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VAIOの出した2in1「A12 1211」の特徴を他社と比較してみた

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2018年11月13日に発表されたVAIOの新製品は「A12」というタブレット分離型の2 in 1(デタッチャブルモデル)でした。

かつての「VAIO Z Canvas」を彷彿とさせる造りですが、その方向性は全く別のものとして開発されたようです。

「A12」が一般の店頭に並ぶのは11月22日から。

ダイレクト(直販)ページでは予約販売は受け付けているものの、届くのは22日を過ぎてからですので、それまで実機を目のするのは待つしかありません。

しかし久しくタッチパネル製品がなかったVAIOがようやく出してきただけに、一体どんな製品なのか気になるところです。

今回は「A12」をいち早く展示している銀座のソニーステーションに行ってまいりましたので、そちらのレポートをまとめてみたいと思います。

 

 

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「A12」の外観的な特徴とはどんなもの?

まず、パッと見た目に思ったのが普通のノートパソコンっぽく見えました。
販売員としてサーフェスを見慣れているからでしょうか。
2 in 1と聞いていたのに後ろのついたてがないと「あれ?」という感じです。

特徴その1 背面にあるスタビライザー

 

上図で見て頂くと分かる通り、支えについたてを出す写真立て方式ではなく、背面に配したスタビライザーの支えを下側に出す方法です。
なぜこんな形にしたのかというと、車内や電車など狭いところで開けた時、膝上で使う際についたて部がうまく膝に乗る状況なら良いのですが、そうでない場所だと不安定で使いづらいのを回避したかった、という話です。
また、このスタビライザーを付けることにより全体重量を増やしてでもキーボード側の重量配分を高くすることで安定感を出したかった、というのがもう一つの理由とのことでした。
色々と話を聞けたのですが、論より証拠。
なるほど、確かに持った時のずっしり感が他社の2 in 1とは違うのがすぐ分かります。
うん?
ということは?

特徴その2 重さの配分が他と違う

A12タブレット本体重量は…約 607g~622g。
問題は総重量です。
「A12」はキーボードが二種類用意されていて、バッテリー付きとそうでないものがあります。

それぞれ

 

A12 の重量
バッテリー付きキーボード 601g(本体合計1.2kg強)
バッテリーなしキーボード 492g(本体合計1.1kg前後)
※本体は構成内容によって607g~622gと開きがあります。
となります。
一方、サーフェスpro6がi5で770g、i7で784gですから、150gほど軽く造れているわけです。

同じくサーフェスpro6対応のタイプカバーは310gですので…。

 

Surface Pro 6 の重量
i5の本体で770g(タイプカバー合計1.08kg)
i7の本体で784g(タイプカバー合計1.094kg)

Surface Go の重量
本体522g+タイプカバー245g=合計767g

といったところ。
総合重量だとやや「A12」の方が重いかな、というくらいでしょうか。
他にどれだけ荷物を持っていくか、体力的な問題にもよりますが、一般の方に十分お勧めできる範囲ですね。

 

特徴その3 接続口が全て付いている

 

HDMI、ミニD-Sub 15ピン、LANケーブルはもちろん、逆側にはSDカード(フルサイズ)、USB2.0×2つ、USB3.0×1つで合計3つ。
通常通りのACアダプタはキーボード側にも挿せますし、タイプC端子を使った充電はタブレット側からも可能です。
従来のSシリーズではタイプCに非対応だったのですが、この「A12」でようやく出揃った感があります。

 

接続口がたくさんあるのは他用途では必須?
「今時、LANポートなんて使わないでしょ」と言う人もいるのですが、これがそうでもないのです。出張に行った際にホテルのLANケーブルが目の前にあって急いでいたら、わざわざWifiのパス設定をするでしょうか。
無線の通じない電波障害地域に移動することがあったらどうでしょうか。
人によって様々なパターンがあるので、オールマイティに対応できる幅の広さは非常に重要な要素なのです。逆にこれがいらないと割り切れるなら、軽量モデルの選択肢の幅は広がることになります。

 

接続口をチェックしていたら…ん!?
ああ…これは減点1です。
大きな減点ではありませんが。
デモケーブルを挿してあるからこそ良く分かります。
VGA(ミニD-Sub 15ピン)の青い端子が挿さっていると、隣のHDMIに被ってしまっていますから、同ケーブルを挿せません。
接続口を小さい機体に全て詰め込んだが故の難しさですね。
もっともアナログ端子とデジタル端子を両方使って映像を双方出力させるようなことって、そうそうないとは思います。

 

特徴その4 閉めたまま外すことができる

これは面白い特徴だと思いました。
ヒンジ部にある脱着ボタンを押し上げれば「バシャッ」という小気味の良い音を立てながら外すことができます。
「そんなの役に立つのか?」という声もありそうですが、ベネフィットとしては、鞄の中に片手を入れたら、そのままタブレットだけ出すのもキーボードだけ出すのも自由にできる、という使い方です。
両手で外さなければならなかった従来機ではない利点は、VAIOらしさを感じます。
しかしそうなると。
閉めた状態で外すと液晶部が傷つかないかと心配になりますが、そこはそれ。
旭硝子のドラゴントレイルを採用しているので、全く傷つかないのだそうです。

 

ドラゴントレイルについて
世界最大のガラスメーカーであるコーニング社はゴリラガラスを開発したのは有名ですね。
一方で三菱財閥のグループ企業として日本を代表する旭硝子は、より強固なドラゴントレイルを開発しました。
硬度の高さが傷のつきづらさという法則に従うなら、ドラゴントレイルの方が硬度が高くて傷がつきづらいのだそうです。
ただ、iphoneに採用されたことでゴリラガラスの方が世界的に有名になりました。
ドラゴントレイルの方はというと、国内メーカーの端末や建築資材などでの活躍の場が広がっているようです。

 

ちなみに言うと従来のSシリーズのように、キーボード側はフッ素によるUVコート加工が行われているので、抗菌効果が高く、いつまでも清潔に使えるという。
この辺りの細かい気の配り方も日本企業ならではというこだわりを感じます。

 

特徴その5 その他もろもろ、気になったところ

2 in 1モデルに付きまとう接続端子の問題
このタイプの2in1モデルだと、古くはASUSのTransBookにもあった脱着する接合部が壊れやすいという難点(PCだけに限った話ではないのですが、家電製品はどうしても稼動部分が弱くなります(ヒンジであるとか、ディスクドライブの開閉部であるとか)。
従来機であれば、パナソニックはこの点を耐久性の高いコネクタを使用することによりクリアしました。
サーフェスは逆にマグネットによる取り外しやすくすることによりクリアしています(ブックは柔らかいヒンジ部位を作ることでクリア)。
剛柔、どちらのやりかたでも使いやすければそれで良いのですが、実は「A12」はパナソニックとまったく同じ頑健な端子を使用しているのだそうです。
これにより「A12」は2 in 1の接合部問題を見事にクリアしていました。

 

ワコム製のペンを使用しています
筆圧感知レベルは4096段階。
傾き検知機能はタブレットには装備されているものの、デフォルトで付いているペンには機能がないそうです。
まだワコムが開発中とのことで、今後の発表が待ち遠しいですね。
もっとも、私も試し書きさせて頂きましたが、最初に付いているペン軸でも書き心地は相当良かったです。
思うに、デジ絵を描く人にとっては欲しい機能ですが、通常に使うならこれで十分ではないでしょうか。
ちなみにデジ絵描きの人たちにとって人気のあるクリップスタジオの体験版はプリインストールされているので、「ペンタブとソフトとモバイルPCを全て一度に揃えたい!」なんて人にも良いかもしれません。

 

惜しむらくは、ペン先が交換できないこと。
絵描きさんはご存知でしょうが、ワコム製のペン軸は大抵、ペン先が紙と同じ描き心地になるようフェルト芯を使うことが多いです。
フェルト芯は磨耗してゆくので、描けば描くほど減ってゆき取り替えなければいけません。
「A12」のそれはプラスティックのペン先ですので、磨耗することはなく、ずっと使えて便利な反面、フェルト芯に交換できないそうです(ひょっとしたらできるのかもしれませんが、正規の使い方ではないらしい)。
ですので、もしデジ絵描きの方がこれを購入するなら、自分が普段、使い慣れているペンを使う方が良いと思います。ので、最初から付いてくるペンは事務作業用などで分けて良いかもしれません。

 

ワイヤレスキーボードとして使えます
VAIOがどこまでデジ絵描き達のことを考えてこれを造ったのか分かりませんが、この点もデジ絵向きの機能だな、と感じました。
VAIOは昔からパナソニックと比べられることが多いメーカーです。
「同じ国内、価格帯の近い高級ノートPCメーカーのパナソニックと比べてどうなのか」と問い続けられてきたのです。
今もって販売員として売り場に立っていると、しょっちゅう訊かれます。
今回の「A12」に的を絞って言えば、ワイヤレスキーボードの機能はパナソニックXZシリーズにはありません。
これもまた「そんな機能必要なの?」と言われそうですが、文章入力以外の使い方になると、途端メチャメチャ便利なのです。
左手の位置が好きな場所に置けるのですから、ショートカット専用キーボードとして使いながら、液晶ペンタブレットとしてタブレット部に向く姿勢を保つことができます。
つまり描く速度が段違いに上がるのです。

 

これが通常のパソコンなら、左手用キーボードであったり、何かしらのユニットを用意して描く速度を上げるのですが、ワイヤレスキーボードの機能があるならこれ一つでなんとかなってしまいます。
これは単なる他製品との差別化という意味ではなく、実用性を兼ねた機能です。

 

付属品としてクレードルも売ってます

 

この付属品を使う人は家で長時間使うことも想定してのことだと思います。
クレードルにも接続口がたくさんついていますので、TVやモニターに繋げておき「帰宅してクレードルで充電しつつTVの大画面で操作するデスクトップ感覚に切り替えられる」という便利な使い方もできます。
回線速度を気にする方も大丈夫。
キーボードだけでなく、クレードルにもLANがちゃんと挿せます。

 

内部性能や選択項目は?

CPUは第8世代だがYナンバーを採用

A12の選択できるCPU
i7-8500Y Passmarkスコア:3590、シングルスレッド評価:1234
i5-8200Y Passmarkスコア:不明(予想:3000)
m3-8100Y Passmarkスコア:不明(予想:2000)
Celeron-3965Y Passmarkスコア:1619(シングルスレッド評価:787)
内部性能を見て真っ先に思うことは、「CPUがYナンバーか」でした。
簡単に言うと馬力を抑えたCPUということ。
かつての「Z Canvas」というハイパワータブレットを知っているだけに、ちょっと残念ではあります。
もっとも、出力を抑えたCPUには独特の良さがあります。

パスマークで3500クラスまで出せるなら、普通のデジ絵は問題なく描けますし、統計データのような万行単位のExcelを開かないのであれば問題はないでしょう…と思っていたのですが、ちょっと違いました。

下記記事にあるように、計測してみたところ、どうもA12のi5-8200Yおよび、i7-8500YはPassMarkで1000近くの開きがありました。
実際に試したのですが数万行単位のExcelもi5、8G、256(PCIe)で動かせます。
ちょっと嬉しい誤算できた。

パソコンの熱についての考え方
VAIOはTDP(Thermal Design Power)を抑えるためにこのような選択肢にしたようです。
確かにSurface ProシリーズでYoutubeを流し続けたり、何らかの演算処理をさせ続けていると、機体の熱が酷くて使うのを避ける人がいます。
これがタブレット機の弱点の一つなのですが、どうしたって薄い板状の中に全ての部品を入れてなおかつ、液晶部からの熱も入ると逃がす場所に困るのです。
これは技術の限界なのでしょう。
ハイパワーモデルの弱点は“熱”です。
熱くなりやすい機体だと「夏場に使いづらい」とか単純な話ではなく、故障率が上がります。
少ない力で用事がこなせるなら、それに越したことはないのです。

A12はサーフェスでは埋められなかった穴を突く構成可能か?

Surface GoのCPU
Pentium Gold 4415Y Passmarkスコア:2194
「Surface Go」のメモリは4GBか8GB。
ストレージは128GBまでです。
かといって大容量が欲しかったとしても「Surface Pro6」の上位機種にするならCPUはパワーがありすぎてしまいます。
最近、接客をしているとこういう人をよく見かけます。
「やってることは重たくなんてないんですよ。ただ量が多いから速度は落としたくないんです」
そんな人にはいつも、CPUはi3(第7でも第8でも良い)にメモリ8GB以上、SSDの組み合わせで選べるメーカーをお勧めします。
勘違いしている人も多いので言ってしまいますが、CPUはあくまでも計算力を司る部品であって、この力は馬力のようなものです。
そして馬力は即ち速度ではありません。
馬力あるCPUを選べば早くなるのは否定しませんが、力を使って速度を上げるのはもう時代遅れです。
速度を上げたいならSSDの世代や接続形式を良くした方がよほど上がりますし、放熱を抑えれば故障率を上げずに長期間使えるのですから。
馬力が役に立つのは「重たい使い方をした時」であり「巨大な作動領域を一度に動かす時」です。
いわゆるワードやExcelの一般的な使い方だけど、量が多い、というのであればメモリをあげて平行作業を強くしつつ、SSDにした方がよほどお得に使い続けられます。
その視点で見た時…果たして「A12」はどうでしょうか。
セレロンは外すとして、i5でメモリ8G、1TB(PCIe接続で第三世代のハイスピードSSD)まで選べるのです。
i7ならメモリ16も。
馬力ではまったくサーフェスには敵いませんが、トップスピードで見るなら第三世代のハイスピードSSDに軍配が上がります。
なるほど、と思いました。
VAIOが求めていたものは、かゆいところに手が届く構成だったのかもしれません。
とはいえ、ここまでの内容で組めば、相応のお値段になるはず。
では、気になるお値段の方はというと…。

仮組してみたお値段、i7+16GB+256GBでハウマッチ!?

あくまでも私が自分の欲しい性能で組んだら、という非常に勝手な組み合わせで恐縮ですが、まああくまでも一例として。
ペンも付けましたし、クレードルも一つ。
SIMフリーモデルではありますが、そこまでは求めていないので外しまして。
アンチグレアのフィルムは貼ってもらいます。
Officeは持っているので抜かしまして…
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273,800円+税(税込 295,704 円)也!
うん。
まあ、VAIOならこんなもんでしょうか。
もっとも、今はアンケートに答えると5%引きをしてくれるそうなので、15,000円近くが安くなる計算で税込28万円強というところでしょう。
これを高いと思うかどうかはエンドユーザー次第ですが、何よりVAIOはデザイン含めてのファン層が熱いですからね。
実際に実機を触っていて「使いやすそうだな」と思いましたし、長く使える良いものを、と思うなら選択肢の一つに入れても良いのではないか、と思う一品でした。

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