最近、パソコン購入やラインナップに関わる記事を多く書いていますが、基本的な
「ダイレクトと店頭モデルってそもそもどう違うの?」
という質問を受けました。
そこで、今回は基礎的なダイレクトパソコン(直販やBTOとも呼ぶ)と購入方法とモデルの違いをご紹介したいと思います。
最初に結論を要約しますと、以下のことをお伝えするための内容となります。
・直販メーカーから買う 「直販(ダイレクト)モデル」 |
・店頭で在庫のある商品を買う 「店頭(リテール)モデル」 |
|
---|---|---|
時間 | 注文してから出荷配送なので時間がかかる。 | 在庫さえあれば、店からすぐ持って帰れる。 |
ポイント やクーポン |
メーカー毎に発行したものは受けられる。 | 店頭で発行したものは受けられる。 |
選べる範囲 | 組み合わせを変えられるので範囲が広い。 | 決められたモデルだけなので範囲が狭い。 |
店頭で買う | ||
ネットで 買う |
パソコンのモデルは2種類、購入経路は3種類
パソコンは二種類、ダイレクト(BTO)と店頭モデルに分けられる
パソコンは店頭モデル(リテール、プロパなどと呼ばれることも)があります。
従来、皆さんが「○○のお店に行ってパソコン買ってこよー」とすると、概ねこちらのことを意味してますね。
店舗に並んでいる展示機を見て、説明を聞き、気に入ったのがあればそのまま持ち帰る。
または配送をお願いする。
これは、店頭に在庫のある商品だからできることで、短納期での配送が可能です。
仮に訪れた店舗にお目当ての在庫がなかったら、同系列の他の店舗から配送してもらったり、メーカー側が生産していれば入荷待ちしてから買うなどができます。
これが通常の買い方で、通常の店頭商品です。
店頭モデルの考え方
お店の人はこう考えました。
「代表的な型番や色違いの機体を店頭に並べておこう。そうすれば、中身の違いは目立たないので特に問題はないだろう」
パソコンフロアの展示機の展開方法は概ねそんな感じです。
店頭での展示はこれで問題ありませんでした。
ところが、実際の買い物だと困る人が出てきます。
「CPUがi7欲しいのに、メモリ8Gしかないってどういうことだよ。オレ、16GBが欲しいんだよ」
「では、8Gメモリを別に購入して頂き、増設させて頂ければ…」
「それだと保証対象外になるだろ。ついでにProエディションじゃないと困る。会社でそう指定されてるんだ」
「そう言われましても…ラインナップにないものでして…」
こういったように店頭では対応できないモデルを欲しがる人が増えてきたのです。
「だったら性能の組み合わせを変えて直接メーカーから買える販路を用意してしまえばいいじゃないか」
これがメーカーから直接買うことのできるダイレクト(BTO)パソコンの考え方です。
ダイレクト(BTO)パソコンの考え方
直接、メーカーから買う方法をダイレクトモデルと言い、主にネットを通じて買います。
同じメーカーを選んでも扱う商品が全く違う内容になることもあります。
そもそも店頭モデルとは型番が違ってたりします。
同じ外観、同じ機体でも中身だけを入れ替えることによって性能が大きく変わるのがパソコンですから、中身を入れ替えたら呼び名や型番が変わるのは当然のことなのです。
言うなれば店頭モデルの兄弟機種を買えるようにしたのがダイレクト(BTO)で、兄弟であれば姓は同じでも名が違うのと同じように呼び方が変わった、というわけです。
さて。
先の例にあるようなニッチな層の要求を満たしてくれるので、通常の店頭モデルでは手に入らないような性能や値段でパソコンが手に入ります。
欲しい人にとっては、とても助かる買い方でした。
メーカー側にしても在庫の管理を販売店にお願いしなくて済むので、中間マージンが取られない分、店頭よりも安く販売しても利益が出るので嬉しい限りです。
こうして、ダイレクト(BTO)モデルで皆が満足して買い物できましたとさ。
めでたしめでたし…となれば良かったのですが、ここにも問題がありました。
メーカーから直接買う、というのは自由な組み合わせで買うことができるかわりに、
組み合わせ → 配送
になるので、どうしても時間がかかります。
特に組み合わせられる幅が広いメーカーほど、その傾向は色濃く出てしまいます。
幅が広くてもお届けが早いメーカーの場合、配送できる一歩手前の状態でほとんどのパターンを組み上げておくことによって、出荷までを早める…という力技に出るメーカーもいました(東芝ダイレクトがその典型です)。
しかし、そんなことができるメーカーは多くありません。
特に海外メーカーや生産拠点を遠くに置いているメーカーは、ある程度の時間を許容いただくことが絶対条件となっています。
加えてもう一つ厄介だったのが注文方法のややこしさです。
扱う商品がパソコンである以上、細かな内部性能や特殊な機能、周辺機器なども合わせればラインナップに幅がありすぎるので、「お店で買ってこよー」と気軽に買おうとする人たちが全く買えなくなるほど敷居が上がってしまったのです。
せっかくダイレクト(BTO)で購入するルートを用意したメーカー側も困ってしまいました。
そこで、メーカーは二通りの方法を用意しました。
店頭でダイレクト(BTO)モデルのパソコンを買う
一つ目の方法は店頭にダイレクトコーナーを設置してもらい、専門の販売員を立たせて直に注文を取ってもらおう、というスタイルです。
結局店頭で買うなら、店頭モデルを買う方が早いじゃん、となりそうなのですが、先述したように組み合わせてから配送しなければ買えないようなモデルも扱えるので、これはこれで必要とされる場所として受け入れられました。
何しろ、パソコンは長年使うものですから下手な買い物すれば、ずっと辛い使い心地と付き合わなければならないことにもなりかねません。
買う側にしてみれば、使い方を伝えてプロに選んでもらう方が確実です。
店頭でダイレクト(BTO)モデルを買っても、店舗のポイント(ヨドバシならゴールドポイント、ビックならビックポイント)は付きません。基本的にはWEB上で買うのと決済条件は同じです。
しかし、そうなると店舗が店頭モデルを売れなくなって困るじゃないか、となりそうですよね?
ここにもカラクリがあるのですが、簡単に言ってしまうと店頭でのダイレクト(BTO)パソコンの購入では、レジで決算するシステムを借りているので、その金額に応じたマージンがメーカー側から店舗に流れます。
場所を貸しているから場所代を払っているのでは、と思われがちですが違います。
もし、そのようなシステムにしたら「賃貸料」が発生してしまいます。
テナントの面積として貸すよりも、レジの金額としての従量制にした方が税金がかからなくて済むので、そのようにしているのです。
しかも、店舗にメーカーから派遣された販売員が入ることによって、店は人件費が浮くようにもなります。
メーカーも店舗も消費者も、それぞれがWinWinでうまく回るシステムだったので、これはこれで素晴らしいアイデアでした。
ところが、ここにも問題がありました(振り返れば問題だらけですね)。
ダイレクトコーナーはカスタマイズができるのは良いのですが、店舗の一区画を占有してしまうので、大型店しか入れることができなかったのです。
「○○カメラ」とか、「何チャラ電気」とかのチェーン店でも、都心部や大きな街にある大型店にチラホラ入っているだけ。
郊外店や地方店にはほとんどありません。
これでは一般の人に広く利用してもらうことはできなくなってしまいます。
この不自由さをなんとか解消できないものか…。
そこで登場したのがもう一つの方法。
ネット側からでも「買い方やラインナップを分かりやすく紹介して買ってもらえるようにする」というものでした。
ネットの紹介サイトを通じてダイレクトモデルを買う
ネット側で店頭商品を買うこともできますが、やはり時間がかかります。
どうせ時間がかかるなら、ということでもありますが、元々、納期に時間がかかるダイレクトモデルですから、時間がかかるもの同士で相性が良い購入方法だったわけです。
問題は対面販売ではないのに、どうやってネットの世界でも分かりやすく、買い方や製品情報を説明するか。この点が最大の障壁になりました。
何しろ、この問題が解決されれば、店舗に来れない遠くにいる人たちでも、忙しい方でも、ネットを通じて安心してダイレクト(BTO)パソコンモデルを買うことができるのですから。
直接、購入サイトを見たところで分かりづらいことだらけ。
そもそも、他社同士の性能や価格を比較するのは、慣れない個人が行うにはハードルが高すぎます。
このサイトは、そういう目的の為に造られています。
この記事を書いている時点では、まだ1ヶ月半しか経っていませんので、大した記事は書けてはいません。
まだ、紹介していない機種が山ほどあります。
サイトの構造も整備しなければいけないと考えていますが、より多くの製品を並べて、より分かりやすく比較検討できるように構築しようと思っています。
もし、パソコン購入を検討している方がいらっしゃいましたら、今後とも末永くお付き合い頂ければ嬉しい限りです。
欠点を解消するために
インターネット側から注文する方法では、もう一つ難しいのが「実機を見れない、触れない」という部分です。
これに関してはラインナップを、ずらり並べておける実店舗が最強でしょう。
しかし、ダイレクトの利点である組み合わせを自由に選べる点については捨てがたいものです。
何より値段が安くなるならネットから買いたいですよね。
そこで、お勧めなのが「一度は近場の店舗で実機を見てくる」というものです。
ネットの写真だけで注文して「こんなつもりじゃなかった」と言っても(原則)返品はきかないので、買う前に購入候補となる兄弟機種を見て、触っておくべきなのです。
できればその時に店舗の人から説明を受けられればなお良し。
もし、この時にネット側から買うよりも安く店頭で買える、または何かしらの良いサービスがあるなら店頭で買うべきです。
しかし、そうないようならその場で即決するのではなく、一度、家に持って返ってじっくりと考えるべきです。
勢いや販売員の言に乗せられてしまうと、予定より高額の買い物になってしまったり、必要でないものを買うことにもなりかねません。
一度、話や見積もりを持ち帰って、自分でじっくり考えるのです。
その上で「やっぱりあれがいい」「あの店員さんから買いたい」「違いがないならネットで安く買おう」としたら、その判断がおそらく一番正しいです。
そして、その為の一つの選択肢としてこのサイトの情報を使って頂けるなら、とてもとても嬉しい限りです。
ダイレクト(BTO)パソコンの欠点を比較する 納期について
せっかくですから、この記事で納期の比較もしておきましょう。
2018年年末現在、このサイトで取り扱う予定のダイレクト(BTO)モデルの納期の比較は以下の通りです。
メーカー名 | 通常納期時・出荷までの平均的期間 | 備考 |
---|---|---|
1週間~2週間 | アウトレット品は1~3営業日出荷も可能。 | |
東芝 | 1~3営業日 | 9割以上は翌営業日に出荷。 |
富士通 | 1週間~2週間 | 短納期モデルだと、午前10までに入金確認次第、即日出荷も可能。 |
VAIO |
1~10日 | 部材が切れると稀に2週間以上。即納モデルだと翌日出荷あり。 |
2~3週間 | 短納期モデルは17:30までに入金確認できれば、翌日出荷可能。 | |
Lenovo | 1~2週間 | 最大一か月以上も。ただしIdeaPadは一週間以内になることが多い。 |
HP | 1週間~10日間 | 部材が切れると稀に1ヵ月以上も。 |
DELL | 2週間~3週間 | 即納モデルは一週間以内。遅延かかると一か月以上も。 |
当日~翌日 | 予定より遅れると5000円のキャッシュバックあり。 |
※surfaceも扱う予定ですが、ダイレクトとはちょっと違う位置にあるので割愛しています。
まだ、調べが足りない部分もありますが、おおむね上記の通りです。
こうして見ると、ドスパラの出荷にかける意気込みが凄いですね…遅れるとお金もらえるって(笑)。
ドスパラを除けば、ほとんど組み上げてるモデルを出荷するだけになっている東芝ダイレクトが一番早いです。
しかし、そういう意味ではほとんどのメーカーが即納モデルを用意しているので、組み合わせ方が欲しい内容にマッチしていれば、お届けは早くできますね。
海外メーカーは総じて時間がかかることがほとんどです。
通常の納期に関しては、あくまでも平均値の情報ですので、WEBページに書かれている内容ではなく、実際に注文を通している人たちの情報を織り交ぜました。
つまりは、こちらの情報の方が、よりリアルで正しい情報、ということになります。
今後、この情報が変更になるようであれば適宜、修正を加えてゆくつもりです。
(メーカーも上記以外にも盛り込む可能性が大です)
ご購入の際には、これらの情報を元にご検討頂ければと思います。
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