わせた光学ドライブ付きモバイルPCをご紹介します。
法人名義でダイレクトモデルをご購入される場合、特に領収書が発行されるかどうかを気にされる方が多いと思います。
多くの直販パソコンでは、領収書代わりとして使用できる証明書を発行しています。
ダイナブック(旧東芝ダイレクト)も「出荷納品証明書」というのを商品と一緒に送付できます。
こちらをクレジットカードの明細書などと一緒にすれば、ほとんどの会計処理は通ります。
手順としては、注文完了後に出てくる受注番号を「DynaBookあんしんサポート」に連絡して、そのように希望を伝えれば良いだけですので簡単です。
どうしても「領収書」でなければいけない場合。
支払い方法をコンビニ払いなどにして頂ければ、支払ったコンビニ店の領収書として受け取ることができます。
また、法人窓口からご購入いただけると、支払い方法が「カード一回払い、または銀行振り込み」のどちらかしか受け付けられませんが、それで問題がなければdynabook(株)発行の「領収書」を出してもらうこともできるようになっています。
Dynabookのドライブ付き新機種『RZ53シリーズ』
2019年8月現在、RZ53シリーズというモバイル機がDynabook Directから発売されました。
店頭モデルではR3という名称です。
旧東芝時代にリリースされていたRZ73や83シリーズの後継にあたります。
実はDynabookではこの光学ドライブ付きモデルを廃止する方向で調整していました。
しかし、販売員達から「光学ドライブ付きモデルは無くさないで欲しい」という要望があったと聞きます。
あまり目立たない機種なのですが、他のモバイルPCにはない魅力があります。
※同シリーズなら外観は変わりません。
RZ53シリーズ(光学ドライブ付きモデル)
シリーズ名 | RZ53/J 2019春Webモデル 13.3型 |
|
---|---|---|
カラー | ■ブラック |
|
OS | Windows 10 Home 64 bit | |
CPU | intel® Core™ i7-7500U<2C4T> 2.70GHz最大3.50GHz :PassMarkで5170 |
intel® Core™ i5-7200U<2C4T> 2.50GHz(最大3.10GHz) :PassMarkで4620 |
メモリ | 16GB / 最大16GB (8GB×1)空きスロット×0 |
8GB / 最大16GB (8GB×1)空きスロット×1 |
増設 | 交換・増設可能。 |
|
ストレージ | SSD 512GB | SSD 256GB |
光学 ドライブ |
DVDスーパーマルチドライブ | |
ディス プレイ |
非光沢13.3型W FHD 1,920×1,080(IPS液晶) |
|
グラ フィック |
intel® HD 620 (CPUに内蔵) | |
無線通信 | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(Wi-Fi準拠) / Bluetooth® Ver4.2準拠 | |
LAN | 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T | |
質量 | 約1.42kg | 約1.41kg |
バッテリー駆動 | 約14.0時間 | |
接続口 | マイク入力/ヘッドホン出力端子×1、USB3.0×3 、 RGB(15ピン ミニD-sub)×1、LAN(RJ45)×1、HDMI×1 |
|
セキュ リティ |
指紋センサー、 TPMセキュリティチップ(TCG Ver2.0準拠) |
|
Office | Office Home and Business 2019 (Office 搭載モデルのみ) |
|
型番 | PRZ53JB-SND |
|
Office なし 期待価格 |
¥135,080 | ¥95,480 |
詳細型番 | PRZ53JB-SEA | PRZ53JB-SED |
Office あり 期待価格 |
¥153,780 | ¥113,080 |
特 徴 | Win 10 Homeの場合はこちらになります。 |
※価格は全て税込表記です。
※2020年5月14日現在での会員価格と納期にて表示しています。
※納期に関して「最短 翌営業日出荷」ができますが、型番により変わります。
また、土日祝祭日と棚卸期間の営業停止日は出荷できません。ご注意下さい。
※直近の営業日カレンダーはこちら。
光学ドライブを内蔵するため、ある程度は機体に厚みがあります。
かつては、その厚みを利用して大容量HDDを内蔵したモデルもありましたが、軽量、高速化の時流に沿ったSSDモデルのみとなりました。
もっとも、それでいて1.4Kgでは大して軽くもないのですが、「光学ドライブが付いている」ところに価値があります。
加えてバッテリーが脱着式であるところも、一部の人から選ばれる特徴となっています。
シリーズ名 | RZ53/N 2019秋Webモデル 13.3型 |
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---|---|---|
カラー | ■ブラック |
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OS | Windows 10 Pro 64 bit | |
CPU | intel® Core™ i7-7500U<2C4T> 2.70GHz(最大3.50GHz):PassMarkで5158 |
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メモリ | 8GB / 最大16GB (8GB×1)空きスロット×1 |
|
増設 | 交換・増設可能。 |
|
ストレージ | SSD 256GB | |
光学 ドライブ |
DVDスーパーマルチドライブ | |
ディス プレイ |
非光沢13.3型W FHD 1,920×1,080(IPS液晶) |
|
グラ フィック |
intel® HD 620 (CPUに内蔵) | |
無線通信 | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(Wi-Fi準拠) / Bluetooth® Ver4.2準拠 | |
LAN | 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T | |
質量 | 約1.42kg | 約1.41kg |
バッテリー駆動 | 約14.0時間 | |
接続口 | マイク入力/ヘッドホン出力端子×1、USB3.0×3 、 RGB(15ピン ミニD-sub)×1、LAN(RJ45)×1、HDMI×1 |
|
セキュ リティ |
指紋センサー、 TPMセキュリティチップ(TCG Ver2.0準拠) |
|
Office | Office Home and Business 2019 (Office 搭載モデルのみ) |
|
Office なし 期待価格 |
PRZ53NB-SRA |
|
¥114,180 | ||
Office あり 期待価格 |
PRZ53NB-SHA |
|
¥132,880 |
※価格は全て税込表記です。
※2020年5月14日での会員価格と納期にて表示しています。
※納期に関して「最短 翌営業日出荷」ができますが、型番により変わります。
また、土日祝祭日と棚卸期間の営業停止日は出荷できません。ご注意下さい。
※直近の営業日カレンダーはこちら。
RZ53シリーズの長所と短所、お勧めできる使い方
◆長所
◆短所
◆どういった人がどういった場面で必要とするのか
単純に考えて、「今時、1.4kgのモバイル機なんて使わない」という人は多いはずです。
もちろん、一部の人に支持されている、それなりの理由があります。
1.内と外を兼用で使いたい人
1.4kgは持ち運び専用機としては重すぎます。
しかし「ほとんど家で使うけど、たまに外で使いたい」という程度なら、大して気になりません。月に一度くらい。あるいはそれより低い頻度になると、持ち運ぶ人は意外と多いのです。
2.家内メインで使いたいが、部屋が狭い人
個人用途では音楽ディスクからデータを抜きたい人が、ドライブ付きモデルを欲することが多いようです。
外付けのディスクドライブも安価になりましたが、PC周りをケーブルだらけにしたくない人は多いですし、外付けだとたいてい動作や転送速度が遅いので、ディスクの使用頻度が高いようなら内蔵モデルの方が使いやすいのです。
ところが、日本の住宅事情だと「部屋が狭いから」という理由で、15インチを選べないことも少なくありません。
こうした時にこそ、まさにRZ53のような機種が役に立つのです。
また、家が広く、様々な部屋に持って行って使いたいという需要も稀にあるようです。
3.光学ドライブを使うことが必須の仕事
これも少数派ですが、データはディスクでのやりとりのみで行う仕事があります。
セキュリティの関係から、メールやオンラインストレージは使わない。または使えず、常にオフラインでしか使わない企業がかなり増えています。
こうした仕事の場合、DVDディスクなら安価なので、データを受け取った側は、都度、ディスクを割ってしまえば、セキュリティ的にも安心、というわけです。この扱い方だと、USBメモリよりもディスクの方が扱いやすいので、機密情報を扱う方は、毎回、光学ドライブ付きに買い替えるという方もいます。
4.電源供給のない場所で長時間使い続けたい人
そもそも電源が確保できないところでパソコンを使うのか、疑問に思う人もいるでしょう。
海外で先進国ではなかったり、未開の地を訪れる人が買うことがあります。
国内ではソーラーパネルの設置場所を調べる仕事の方が買っていかれたことがありました。人里離れた山間部へ行く為、ポケットWi-fiも繋がらない場所だそうで、もちろん電源なんてありません。せめて車内であればシガーソケットから引っ張れますが、車両で行けない山道を徒歩で長時間行くしかないので、予備バッテリーがないと仕事にならないのだとか。
そういう方は予備バッテリーも一緒に買うことが多く、その時も「これで丸2日は大丈夫だな」と言って5本ほど一緒に買っていかれたました。
5.有事を心配する人
東日本大震災の時、インターネットが繋がらなくなった経験を持つ人はこの点を気にすることが多いです。
無線のネットは一部しか繋がらず、ライフラインが断たれたエリアでは電源の確保さえ難しい状況でした。
そうした中でも長距離を歩いて移動したり、有線、無線どちらでも繋げられることを考えられる機体としては、まさに、RZ53は理想的な条件を整えています。仮に予備バッテリーを買わなかったとしても、ACアダプタは見ての通り小型で軽量ですから、ACアダプタごと持ち運んでも、さして苦になりません。
家族の安全を最優先に考えるパパさんにもお勧めです。
パソコンを販売していると、様々な使用環境を耳にして驚くことがあります。
どんな仕事なのかも話していただけないほどガチガチにセキュリティを気にしている方もいれば、自分は雑誌記者で、インドの奥地に持っていくと言って予備バッテリーを大量買いする人もいました。
ディスクドライブの頑丈さを重視して、キャンピングカーに乗せる、長時間の飛行機移動があるという方にも人気で、タブレットホルダーを補強して無理矢理、車に装着するという変わった方も。
そうした人達にとって、このラインナップが残ったことは朗報でしょう。
採算を考えるPCメーカーは真っ先に切り捨てるところですが、Dynabookは残してくれました。
その心意気を汲んでこの記事をしたためています。
光学ドライブ付きモデルをDynabook、富士通、パナソニックで比較してみる
記事を書いている2019年現在、光学ドライブ付きモバイルPCは、Dynabook、富士通、パナソニックの三社しかありません。
三社三様、それぞれの特徴を兼ね備えており、比較すると以下のようにまとめられます。
メーカー名 | Dynabook | 富士通 | パナソニック |
---|---|---|---|
シリーズ名 | ![]() |
![]() |
|
OS | Home or Pro | Home or Pro | Proのみ |
CPU | 第七世代のみ | 第八世代 | 第八世代vPro |
メモリ | 最大16GB | 最大20GB | 最大16GB |
ストレージ | 256~512GB(sata) | 128~512GB(PCIe) | 256~2TB(PCIe) |
ドライブ | DVDのみ | DVD or Blu-ray | DVD or Blu-ray |
ドライブ方向 | 左から | 右から | 下から |
ディスプレイ | 非光沢13.3型W FHD 1,920×1,080(IPS液晶) |
非光沢13.3型W FHD 1,920×1,080(IPS液晶)~WQHD(2560×1440) |
12.1型(16:10)TFTカラー液晶 WUXGA(1920×1200ドット) |
タッチパネル選択 | × | ○ | × |
指紋センサー | ○ | ○ | ○ |
TPM・セキュリティチップ | ○ | ○ | ○ |
Type-C | × | ○ | ○ |
LTE選択 | × | × | ○ |
バッテリー | 約14.0時間 | Sバッテリー約15.7時間 Lバッテリー約22.8時間 |
Sバッテリー約12.5時間 Lバッテリー約19.5時間 |
重量 | 約1.41~約1.42kg | スーパーマルチドライブ装着時、約1.28kg (タッチパネル選択時は約1.48kg) |
約1.019kg(バッテリーパック(S)(約255g)装着時) 約1.119kg(バッテリーパック(L)(約355g)装着時) |
ACアダプタ (電源コード含む) |
215g | 241g | 320g |
価格 | Officeなし10万弱~ 最高15万円台半ば |
Officeなし15万~ 最高27万円台半ば |
Officeなし25万~ 最高50万円台半ば |
特記事項 | 光学ドライブ付きの中では、最もリーズナブル。
さすがにレッツノートには負けるが、頑丈さはテュフが認めるほど。 コスパを考えれば良い選択肢となりえる。 |
選択肢の幅が非常に広い。ここに記載したものは、あくまでも、増設用のベイを使用していないもの。ベイに増設バッテリーを入れれば、重さは出るが理論上30時間以上も可能(詳細はこちら)。 | とにかく頑丈。全メーカー中で最高の強度を誇る。 しかし、値段も最高。vProのCPUを使っているのはパナソニックくらいのもの。セキュリティ的には最も安心できる。 |
※青は特に優れている部分。赤は特に劣っている部分。
こうして見比べてみると、各社の特徴が分かりやすいと思います。
富士通の選択肢の幅広さはさすがといったところでしょうか。
特に増設ベイを入れ替えることにより、多様に変化する性能は他のメーカーにはない特徴です。
一方でレッツノートは、脅威のSSD2TBを選択できるのを筆頭に、優れている部分が目立ちます。
もちろん特有の頑丈さは随一ですが、コスパの悪さも随一です。
「予算に関係なく良いものが欲しい」というなら、レッツノート一択でしょう。
そして、今回の新製品紹介で出てきたRZ53ですが、目立って優れているものがあるわけではないものの、それを上回るコスパの良さが魅力です。
Dynabookの他のモバイルPCから見たら、RZ53はちょっとだけ高い、という程度です。
しかし、同じ光学ドライブを搭載したPC同士で他社と比較をすると、コスパの良さが一目瞭然。
性能で劣るといってもセレロンになるわけでもないので(店頭モデルのR3は別です)、十分にオススメできる範囲と言えます。
時代は軽量化一直線です。
クラウドシステムで本体の保存容量や光学ドライブなんてほとんど必要なくなってきています。
使用環境が快適であるという条件付きであれば、この流れは変わらないでしょう。
しかし、南海トラフの危険性が伝えられ、日本海にはしょっちゅうミサイルが飛んできています。
有線接続ができないモバイル機。
バッテリー交換ができない、内蔵のシートバッテリー型モデル。
もちろん光学ドライブが付いていない薄型。
有事の際、真っ先に使いものにならなくなるのは、そうした薄くてスマートなオシャレPCでしょう。
時代に逆行しているかどうかに関係なく、信頼ある企業ではヘヴィデューティなモデルが必ず開発されます。
舗装道路が増えたからと言って、オフロード車・バイクがまったく売れないわけではないのと一緒です。
長く使えるものを。
どんな時にも役立つものを。
そう考えている方には、タフで役立つ、ドライブ付きモバイルPC達がオススメです。
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