実は去年の暮れに東芝がちょっと面白い2in1(デタッチャブル)ノートPCを発売しています。
VAIOの「A12」がSurfaceを意識して造られたように、この「dynabook D7(BTOではDZシリーズ)」は明らかに「Surfaceではできないところをできるよう」に意識して開発されたモデルなのです。
ところが、「A12」のような大きな話題になることもなく、静かにその存在を潜めたまま年明けを迎える機体となっていました。
なぜそんなことになってしまったのか。
今日は、そんな「dynabook D7(DZシリーズ)」をご紹介します。
※このラインナップは2020年秋頃に完売しました。実は一部の方から根強く買われ続けていた隠れた人気を持つ異色の存在でした。当サイトでも多くの方にご購入頂き、感謝の念が絶えません。本当にありがとうございました。
法人名義でダイレクトモデルをご購入される場合、特に領収書が発行されるかどうかを気にされる方が多いと思います。
多くの直販パソコンでは、領収書代わりとして使用できる証明書を発行しています。
ダイナブック(旧東芝ダイレクト)も「出荷納品証明書」というのを商品と一緒に送付できます。
こちらをクレジットカードの明細書などと一緒にすれば、ほとんどの会計処理は通ります。
手順としては、注文完了後に出てくる受注番号を「DynaBookあんしんサポート」に連絡して、そのように希望を伝えれば良いだけですので簡単です。
どうしても「領収書」でなければいけない場合。
支払い方法をコンビニ払いなどにして頂ければ、支払ったコンビニ店の領収書として受け取ることができます。
また、法人窓口からご購入いただけると、支払い方法が「カード一回払い、または銀行振り込み」のどちらかしか受け付けられませんが、それで問題がなければdynabook(株)発行の「領収書」を出してもらうこともできるようになっています。
「dynabook D7(DZシリーズ)」はなぜ今まで有名にならなかったのか?
細かい性能や機能は後述を見て頂きたいのですが、実はこの「dynabook D7(DZシリーズ)」はかなりの優れものです。
なぜ知られていなかったのか?
理由は単純で、プレリリース自体が2018年の7月にされつつも、販売が極端に遅れたからです。
BTOがネットで細々と売りに出されたのは11月から。
家電量販店にも展示機が置かれることがなく、だれも実機を見たことがないまま年を明けました。
詳しい事情は分かりませんが、東芝がシャープ傘下に入ることになった体制移行に伴うドタバタで、出荷体制を整えられなかったのかもしれません(一説には、自社部品を使えなくなった東芝が兵糧攻めにされた影響ではないか…とか、LTEモデルの開発が上手くいかなかったのではないか…とか。まあ、色々ありますが細かいことは置いておきましょう)。
通常のノートPCと違って、2in1では特徴ある形だけに実機を見ないと良し悪しが判断できないことから、当サイトでも紹介を見送っていました。
しかし2019年1月、本日から一般店頭モデルが設置され、ようやく発売開始に。
他の2in1と見比べても決して、見劣りするものでないことだけは確かですので、話題にならなかった理由が、性能や使用感が悪いわけではないことをご理解下さい。
dynabook DZ83シリーズ(BTOモデル)の性能表
2019年春モデルと秋モデル、さらに遡れば2018年の夏モデルも含めて、DZ83シリーズは機体性能がまったく変わらないマイナーチェンジが続いています(2019年秋になってSSD 1TBがなくなったくらいです)。
一年以上続くモデルですが、昨今のよくある一般的な仕事やご家庭で使う分には、まったく問題ありません。
他社との比較は後述していますが、Surfaceなどと比べて安価にペンもキーボードも全て手に入るので、お値段で迷うようなら、こちらのDZ83の方がオススメです。
DynaBook DZ83/M(2020春モデル)Homeシリーズ
※DZ83/M(2019春&秋モデル)Homeシリーズは完売しました。
シリーズ名 | dynabook DZ83/Mシリーズ 2020春Webモデル 13.3型 |
|
---|---|---|
カラー | ■ オニキスブルー |
|
OS | Windows 10 Home 64 bit | |
CPU | Core i7-8550U <4C8T>(1.8/4.0GHz) PassMarkで8,333 |
Core i5-8250U <4C8T>(1.6/3.4GHz) PassMarkで7,668 |
メモリ | 16GB / 最大16GB | 8GB / 最大16GB |
※メモリの交換・増設はできません。 | ||
ストレージ | SSD(SATA) 512GB |
SSD(SATA) 256GB |
光学 ドライブ |
ー | |
ディス プレイ |
タッチパネル付き13.3インチ FHD TFTカラー液晶 (ノングレア)(広視野角/省電力LEDバックライト) 1,920×1,080ドット |
|
※ディスプレイサイズは15.6インチです。 |
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グラ フィック |
intel UHD グラフィックス (CPUに内蔵) | |
無線通信 | IEEE802.11ax+a/b/g/n/ac(Wi-Fi6準拠) / Bluetooth Ver5.0準拠 | |
有線LAN | 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T | |
無線 | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠 Bluetooth® Ver4.2 |
|
接続口 | [タブレット本体]USB Type-C(=電源コネクタ)×1、 ヘッドセット/ヘッドホン端子×1 |
|
[キーボードドッグ右側]USB3.0×2、LANコネクタ×1 | ||
[キーボードドッグ左側]HDMI出力端子×1、RGB(15ピン D-sub)×1 | ||
質量 | タブレット本体:約799g | |
薄型・軽量キーボード接続時:約1,179g キーボードドッグ接続時:1,229g |
||
バッテリー | 約 10.0時間 | |
セキュ リティ |
指紋センサー | |
Office | Office Home and Business 2019 (Office 搭載モデルのみ) |
|
リリース | ↓2020春モデル(2020/4/28 発表)↓ | |
officeなし 期待価格 |
W6DZ83JPLA |
W6DZ83JPLB |
完売 | 完売 | |
officeあり 期待価格 |
W6DZ83HPLA |
W6DZ83HPLB |
完売 | 完売 | |
特 徴 | 従来機種と性能の違いが見当たりません。型番が変わっただけのマイナーチェンジです。 ↑はOSがHomeエディション。 ↓はOSがProエディション。 |
※価格は全て税込表記です。
※2021年1月17日現在の価格にて表示しています。
※納期に関して「最短 翌営業日出荷」ができますが、型番により変わります。また、土日祝祭日と棚卸期間の営業停止日は出荷できません。ご注意下さい。
※バッテリーはJEITA2.0にて表示しています。
※直近の営業日カレンダーはこちら。
DynaBook DZ83/P(2020春モデル)Proシリーズ
※「DZ83/N」のProモデルは完売しました。
シリーズ名 | dynabook DZ83/Pシリーズ 2020春Webモデル 13.3型 |
|
---|---|---|
カラー | ■ オニキスブルー |
|
OS | Windows 10 Pro 64 bit | |
CPU | Core i7-8550U <4C8T>(1.8/4.0GHz) PassMarkで8,333 |
Core i5-8250U <4C8T>(1.6/3.4GHz) PassMarkで7,668 |
メモリ | 16GB / 最大16GB | 8GB / 最大16GB |
※メモリの交換・増設はできません。 | ||
ストレージ | SSD(SATA) 512GB |
SSD(SATA) 256GB |
接続口 | [タブレット本体]USB Type-C(=電源コネクタ)×1、 ヘッドセット/ヘッドホン端子×1 |
|
[キーボードドッグ右側]USB3.0×2、LANコネクタ×1 | ||
[キーボードドッグ左側]HDMI出力端子×1、RGB(15ピン D-sub)×1 | ||
質量 | タブレット本体:約799g | |
薄型・軽量キーボード接続時:約1,179g キーボードドッグ接続時:1,229g |
||
バッテリー | 約 10.0時間 | |
Office | Office Home and Business 2019 (Office 搭載モデルのみ) |
|
リリース | ↓2020春モデル(2020/4/28 発表)↓ | |
officeなし 期待価格 |
W6DZ83PPLB |
W6DZ83RPLB |
完売 | 完売 | |
officeあり 期待価格 |
W6DZ83PPLA |
W6DZ83PPLB |
完売 | 完売 | |
特徴 | 従来機種と性能の違いが見当たりません。型番が変わっただけのマイナーチェンジです。 |
※価格は全て税込表記です。
※2021年1月17日現在の価格にて表示しています。
※納期に関して「最短 翌営業日出荷」ができますが、型番により変わります。また、土日祝祭日と棚卸期間の営業停止日は出荷できません。ご注意下さい。
※バッテリーはJEITA2.0にて表示しています。
※直近の営業日カレンダーはこちら。
写真を見て頂くと分かる通り、このモデルはSurfaceと同様の造りをしています。
「A12」のように自立するのではなく、キックスタンドを使ってタブレット部を立てておく“ついたて構造”を採用しているわけです。
ここで間違えないで頂きたいのがキーボードが二種類用意されていることです。
「薄型・軽量キーボード」と「キーボードドッグ」の違い
上記の性能表にも書いてある通り、このように二種類のキーボードの重さが書いてあります。
薄型・軽量キーボード接続時:約1,179g
キーボードドッグ接続時:1,229
この50gの差に何があるのか、下記をご覧下さい。
薄型・軽量キーボードの特徴
「薄型・軽量キーボード」はSurfaceのタイプカバーと同様のものと思って頂くと分かりやすいと思います。
薄くて軽くて、キーボードの機能だけを持った接続口が何もないタイプですね。
脱着もSurface同様にマグネット式を採用しています(↓)。
もう、まんまSurfaceです。
手で持った感じも非常に軽いものでした。
使用感としては、Surfaceのタイプカバーがやや柔らかくてしなるのに対して、こちらの「dynabook D7(DZシリーズ)」の方が硬い感じがします。
Surfaceのタイプカバーはアルカンターラの肌触り重視だったのに対し、こちらは硬質プラスチックというわけです。
好みは分かれると思いますが、高級感を見るならSurfaceや「A12」の方が上。
強い打感でガシガシ打ち込みたい人は「dynabook D7(DZシリーズ)」の方が良いように思えます。
キーボードドッグの特徴
一方、キーボードドッグは「A12」のそれと同じように、金属による接合部によって脱着する方式です。
脱着方法が異なるので「自立できるか」と思いきや、さすがにそこまではできません。
あのスタビライザーフラップのヒンジ構造はA12独特で、VAIOだけが造れる専売特許のようです。
こちらはその分コストを抑えているという利点があり、かつ、インターフェースが充実しているという点でSurfaceを越えています。
[右側] USB3.0×2、LANコネクタ×1
[左側] HDMI出力端子×1、RGB(15ピン D-sub)×1
これらがドック側で使えるということは、プレゼンやモニター拡張して出先での作業効率を上げやすいことを意味しています。
さすがに「A12」のようにSDカードは挿せませんが、それらが不要な人にとっては「A12」よりも安く済み、Surfaceよりも利便性が高いという、まさに痒いところに手が届く機種と言えましょう。
アクティブ静電ペンの特徴
見たところ、同梱しているデジタイザーペンはV(VZシリーズ)に使われているものと同じでした。
単6電池を使う形式も同様です。
タッチパネルも同じ「アクティブ静電結合方式」を採用しているので、理論的には以下のWACOM製のペンも使えることになります。
動作確認まではできていませんし、WACOM側でも「D7(DZシリーズ)」の機種名が確認表に出ていませんでしたので正式な検証はこれからのようです。
もし、予備のペンが必要となった時には試されるのも良いかもしれません。
ちなみに筆圧感知は4,096段階で、Windows Inkにも対応しています。
この辺りはSurfaceや「A12」とも変わりませんね。
試し描きしたところ、「VZ」と同じ描き心地と考えて良さそうです。
適度に抵抗がありますし、ちゃんと筆圧の強弱も滑らかに描き分けることができました。
さらに嬉しいワンポイントとして、VZシリーズや「A12」にはなかった「ペンを収納しておく部分」となるシール形式のペンホルダーが付いてきます。
このホルダーを貼り付けておけば、上の写真のようにセットで持ち運べます。
Surfaceの専用ペンはマグネット式で本体のタブレット横にくっつくのですが、あくまでもくっつくだけなので、そのまま持ち運んだりOAバッグの中に入れると取れてしまいます。
しかし、こちらのホルダーならペンは取れません。
ただ、機体にシールで貼るということは年数が経てば剥がれたり汚れの原因になりかねない、という不便さも併せ持ちますから貼り付けるのに抵抗のある人もいるでしょう。
使わないならそれも良し。
それでも同梱して入れてくれた心遣いが嬉しいですね。
内部性能について
2018年の開発モデルとしては標準の性能を持つ第八世代のCPUを搭載しています。
今年に入ってから型番と馬力がやや上がっていますが、コア数などが同じでPassMark1,000以内の違いなら大して変わりません。
これに関しては「A12」に勝ります。
それより最も痛いのはSSDがSATA接続である点です。
2019年、ダイナブック株式会社になってからはPCIeが使えるようになっていますが、その速度は体感速度ではっきりと分かるほどに違います。
この点に関してはSurfaceや「A12」に軍配が上がります。
とはいえ、従来のHDDなどから比べればやっぱりSSDですから、体感して違いが分かるほどであっても「使いづらいか?」と訊かれれば、そんなことはない、という程度です。
バッテリーと重さについて
バッテリーは額面で10時間ですから、実動時間として7時間。
一般的なビジネスマン達にとって実戦で使用に耐えうる時間数ではあります。
ではありますが、Surfaceの13時間強が強すぎるということもあり、やや劣ります。
キーボード側にバッテリー込みにした状態の「A12」が額面上では最長の16時間駆動を誇ります。
ただし、あくまでもキーボード側に入れた時の話なのであって、タブレット本体単体で見た時には「A12」は額面8時間しか保ちません。
キーボードありきで考えるなら、「A12」がトップですが、本体のみで見るならSurfaceが最も長く、「A12」が最も短いことになります。
その他、気になったところ
使っていて気づいたのですが、キックスタンドを開いて置くと、キーボードドッグの角度に影響を与えるようで、手で動かして調整してあげないとピタリとくる角度になりずらい点が引っかかりました。
Surfaceや「A12」にはそれらの必要がないので、そういう意味で気にする人は出てくると思います。
あと、どういうわけかこの「dynabook D7(DZシリーズ)」はタブレット部の背面に指紋認証があります。
使ってみると、特に使いづらいということはないですが、あえて顔認証を外して指紋認証にしつつ背面に読み取り部を設置したのは…コスト削減のため?(^^ゞ
理由は分かりませんが、特にこれは欠点というほどのものでもないですね。
比較の為に言うと、解像度は通常のフルHDなのでさすがにSurfaceには叶いませんが「A12」と同格で、普通に見やすい画面でした。
※次ページに比較性能をまとめた表を用意しました。
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