コスパ良く販売開始されたHPのゲーミング機が登場しました。
ゲーミングとして見ればローエンドですが、一般のノートPCから見ればすこぶる高性能です。
今回は9万円台前半から購入できる「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」をご紹介します。
※この商品は完売しました。多くのご購入をありがとうございました。
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仮に10万円を36回払いにすると、2,777円。欲しい性能、欲しい機種がある。けど高すぎる。そんな時には、このキャンペーンを利用してみるのはいかがでしょうか。
※キャンペーンの終了期間は未定です。終わりを確認次第、リンクを外します。
「HP Pavilion Gaming 15(AMD:2021年)」シリーズの特長
・HP Pavilion Gaming 15シリーズ自体が安価ゲーミングとしてのエントリー向け。
・プロセッサーは Ryzen 5 5600H または Ryzen 7 5800H。
・2021年モデルでは最安9万円台前半からGTX1650搭載。上位ではGeForce RTX 3050 または 3050 Ti搭載モデルが14万円弱から(記事アップ時点)。高コスパゲーミングPC。
・ディスプレイは全モデルのリフレッシュレートが144Hz対応。
・HP Pavilion Gaming 15シリーズ自体が安価ゲーミングとしてのエントリー向け
ハイエンド向けのOMENシリーズに対するエントリー向けのPavilion Gamingシリーズ15インチモデルです。ゲーミングではエントリー向けでも、ローエンドの最安値構成では9万円台ですから、一般的なお使い向けのスタンダードノートパソコンと同様の価格設定です。
ゲーミングと銘打たれてはいても、スタンダードノートで10万円クラスをお考え頂いている方には、同じ価格でオススメできる範囲です。
・プロセッサーは Ryzen 5 5600H または Ryzen 7 5800H
Ryzen 5000シリーズのHプロセッサーを搭載しており、ハイパワーな挙動が期待できます。
パワフルな処理能力を持つ最新世代のHプロセッサーならゲームだけに限らず、普段使いの一般ノートとして。動画や画像の加工編集などクリエイティブワークにも活用できます。
ただ、色域は広くありませんのでクリエイティブな使い方であれば、色合いを気にされない方。もしくは色域の広い外部モニターに繋げられる方にのみオススメとなります。
詳しくは内部性能の項目をご覧ください。
・2021年モデルでは最安9万円台前半からGTX1650搭載。上位ではGeForce RTX 3050 または 3050 Ti搭載が14万円弱から(記事アップ時点)。高コスパゲーミングPC
このシリーズを考えられる方は基本的に値段優先だけどゲーミングが欲しい、という方向けだと思います。
重たいタイトルを動かすのであれば上位機種がオススメですが、なんといっても「HP Pavilion Gaming 15シリーズ(AMD)2021年モデル」の良いところとしては、性能はGTX1650からですが、お値段が94,800円から手に入ります。
重たいタイトルのゲームはしない。でも仕事の合間や週末に「PUBG」や「FORTNITE(フォートナイト)」で楽しみたい、という方にはまさにオススメの割安機種です。
・ディスプレイは全モデルのリフレッシュレートが144Hz対応
ここはゲーミンの名を冠している部分です。
一般のノートPCでは60Hzですが、アクション性の高いゲームをするなら、これくらいあった方が良いという人は多いです。
ゲームのタイトルと設定により必要とされる数値が変わってくるので、基本的に144Hzをフルに使いきるには上位構成がオススメになってきます。
「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」の外観について
シャドウブラック & ゴーストホワイト、という黒を基調にしたカラーリングです。
ゲーミングらしくエッジの効いたデザインですが、派手なライティングがあるわけではなく、あくまでも一般ノートに比べれば、という範囲です。
そのため、一般ユーザーにもオススメしやすいデザインとなっています。

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」シャドウブラック & ゴーストホワイトの天板
全体的にシックなデザインですが、キーサイドに白い部分が目立ちます。
画面を最大まで開くと以下のようになります。
光沢感のないマッドな感じの黒で汚れは目立ちづらいです。
ただ、手の皮脂は表面に付いてしまいやすいので、気になる方はクリーナーでマメに拭くのが良いと思います。
ひんじの内側に廃熱口があります。左右にはないので、高回転させても熱風がマウス操作している手にかかるということはありません。
また、スピーカーグリルが独特のハニカム形状をしていて、こういうデザインが前衛的なゲーミングらしい部分です。
裏側にも吸排気口が付いており、段差により空間を持たせてエアフローを効率的にしています。
大きさとしてはB5サイズ2枚分。
15.6インチは元々、A4ノートと銘打って販売されているものの、それはモニター部分の大きさのことを指しており、筐体自体の大きさを見て頂くと写真の通りです。
接続口について
USBのType-Aが左右にありますが、3.0で速度が速いのは右側のみ。左側は通常の2.0で速度は遅いです。この左側のUSB Type-Aは電源オフUSBチャージ機能が付いているので、電源を入れていない状態でもスマホへの充電ケーブルなどを繋げて給電に利用できます。
SDカードのフルスロットが右側に付いているので、デジカメで撮った写真をそのまま取り入れるのにも便利です。ただ、写真のレタッチ用としては液晶の色域が低いのが難点です。
Type-Cは映像出力には非対応で、PD給電にも対応していません。USB3.0のType-Aと同様の転送速度ですから、Type-Cを使ってデータのやり取りを行うメリットとしてはハブとして拡張しやすい、という点のみとなります。
キーボードについて

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」のキーボード
打鍵感は良いです。
横のピッチが 約18.7mmで、縦が約1.8.4mmとなっており、キーストロークは約1.5mmです。
ストロークが深いので強く打ちたい人には向いていなくもないですが、同様に深いキーストロークの富士通やNECに比べると、キートップがやや不安定に動きます。特段、打ちづらさは感じませんでしたが、ストロークの値だけ見て同様の打ち心地を考える方だと想像とちょっと違うものになるとお考え下さい。
優れていると思ったのは、特殊キーが小さくないことと、矢印キーが逆T字になっており、左右の矢印の上に空間を持たせていることです。これによりブラインドでキー操作が行いやすくなっています。
また、バックライトキーボードにも対応しています。
コテコテのゲーミングのような七色に光るものではありませんが、地味な白色であるためかえって一般ユーザーが使いやすい仕様になっています。この値段でここまで一通りバランスよく揃っているのはオススメしやすいです。
敢えて難点を挙げるならキーランプの類が電源ボタンにしかない点です。NumLock や CapsLock がロックされている状態かどうかはキーボード上の目視では分かりません。この辺りを気にされない方なら問題ないですが、ここを切り替えることが多い人には気になる部分です。
それ以外ではおおむね問題なく使いやすいキーボードだと感じました。テンキーも標準的な四列配置で使いやすいです。
ディスプレイについて
非光沢のFHD液晶、リフレッシュレートは144Hz

HP Pavilion Gaming 15(AMD)の液晶パネル:Color ACの色度図、i1Display Proによる輝度測定、LUT表示
公式では250nitですが、実測での輝度は264cd/㎡でした。一般的な明るさで、色域はsRGBカバー率が66.4%。Adobeカバー率が50%です。
広い色域ではありませんが、気になるほど色あせるわけではなかったので、普通にゲームを楽しんだり、一般的な事務ワークに使うなどであれば使いやすい液晶だと思います。
次に視野角の広さの確認です。
IPS液晶だけあって斜めから見ても文字を読むことができます。表示速度を重視するならTN液晶で良かったと思いますが、IPSで綺麗さを取るなら一般用途向けも考えられているのだと思います。
以下、焼肉が斜めからでも美味しく見えているのはIPSならではです。
裏蓋を外す、メモリ増設など

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」裏蓋ビス7本
「HP Pavilion Gaming 15シリーズ(AMD)2021年モデル」の場合、裏蓋のヒンジ側半分に段差ができています。
これにより、背面と接地面との間に空間を持たせて吸気と廃熱をしやすくしています。ただ、この上半分の段差がいかにも外れそうになっているのですが、この部分は外れません。止まっているのはあくまでも裏蓋全体です。
ヒンジ側の4本が長め(赤丸)で、パームレスト側(緑丸)の3本が短めのビスにより止まっています。開ける難易度は高くありませんが、こじ開ける必要があります。オススメはこじ開けツールを使うことですが、なければ薄くて硬いカードの類でもできます。
この機種の場合、こじ開け始めはSDカードの近くからだと開けやすかったです。
中身はこのようになっており、ダブルファンは背面からの吸気に使われ、その横には2.5インチの2ndストレージベイ。初期から使われている1stストレージは2280サイズがメモリ横にあります。
2ndストレージの2.5インチベイにはまっているのはダミーパーツです。ケーブルやコネクタがそのまま付いていたので、試してはいませんが、そのまま市販のものと交換して増設できそうです。

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」裏蓋内のメモリと2280SSD(左)と2ndストレージのタミーパーツ
仮の話、最安価格のメモリ8GBモデルを買って、ドル円レートが110円以下ならDDR4のバルクメモリが7000円以下でしょうから、結論、メモリ16GBにしても10万円でお釣りが来ます。激安でそれなりのグラフィックカード付き性能が手に入るのはとても良いですね。
ちなみにアルパカが試したのはこちらのCrucal製です。最初から搭載されていたのはサムスン製でしたが、Crucal製の8GBと併せてもちゃんとデュアルチャネルとして認識してくれました。
全て自己責任にはなりますが、Crucal製だと無期限保証に加えて相性保証も付いているので安心です。気になる方は二枚とも同じメーカーのものでどうぞ。

Crucal製メモリ8GB増設時
ACアダプタについて

HP Pavilion Gaming 15(AMD)のACアダプタ「TPN-CA11」
定格電力は150Wとなっており、電源ケーブルは国内向けの125V用でした。
さすがにグラフィックカードが搭載されているゲーミングだけあって通常のノートパソコンのそれより大きいですし重いです。もちろん、持って動かせる範囲ですが、基本的にはあまり動かすことを考えて造られてはいません。
互換アダプタとしては「TPN-CA11」こちらがAmazonで売られていますが、コンセントの差込口が3ピンになっているので、そのままでは通常のコンセントで使えません。3ピン→2ピンへの変換アダプタとの併用でお考え下さい。
バッテリーについて
バッテリーの大きさは52.5Whでした。
消費電力が大きいだけに、Youtubeの連続再生時間は3時間55分でした。
※輝度50%、音量40%で、ライブ映像を流し続けた時の再生時間。
あくまでもゲーミングですから、電源を落とさずにゲーム途中の状態で別の部屋に移動する際にバッテリーが必要、という程度で使える範囲だと思います。
内部性能について

メモリ8→16GBへアップした際のPassMark計測差
今回はゲーミングPCということで内部性能も相応のものになっています。
ゲーミングとしてはローエンドに位置するGTX1650ですが、そうはいっても搭載されているのとそうでないのとでは雲泥の違いです。
メイプルストーリーやマビノギなどの軽量なMMORPGはともかくとして、アクション性の高いfpsや tps、高精細で重たいDirectX 12 (DX12)を動かすとかなると、外部グラフィックカードがないとまず勝負になりません。
上位プロセッサーならできないわけではないのですが、やっぱりないと解像度設定を落としたり、表示サイズを落とすなど不便が出ます。
例えば、軽量tpsの王道である「PUBG」で比較してみますと、以下のようになっています。
ゲーム系のベンチマークやfpsについて
軽量tps:PUBG(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)のfps比較
ベンチマークがないゲームのためトレーニングモードでできるだけ同じコースを走りまわって計測したものになります。

PUBG-Gaming15-AMD-Ryzen5-5600H比較-メモリ8GB

PUBG-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-メモリ16GB
リフレッシュレート144Hzのモニターが搭載されているモデルなので、それに合わせることを考えればメモリ8GBでは “非常に低い”。16GBでは “低い”、くらいで最も高速に表示される状態を維持できます。
一通り掲載はしましたが、このゲームでfpsを気にされる人は最も高いリフレッシュレートではないと思っています。
画面の表示が遅くなってやられることを避けたいために性能を上げるのであって、画面表示が遅くなる時というのは総じて建物やブッシュの表示が多い時。多人数での撃ち合いで計算が追い付かない高負荷の時だと思います。
そういう意味で気にしたいのは、最低fpsの筈で、上記のグラフで言うならオレンジ色のバーがそれに当たります。
メモリ16GBにした時には、なぜか “中” のfpsが最低でも一番高くなっていたので、同様にメモリアップされる方は中設定あたりがオススメです。
軽量tps:FORTNITE(フォートナイト)のfps比較
※建築を多く行うようであれば、やや重い部類に入ります。
PUBGと並んで軽量tpsタイトルとして人気の「FORTNITE(フォートナイト)」です。
こちらもベンチマークがないゲームのため、バトルラボでできるだけ同じコースを走りまわって計測したものになります。

FORTNITE(フォートナイト)-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB

FORTNITE(フォートナイト)-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
元々、Ryzenシリーズと相性が良いとされる「FORTNITE(フォートナイト)」ですが、8GBのままでも “低”設定なら最低fpsでも140をマーク。メモリ16GBなら169までマークしました。
タイトな即応性を求めなくても100あれば十分に戦えると思いますので、そういう意味では “中”設定がオススメです。”高”設定以上ですと一気にfpsが下るので、せっかくの144Hz液晶が生きません。
ただ、これらはゲームを優位に進めるためにオススメというだけの話です。性能を説明していながらこう言ってしまうのもなんですが、腕でかなりの範囲をカバーしやすいゲームだと思います。
この「FORTNITE(フォートナイト)」は「PUBG」と違って射線が光るので、遠距離から狙撃されない限り射角や方位がすぐ分かります。アルパカはメモリ8GBの “高” 設定でプレイしていてVICTORY ROYALEが獲れています。一方、「PUBG」ではドン勝は獲れず、ラスト5人まで生き残るのがようやくでした。
他、よくある軽量~重量級タイトルまでのベンチマーク結果を掲載しておきます。
軽量:ドラクエクエスト X
この辺りの軽いゲームならとても快適です。CPUだけでもUプロセッサーのトップグレードで一万近い数字を出せる範囲ですが、GTX1650があると倍近くのスコアを出せます。十分、快適に遊べる範囲です。
※最高品質、FHD、フルスクリーン設定にて。

ドラクエX-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB

ドラクエX-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
少し重い(DX11):FF-XIV 漆黒のヴィランズ
少し重たいDirectX 11 (DX11)の定番タイトルです。
どういうわけかメモリ16GBの方が若干、下ってしまいましたが蓄熱がない状態で計測しなおしても変わりませんでした。デュアルチャネルにしても影響が出やすいものとそうでないタイトルがあるようで「FF-XIV 漆黒のヴィランズ」ではその差が感じられませんでした。
※スクリーンモード設定: ウィンドウモード、高品質のデフォルト設定のままで計測。

FF-XIV漆黒の-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB
平均フレームレート: 91.6
最低フレームレート: 41

FF-XIV漆黒の-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
平均フレームレート: 83.3
最低フレームレート: 25
一万近くのスコアを出していれば全く問題ないタイトルですが、メモリ8GB時に最高品質に上げても11667という高スコアを維持していました。設定を上げても充分楽しめます。
CPUだけの場合、UプロセッサーのトップグレードでIntel側では7000。Ryzenは5000くらい。GTX1650が搭載されるだけでも、およそ倍近いスコアになりました。
少し重い(DX11):FF-XIV 暁月のフィナーレ
FF-XIVシリーズの続編タイトルです。極端な違いではないようですが、こちらの方が「漆黒のヴィランズ」より、若干重たくなっているようです。こちらではメモリ増設がそのままスコアに直結しました。
※スクリーンモード設定: ウィンドウモード、高品質のデフォルト設定のままで計測。

FF-XIV暁月の-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB
平均フレームレート: 93.5
最低フレームレート: 46

FF-XIV暁月の-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
平均フレームレート: 100.7
最低フレームレート: 54
こちらも一万近く出ていれば全く問題なく楽しめますが、最高品質に上げても8GB時に12374という高スコアを維持していました。設定を上げても充分に楽しめます。
まあまあ重い(DX11):PSO2 ニュージェネシス
SEGAの有名ナンバリングタイトルを冠した国産オンラインRPGです。
それなりに重たい部類に入りますが、スコアの目安としては以下の三段階に分かれます。
5000以下 動作が重くなります。
10000以下 標準的な動作が見込めます。
10001以上 快適に動作すると思われます。
非常に低い~スーパーまで5段階のグラフィック設定がありますが、グラフにまとめると上記のようになります。GTX1650なら通常のフルハイビジョンの解像度ではスーパーにしても5000はクリアします。
デュアルチャネルの恩恵はあまりないようで、10000以上の快適な動作を見込むなら中設定あたりがオススメになります。
重い(DX11):FF-XV WINDOWS EDITION
DirectX 12 (DX12)対応の代表的な重量級タイトルです。
※いずれも1920×1080、フルスクリーンにて計測。

FF-XV -Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB
軽量品質:6814(快適)
標準品質:5244(やや快適)
高品質:3748(普通)

FF-XV -Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
軽量品質:6857(快適)
標準品質:5280(やや快適)
高品質:3605(普通)
この辺りになってくるとフルハイビジョン解像度で高品質設定では、ちょっと苦しくなってきます。せっかくの高精細なグラフィックが売りのタイトルですから、FF-XVを考える方は素直に RTX 3050(できればTi)の搭載機がオススメです。
DX12:3DMark系ベンチマーク

3DMark Time Spy-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB

3DMark Time Spy-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
今回はDirectX 12 (DX12)対応のゲームは試していませんが、目安とするベンチマーク「3DMark Time Spy」ではこのようになっています。
比較用としてUプロセッサーの i7-1165G7 と Ryzen 7 5800U も掲載しておきます。
ゲーム用のベンチマークでもおおよそ倍近いスコアになることが多かったですが、こうして改めて見ると違いが良く分かります。
しかし、これだけ違っていても同じ10万円以下から売っている、同じ15.6インチノートPCというのが、このモデルの良いところです。
ちなみに今回はゲーミングの中でもローエンドということで、「Time Spy」より軽量PC向けのベンチマークの「Night Raid」も掲載しておきます。

3DMark Night Raid-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-8GB

3DMark Night Raid-Gaming15-AMD Ryzen5 5600H比較-16GB
ゲーム以外の一般的な性能について
Windowsの更新が入らない状態で、立ち上げにかかる時間は約10.4秒でした。
PCMark10
実用的な快適度を計測したPCMark10での計測結果です。

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」搭載Ryzen 7 5600H、メモリ8GB時、AC電源あり最も高いパフォーマンス時

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年モデル」搭載Ryzen 7 5600H、メモリ16GB時、AC電源あり最も高いパフォーマンス時
一般的な操作ではトータルスコアで3000が快適さの目安と言われており、実際に試してみると良く分かりますが、確かに3000を境にして別ものの動きに変わります。
Uプロセッサーの上位モデルで4500前後。高いと5000を超えてきますが、こちらだと5700超えです。
一覧で比較するとこんな感じです。
Ryzen 5とはいえ、Hプロセッサーというのはこれだけパワフルな動きをしてくれます。
もちろん、Ryzenの得意不得意はありますが、それを差し引いても10万円で手に入るPCとしては、十ニ分に満足のいく最高スペックのような気がします。
前回紹介した「Pavilion Aero 13-be」も1kg以下のモバイルでありながら、かなりぶっ飛んだ性能してましたが、今回のGaming 15もなかなかのものです。
快適さに多くの影響を与える「App Start-up Score」で見ると、初速の遅さを指摘されているRyzenでも、もはや問題ないレベルになったことが分かります。
例えば一般的なビジネスアプリで快適かどうかを測る「Productivity」ではIntelとの差はあまりないように見えますが、個別に見ていくとWordはIntelが得意ですがExcelやAccessなどの速度を司る「Spreadsddts Score」では総じてRyzenの方が高いです。
もちろん、これは総合的な計測で出されたベンチマークのスコアですから個別作業では、また違った速度で序列が出てきます。
以下、Excelを実測で稼働させて調べたものになります。
128000回分のVLOOKUPと、184000回分のSUMIFS(3つの条件)を一度に計算させたときにかかる時間を計測したものです。
Ryzen 7 5700U がExcel計算では優秀だったのですが、それ以外ではRyzen 5 5600Hで文句なしに早く計算を終えることができました。ここにIntelとの差が出たのはPCMark10の計測値通りだったことになります。
ただ、勘違いしないで頂きたいのですが、これはあくまでもExcelを計算させた時の速度だけをグラフ化したものであって、コピー作業や置換作業などの速度はまた別ものです。この手の編集系の機能も個別に計測してみると実はIntelの方が早かったりしますので、やはり作業によって細分化されて得意不得意が分かれていくのだと思います。
それらを総合的に評価した時にExcelというアプリで一括りにしたら、PCMark10の「Spreadsddts Score」になる、とお考え下さい。
この辺りのOffice系の計測はこちらの記事にてまとめておきました。
またPCMark10に関してはこちらにてまとめています。
次にブラウジングの速度を比較します。
WEBXPRT3によるネット速度
基本的に200近く(個人的には180くらい)あれば快適ですが、電源設定のない状態では大幅に速度が落ちてしまうのはRyzenシリーズ特有です。もっとも、この機種を電源のない場所で使うことはあまりないと思いますので、気にしなくても良い部分だと思います。
主要三大ブラウザの中ではEdgeが苦手なようですが、それでも300近くのスコアを出しているので快適さは全く問題ない範囲です。
ストレージ速度(CrystalDiskMark)
ストレージの速度は以下の通りです。下二段のランダム系が良い数字を出しています。体感的なレスポンスはとても快適です。
Ryzen 5 5600H の高負荷パフォーマンス推移
OCCTによる高負荷をかけ続けた際の推移です。

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年th」搭載Ryzen 5 5600H にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(最も高いパフォーマンス時)

「HP Pavilion Gaming 15(AMD)2021年th」搭載Ryzen 5 5600H にOCCTで負荷100%をかけた時の推移(高パフォーマンス:バッテリー駆動時)
HP Pavilion Gaming 15+8GB(8×1) | ||
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AMD Ryzen 5 5600H:最も高いパフォーマンス時 | ||
平均 | 最高値 | |
周波数 | 3,848.8MHz | 3,971.7MHz |
電力量 | 28.7W | 37.8W |
温度 | 60.3度 | 65.0度 |
駆動音 | 45db | 50db |
※駆動音は50db以下で、おおむね45dbで推移することが多かったです。
AC電源あり時、最も高いパフォーマンス時には高負荷をかけて3~9秒間が最も高い周波数を維持します。高速で処理したい短時間作業は10秒以内を目安に区切ると使いやすいと思います。
一言で言うと安定した動きそのもので、ゲーミングとしては控えめな性能ということもあり、熱処理にも余裕があって、高くても65度程度でした。無理なく動作し続けられます。
機体外側の温度推移
機体内部の温度が大して上がらなかったので問題ないとは思いましたが、念のため。以下、100%稼働させ続けた際の温度変化です。

「HP Pavilion Aero 13-be」100%稼働による機体外側の温度推移:前面
アイドル状態の際に40度弱、100%稼働5分経過で45度。10分経過で50度弱。それもモニター下部の廃熱部分だけで、キーボード上は大して熱くならずに40度強です。長時間のゲームでも不快感はありません。計測したのは夏の暑い日の夜でしたから、実際にはもう少し温度が下がると思います。

「HP Pavilion Aero 13-be」100%稼働による機体外側の温度推移:背面
背面もおおよそ同様の温度推移で、10分稼働で46度程度ですから、膝上での作業でも問題ない範囲と言えます。
「HP Pavilion Gaming 15(AMD)」2021年モデルの構成表
HPパソコンの割引クーポンについて
「HP割引クーポンページ」でクーポンを適用すれば、税別10万円(税込11万円)以上で5%オフとなります。クーポンの取得は、「HP割引クーポンページ」の「クーポンゲット」のリンクをクリックするだけで自動適用されます。
【少しでも安く買うなら】価格コム限定モデル!
HPでは、ほぼ同じ(というかまったく同じ)の構成内容で「価格コム限定モデル」が販売されています。
よくあるメーカーとのコラボモデルですが、基本的に同じものなのに少しばかり安く買えますので、素直にそちらを経由して買うのがオススメです。
スタンダードモデル(プラス)
HP Pavilion Gaming 15(AMD)シリーズ スタンダードモデル(プラス) |
||
---|---|---|
シリーズ名 | スタンダードプラスモデル | スタンダードモデル |
OS | Windows 10 Home 64ビット | |
カラー | シャドウブラック & ゴーストホワイト | |
プロセッサー | AMD Ryzen 5 5600H <6C12T>(3.3/4.2GHz) :CPUMark公称値 17,995 |
|
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop 4GB (GDDR6) |
NVIDIA GeForce GTX 1650 4GB (GDDR6) |
メモリ | 16GB | 8GB |
SDRAM(DDR4-3200MHz) | ||
ストレージ | 512GB | |
SSD(PCIe NVMe M.2) | ||
ディスプレイ | 15.6インチワイドFHD・IPSディスプレイ (1920×1020 / 最大1677万色) アスペクト比は16:9 |
|
サウンド | B&O Playデュアルスピーカー | |
重量 | 約 2.08kg | |
バッテリ | 最大 約6時間 (実働予想時間3.6時間) |
最大 約7時間 (実働予想時間4.2時間) |
Youtube連続再生 | 予測 3時間30分 | 実測 3時間55分 |
リリース | 2021年8月13日 | |
Office なし (クーポン使用) |
¥111,800 (106,211) |
¥94,800 (同上) |
※価格は全て税込表記です。
※仕様書にある数値を元に表記しています。
※2021年10月22日現在の価格にて表示しています。
スタンダードプラスモデル(RTX 3050の搭載機)では、価格コムモデルを選ぶよりも通常窓口でクーポンだけを使った方がお得になります。クーポンが適用される線引きとなる11万円を境にしたために発生する逆転現象です。
また、ゲーミングというだけあって、PC購入画面にOfficeソフトの選択肢がありません。もし、それらを使うことを念頭に置くなら「Microsoft 365 Personal(旧Office 365 Solo)」を契約して使うのがオススメです。
パフォーマンスモデル
HP Pavilion Gaming 15(AMD)シリーズ パフォーマンスモデル |
|
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シリーズ名 | パフォーマンスモデル |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
カラー | シャドウブラック & ゴーストホワイト |
プロセッサー | AMD Ryzen 7 5800H <8C16T>(3.2/4.4GHz) :CPUMark公称値 21,919 |
グラフィック | NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop |
メモリ | 16GB SDRAM(DDR4-3200MHz) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe NVMe M.2) |
ディスプレイ | 15.6インチワイドFHD・IPSディスプレイ (1920×1020 / 最大1677万色) アスペクト比は16:9 |
サウンド | B&O Playデュアルスピーカー |
重量 | 約 2.08kg |
バッテリ | 最大 約5時間 (実働予想時間3.5時間) |
Youtube連続再生 | 予測 3時間15分 |
リリース | 2021年7月15日 |
Office なし (クーポン使用) |
¥139,800 (¥132,811) |
※価格は全て税込表記です。
※仕様書にある数値を元に表記しています。
※2021年10月22日現在の価格にて表示しています。
性能重視のゲーマーの方ならこちらです。
今回はAMDシリーズの紹介ですが、去年のモデルとしてIntelシリーズも平行販売されています。
比較用として掲載しておきます。
※折りたたんでいますので、クリックかタップでご覧になれます。
まとめ
このシリーズの一番の利点はローエンドとはいえ、Hプロセッサーに加えてGTX1650のグラフィックカード搭載モデルが9万円台前半で手に入ることです(2021年9月時点)。
ちょっとゲームをやってみたい。でも家庭用の予算では手がだしづらい。やりたいのは重いゲームではないのだけれど…予算は10万円までにしておきたい。そんな方におススメしたくなるモデルです。
もう一つのご提案として、実はゲームを全くしない方にも一般用途でもオススメできます。Officeの挙動の比較記事として別記事で同時にアップしたのはそのためです。つまり、一般向けとして実に快適に使えます。
ゲームをするために生まれたゲーミングPCですが、それは販売側がそのようにカテゴライズしているだけで、タイトなレスポンスや高い処理性能を求められるのは忙しい人なら誰でも同じです。
まして、この機種のように価格が一般向けの10万円PCと同額であれば境目はありません。例えば多くの情報を発信し続けるブロガーの方や、家事や育児の合間に在宅ワークをする人など、作業をすぐに切り替えられる機体があれば色々と便利です。
ゲーミングPCは一般受けしないデザイン的な問題もありますが、この「HP Pavilion Gaming 15シリーズ(AMD)2021年モデル」には、幸いにしてキーボードバックライトは控えめの白ですし、Intelシリーズほどゲーミングらしい外観ではないので、普通のノートPCとして通用する範囲です。
唯一、残る問題は電気代です。
ゲーミングPCの気になる部分:電気代について
電力を計算力に変換する半導体により動くパソコンは、高性能になればなるほど電力量が上がります。
今回、ご紹介したRyzen 5 5600H、GeForce GTX 1650搭載機で計測したところ、おおよそアイドリング状態では一時間で0.5~1.3円。
実用的なアプリ稼働時では1.5~2.3円ほどです(1kWh=22円として計算)。
動画の編集や高負荷ゲームではなく、通常の使い方だったとして一日8時間をOfficeワークやSNS、ネット検索などで使い続ける程度で考えると、12円~18.4円ほど。これを毎日となると月間360円~552円という計算です。
単純計算では、Uプロセッサーの搭載された一般向けノートPCなら(もちろんグラフィックカードなし)おおよそこの半分以下。一ヶ月でも200円いけば、まあまあ使う方だと思います。
たった、300円強しか違いません。ですが、これは累積します。スマホの料金で100円違えば契約を渋る人がいるのに、電気代は目に見えづらいため気にされづらいのです。また、売りたい人が多いので売り手側が説明したくない都合もあります。
年間3600円差。PCの対応年数からすれば5年後に買い換えるまでに18000円の違いが出ます。これは、今回アルパカがレビュー用として手にした一番下のゲーミングなので、まだこの程度です。これ以上のハイパワーになれば当然のことながら金額差はどんどん上がっていきます。
つまり、重量級のゲームタイトルに手を出すつもりがないなら、ローエンド機で抑えておいた方が良いのです。
今回、アルパカは一般向けにも紹介できるゲーミングPCとして、このシリーズをご紹介しました。イニシャルコストとして文句なしに安くてコスパはすこぶる良いです。ただ、一般ノートに比べてそれなりに電気代はかかります。その差は月間300円。それを許容できるだけの性能差として手に入るものは、この記事にご紹介した通りのものです。
惜しいのはこれだけの内容でありながら販売ページではOffice付きとしての選択肢が用意されていないことです(Intelシリーズにはあります)。すでにOfficeを持っている方や「Microsoft 365 Personal(旧Office 365 Solo)」での契約で問題ない方は「HP Pavilion Gaming 15シリーズ(AMD)2021年モデル」がオススメになります。
Excelファイルに30万行の関数計算があっても10秒で終えることができる、頼もしい相棒となってくれることでしょう。
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