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Bluetooth v4.1? 4.2? 分かりづらい機能の違い

パソコンの性能を説明している時に、よくある新旧の違いで「Bluetooth がv4.1から 4.2になりました」というのがあります。

要するに…新しくて良くなったBluetoothってことですよね? という認識の方が多いと思います。

これに関しては販売員でも、周辺機器コーナーの人でもなければあまり意識している人がいません。

今回は、そんなちょっと気になるけど、どう違うのか分かりづらいBluetoothに関して、基本的な部分をご説明します。

 

そもそもBluetoothって何? Wifiとどう違うの?

どちらも同じ無線ですが、持っている特性が違います。

使っている周波数帯も飛距離も消費電力も、なにもかもが真逆だと思ってもらえると分かりやすいと思います。

表にまとめると、こんな感じです。

WifiBluetooth
速度
11gとaは54Mbps、11nは300Mbps、11acは6.9Gbps
遅い
早くても24Mbps
周波数帯
2.4GHz帯、5GHz帯
60GHz帯
狭い
2.4GHz帯のみ
接続距離
数百メートル
数十メートル
障害物
遮られても途切れない
遮られると
途切れやすい
消費電力
消耗が激しい
超省電力

※ここに書いてある数値は理論値です。実用的に数十メートルも届くBluetooth機器はほぼありません。

こうして横並びに比較すると良く分かりますね。

「Bluetoothのメリットとデメリット」として情報が出回ることもありますが、実際のところ、ほとんどの特性ではWifiの方がメリットが大きいです。

速度は早いですし、通信可能な距離も段違いです。

ちょっとそっと、障害物で遮られても繋がり続けてくれますし、混線しやすい2.4Ghz帯域で都合が悪ければ、aとかacに切り替えてくれます。

邪魔が入らず快適に使えるのです。

しかし、Bluetoothはそうはいきません。

基本的に2.4Ghzでのみ繋がりますが、同じ帯域の電子レンジを近くで使っている人がいると、混線しがちです。

かといって、他の帯域に逃しようがありません。

↓こういうメッセージが出る時は混線していて反応が悪くなります。
Wifi環境との混線なら、ルータをaやacの5Ghzが使える強いルーターに変えると改善します。

そういうわけで、できることなら全てをWifiの無線通信にしたいくらい、今のWifi技術は優れています。

しかし、残念ながらどうしても拭えない弱点があります。

電力の消費量が大きい、ということです。

 

現代電子機器が抱える電力消費量の問題

新たな機能や画質の美しさが手に入っても、それを可動させる消費電力が大きくなってしまうのは電子機器の悩みの種です。

先日、販売されたDynaBookのG(およびGZ)シリーズが、なぜ軽くなりつつ19時間もの長時間稼働を可能としているのか。

それは搭載され始めたシャープのIGZO液晶が、本当に素晴らしい低消費電力の液晶(それでいて実に美しい)だったからです。

逆を言えば、今までの液晶はそれだけ電力の無駄が大きかったことを意味しています。

CPUにしても同様で、ハイパワーに造ることはそれほど難しくないようですが、力を上げれば上げるほどTDPが高くなりがちです。

そうはさせまいと、新型アーキテクチャでTDPを抑えつつ、省電力でありながら高い計算力を維持できるよう半導体素子の密度を上げ続ける開発は進んできました。

同じように、Wifiもまた消費電力を抑えるように開発されてきました。

しかし、Wifiの改良は新しい電波帯域へ広がりを見せるものの、なかなか省電力にはなりません。

そうこうしている1994年、スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン社のプロジェクトとして開発が始まった新しい通信規格が実を結びます。

「Bluetooth」という名前を付けられた新たな規格は、Wifiではありえない低消費電力で繋げられたのです。

特に常時接続する身近な小物を扱うには向いていました。

1999年、Bluetooth v1.0の誕生です。

付けられたBluetooth のロゴは、北欧の長枝ルーン文字から取られています。

なんでも、乱立する無線規格を統一できるように、との意味合いから、デンマーク王「青歯王」より取られているのだとか。

事実、国際規格となったBluetoothは広く使われるようになり、

v2.0では2.4Ghz帯の干渉対策が盛り込まれました。

v3.0では通信速度が上がって、ようやく24Mbpsへと進化。

そして、私達の見慣れているV4.0になると、さらに省電力に磨きがかかり、ボタン電池一つで数年間駆動し続けることができるという、どうやってもWifiでは成しえない長時間稼動を可能としたのです。

まさにイヤホンやヘッドホン、スピーカーやキーボードなどにはうってつけ。

当面の間は、無線接続の状態を常時接続したままの近距離使用はBluetooth の独壇場でしょう。

 

最近の細かいバージョン違いはどう変わった?

ざっくりとした歴史は分かりましたが、パソコンの買い物に繋がる知識としてはどうでしょう。

昨今の細かいバージョンアップの違いを確認してみますと…。

バージョン4.0から4.1になると、接続が便利

「直接インターネット接続できる機能」や「ホストとクライアント同時になれる機能」などが盛り込まれましたが、これらはIOTで必要とされるものであって、パソコンの買い替え時に関係あるとは思えません。

それより最も身近に関係しているのは「自動の再接続機能」です。

古いBluetoothの場合、マウスの接続が切れると、その度に接続しなおさなければならない煩わしさがありました。

しかし、バージョン4.1になると途切れても先ほどまで繋がっていた接続機器とルートを探し出して、自動的に再接続してくれるという…。

無線マウスを買おうとした時に迷われた経験はありませんでしょうか?

USBの発信機(レシーバー)を挿すタイプにすれば、接続設定は簡単ですし、接続が外れることがまずありません。

しかし、USBに発信機が刺さったままになるので、接続口を一つ潰してしまいます。

モバイルPCなどではUSBの接続端子が少ないものもあるので、できるだけ空けておきたいわけです。

「かといってBluetoothだと、接続が切れる度にまた設定しなおさないといけないのは面倒だなぁ…」

などという心配は、バージョン4.1から先は不要なわけですね。

強いて言えば、再接続するまでの間に少し間が空いてしまうということくらい。

一昔前のNECなどは、パソコンに同梱しているマウスに「Bluetoothではなく、無線を使っています」と謳っていたくらいです。

Bluetoothだと途切れてしまって接続し直す面倒さがある、という認識を持っている人が少なくなかったことからこそ出てきた謳い文句というわけです。

ですが、4.1になってからはNECもBluetoothを利用するようになりました。

わざわざ電池の消費が激しい無線規格を使う必要がなくなった、ということですね。

バージョン4.1から、4.2へ

では、4.2はどうでしょうか。

パソコン関連で4.2になると良いことは、セキュリティレベルの向上、データ転送速度を2.5倍に高速化といったことくらいです。

実際にはインターネットの最新プロトコルであるIPv6への対応強化とか、Bluetooth Smart デバイス間の通信パケットあたりの容量が10倍になったとか色々あります。

これにより送信エラーの減少と低消費電力化・・・とかあるのですが、体感速度として分かるほど無線マウスのレスポンスが良くなるとも思えません。

まして、マウスやキーボードから直接インターネットに通信するわけではないので、パソコン関連で言えば実質的な違いはあまりないでしょう。

むしろ、Bluetooth 4.2の最大の恩恵はIOT機器にこそあって、例えば、ウェアラブル端末であるスマートウォッチが流行り始めたのは、このバージョン4.2があるからこそです。

電力を抑えて腕時計型に組み込んでおきながら、数時間は保つようになりました。

脈拍や睡眠時の波長データを取得してはネットを介してデータを見れるようにしたのですから、面倒がありません。

これが直接ネットに繋げる機能を持たないバージョンだったなら、いちいち、スマートウォッチを外して読み込み機器に接続してデータを吸い出さないといけなかったところです。

その必要がない、気軽な利便性が新たな市場を開拓したと言えます。

バージョン4.2 から、5.0へ

「iPhone8」では既に使われていたv5.0ですが、パソコンの世界では最近ようやく入るメーカーが出始めたか、というくらいです。

v5.0になると4.2に比べて、一段と利便性が高まります。

それまでの通信範囲が10mだったものが一気に10倍の100mへ。

データの転送速度も約2倍(1mpsから2mpsへ)。

当然、通信速度も約2倍。

パソコン関連で意識することがあるとすれば、Bluetooth接続のマウスが部屋の端から端など、離れたところで動かしても反応するようになったかな、というくらい。

「それって役に立つの?」と訊きたくなる人もいると思いますが…。

はっきり言うと立ちません!(笑)

5.0に関してはおそらく携帯のデザリングをBluetooth で行う際に最も威力を発揮するのではないでしょうか。

何しろ通信範囲も速度も上がったので、繋がりづらかったり、電力消費が高かったデザリングも長時間使いやすくなりそうです。

 

上位互換について

基本的にBluetooth は上位互換というのが効いています。

絶対ではないのですが、おおよその場合、PC本体が対応しているBluetooth のバージョンが高ければ接続することができます。

繋げようとする機器より、パソコン本体のバージョンが低ければ使えない。
逆に本体のバージョンが高ければ、低い周辺機器は使える。

もし、パソコンが型落ちでも安く買えるという場合。

たとえマイナーチェンジでもBluetooth のバージョンが違っていることはよくあります。

仮に、あなたがBluetooth のマウスを考えていて、片落ちパソコンのバージョンが4.0だったりしたら…?

自動で接続し直す機能はないので、結構、面倒くさい使い心地になるかもしれないことを念頭に置いて選ぶ必要がある、ということです。

 

余談 その後のブルートゥース進化系とは

Bluetooth は既に5.0に達しています。

2019年になってようやくウィンドウズ関連機器には盛り込まれ始めたところ。

Windows 10の対応サポートが後から追いついてきている状態です。

それだけBluetooth の開発速度が速すぎるのです。

先日、書いたIOT機器の記事↓にある通り、身近なものがすべからくインターネットに繋げられるようになると、便利になる反面、危険と隣り合わせの発展は避けられません。

故にどちらの電波も共通のテーマである「セキュリティ」という意味では同様に発展しています。

人間の最大の敵は人間自身というわけです。

しかし、それ以外の特性では?

実はまったく真逆の方向へと開発されているように思います。

Wifi の進化はというと、「IEEE802.11ax」が出てきて更なる高速化(実際には最高速度を上げるのではなく、実効スループットを上げて実用的にしようということ)がなされます。

「省電力はもうBluetooth に任せた。俺は俺の道を行く」と言わんばかりです。

ユーザビリティはどうでも、短所を改善するよりは長所を伸ばしあう開発の方が、面白い製品に繋がりそうです。

このまま双方が開発され続けるとどうなるのか…。

私は「凝縮される」という一語に尽きるのだと想像しています。

かつて、ビル一棟分の体積を必要としていた計算能力がいまや手に持ったスマホにも及ばない。

同様に、通信速度も容量も、もっと速く、遠くに凝縮したデータを送れるようになるでしょう。

スカウターみたいな片メガネから膨大な情報を取得しながらの生活では、人間にとっても“時間の価値”が今よりももっと凝縮された濃密な生活になる気がします。

人間が使いこなせれば。

人の内面が「利便性」と「危険」という諸刃の剣で自身を斬ってしまうことがないのなら。

平成最後の春を前にして、そんな風に考えています。

 

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