インテルの最新CPU開発生産に遅延が発生しているニュースは、デジタルトークに通じている人なら、既にご存知のことと思います。
本来であれば、新CPUが組み入れられたラインナップと旧モデルとの価格差、性能差を比較して「今ならこのパソコンがお買い得」となるのですが、新型CPUが出ないことには各メーカーともしばらくはマイナーチェンジに落ち着く可能性が出てきました。
そこで、今回はお正月ということもあり、2019年にパソコンを買い替えるならどのタイミングが良いのか。
外的要因にも目を向けつつ考察してみようと思います。
ムーアの法則は今も健在か? インテルの苦悩
半導体の集積度は2年で倍増する——、これが「ムーアの法則」です。
簡単に言ってしまえばCPUの能力は回路の幅を細くすればするほど、能力を上げることができます。
しかしながら、当然、集積回路の幅を細くするのは至難の業で、年々、そのハードルが上がっていくのは避けられません。
それでも、インテル社のステイシー・スミス上級副社長は「ムーアの法則は順調だ」と言っていたのは2015年頃のことだったでしょうか。

それまで回路線幅が14nm(ナノミクロン:ナノは10億分の1)メートルだったものを、更に超極細の10nmへの開発に移行したわけです。
しかし、この生産移行で躓きました。
そもそもの構造に問題があったのか、純粋に技術的な問題だったのかは分かりませんが、例年通りであれば秋口には新しいCPUが搭載された新製品が話題に上がるものです。
しかし残念ながら、去年は一時的に第9世代の話題が上がったものの、実機を見る機会はなく、オプテインメモリーが少し注目された程度です。
一説にはこの状況が2019年後半までは続くとの見通しが立てられており、そうなれば、従来の14nmを使ったコスパ優先の従来CPUを製造した方が良い、と考えるのは当然の帰結です。
すると、従来の第8世代の価値が上がると見越したバイヤー達が買占めに走り回り、余計にフル稼働状態に。
結果として世界レベルでの品薄状態になっているという…。
加えて、記憶に新しいところでは間の悪いことに、生産しているインドネシアは最近では噴火やら津波やらの影響を受けてしまっています。
第8世代CPUの生産工場に影響が出ているという話はまだ聞いていませんが、ここも痛手を負うようなことになれば2019年はパソコンにとって不作の年にもなりかねません。
AMDにとっては追い風となるこの状況も、国内メーカーではNECと富士通の一部の機種のみしかお得になりません。
もちろん、アメリカのGDPに900億ドルも貢献しているトップ企業が、おめおめとライバル会社にその座を譲るとも思えませんので、きっと今年の終わりには素晴らしい最新CPUを用意してくれることでしょう。
しかし、そうはいっても問題は“今年”なのです。
「もう古いパソコンが保たないよ」「新しい学校で必要なの」
いつものようにパソコン売り場で耳にしている声が上がります。
どれを買うか、というのは機種選びが必要なので、それは各記事をご覧頂くとして。
そう。
問題は“いつ”買うか、なのです。
2019年でパソコンを買うタイミングはいつがいい?
ここからが本題です。
Windows7のサポート終了を目前に控えるとどうなるか
かつての名OSであったWindows7が2020年の1月にサポート切れを起こすことは、以前のOSの説明で書いた通りです。
前回を参考にするなら、同じ名OSとして名高いXPのサポートが切れた2014年の4月の頃を思い出してみます。
当時のパソコンフロアは芋洗い状態になるほど混み合ってしまい、特に住宅街に近い店舗ほど影響を受けやすかったようで、特にその条件が重なった店舗は販売員も休憩を取れずに売り続けるという、激混み状態となります。
当然、そんな中で落ち着いて選んで買えるわけもなく、
また、
同様のことが今回のwindows7でも起きると予想するなら、2019年の年末から2020年の年初にかけてはタイミングを外した方が良いです。
仮に2019年の10月頃でどうだろうか、と言いたいので
消費税の増税前に駆け込み需要はどれほどあるのか
消費税法が施行されたのは1989年、竹下内閣のこと。
当時も「増税前に買いたいものを買っておこう」とする流れから、
もっとも、それは3%、
これが3 → 5%になる2%差では、それほどの混乱は起きませんでした。
問題はこれが「Windows7」の買い替え時期手前と重なるということです。
高額な買い物になればなるほど1%の重みは大きいもの。
一家に一台以上のパソコンやタブレットを置くご家庭が多くなった昨今、ちょうどお金を使うには「増税前がいい」と考える人は少なくないでしょう。
とすると、その混雑を予想するなら更にその前。
夏。
…と、言いたいところなのですが、これもまた今年は特殊な事情があるので変わってくるのです。
日本のパソコンはインテル入ってる市場ですから
今年に関しては次の第9世代CPUはなかなか出てきません。
じゃあ、AMDのAPUでいいじゃん、となりそうなのですが、これはこれで生産できない事情があります。
元々、パソコンの生産というのはCPUと基盤をくっつける作業から始まるわけで、その生産ラインの中核を成す部分は「じゃあAMDに変えるべ」っと言って簡単に取り替えられるようなものではないのです。
CPUを変えれば全てのパーツを変えなければいけない、ということでもあります。
一度、ラインが決まってしまえば、そう簡単にCPUを変えることができない。
それを知っていたインテル社はパソコン黎明期に、日本のパソコンメーカーにどこよりも素早く営業をかけました。
「インテルCPUを内蔵するパソコンメーカー」をとにかく増やしたのです。
結果、生産ラインがインテル社のCPUを組み入れることになった以上、後からAMD社だのモトローラー社だのがどんなに営業をかけても、もう動かすことができません。
これは完全に早いもの勝ちでしたが、日本がインテル市場となった背景にはそのような理由がありました。
しかし、今回はこれが裏目に出ます。
インテル社のCPUを入れざるをえないわけですが、その最新世代が出てこない。
かといってバイヤーの買い占めがどこまで進んでいるのか分かりませんが、第8世代が品薄状態になりつつある中で、当然、買い占めた側は最も高値の時に売り捌くことを考えます。
その時期はいつか。
おそらく夏です。
なぜなら、年に三回モデルチェンジする日本市場のパソコン(春モデル、夏モデル、秋冬モデル)は、生産する時にワンシーズン前倒しで部品を必要とするからです。
次の冬に新型CPUが出せるという噂が本当であれば、Windows7の買い替え需要に間に合わせようとするでしょうから、順当に考えれば12月がタイムリミットでしょう。
とすると、そこが第8世代の価格が下がるデッドラインですから、それよりも前に売ることを考えます。
ギリギリまで引きつけると、ライバルに先に売られた時に値崩れを起こすのを知っていますから、それよりも前。
手堅く考えるなら夏に売り抜けてしまうことを考える筈です。
つまり、ここが一番の高値時期でしょう。
パソコンのCPU需要が最も逼迫しているのが夏であるなら、それより更に前倒しで買う方がお得です。
よく「パソコンはいつ頃買うのが安くていいの?」と訊かれることがありますが、新型モデルが出てきた後に前の型落ちが残っていれば、その時期、と答えるのがセオリーです。
しかし、今回はCPU事情もあってマイナーチェンジしても性能は変わらず、値段も新旧で大して変わりません。
どうせ変わらないなら販促キャンペーンが強まる時がいい。
例年通りであれば、年間通してもっともキャンペーンが強まる時期は年末のクリスマス商戦の時、あるいは新生活シーズン、の二つです。
他、夏のボーナス商戦というのもありますが、ここはそれほど大したものでないことが多いですし、先に書いたように価格が高騰している時期になる可能性が高いので、ここは外す方がいいでしょう。
年末シーズンも先の理由から外れます。
となると、残るタイミングは…そうです。
春。
新生活シーズンで賑わい、需給も逼迫する前段階でキャンペーンが強まっているであろう2~4月が最もお買い得な時期ではないか、と予想します。
2019年もよろしくお願い致します
今のところ、春先に買うのが良いという結論ですが、あくまでも個人的な勝手な予想でしかありません。
なにしろ、火器管制用レーダーの照射をしておきながら、新年初笑い大賞となる子供の言い訳をしてきたニュースも流れる昨今です。
仮に某国の格安メモリーやらSSDやらが納品されない事態になったとしたら、別から買い付けないといけないでしょうから、これまたコストがかかる話です。
こうした地政学的リスクはどこでどう発生するのか読めませんし、為替が円高に大きく振れていた2011年から2012年頃はパソコンが激安だったことも忘れてはいけない一要因です。
なんせ部品はほとんど海外で生産されているのですから。
ちなみに…昨年末に1ドル110円以上を推移していたのに、この記事を書いている2019年1月3日の本日はドルが一気に売り込まれて、104円台が見えました。

うほほッ♪
一寸先は闇ですねえ。
ただ、今の状況で分かっている情報だけで予想するなら、先に上げたようなお得な買い替え時期になるのだと思っています。
ここからどのような商品があなたにあった一台として、いつ買えばいいのか。
まだ始まったばかりの当サイトですが、全力でご案内させて頂こうと思います。
正月三が日も過ぎた頃にアップ予定の記事にて、遅ればせながら新年のご挨拶とさせて頂こうと思います。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
コメント